イベント拡散
地球儀が高速で乱回転を始めた。
どうしてこうなった。
「ボタン?宝石?押してるけど止まらないよー」
「止まらないよー、じゃないがな!離れてろお前!」
「ノーマルガチギレじゃん、離れとけ。ってかお前らこいつから離せ!」
他の連中がフリーダムマンを胴上げの様に運んで行った。
良し良し、ここからだ。
宝石の配置意を確認しよう。真ん中に青い石。上に緑、右に青、左に赤、下に紫。
回転を止めるのはー、俺が押した緑だろ?止まらねぇ。
じゃあこの青いサファイヤか?あっ、縦回転が止まった。
いいぞー、次は、赤のルビーだ。よし横回転が止まる。でもまだ斜め方向に回転してる。
青が縦、赤が横。ならこの紫色の良く分からないので止まるはずだ!
止まった。じゃあ緑で回転始めたのは何だったんだよ。
「変な色の宝石探そうぜ」
「そうだな、良く分からなくて困ってた所だ」
「とりあえず、宝石っぽくないやつから行こう」
宝石っぽくないやつ?この青い石とか?
おっ?アップして行って、地図になった?
これもしかして俺達のいる大陸?的な?
「これ、別々にアップとかできないか?」
そこの言葉に恐る恐るだが左にある赤を教えてみる。
だってこれ、多分宝石が方角の奴だろ?なら今いる西は、左だろ?
中心部分が動いていき、砂漠になって来た所で宝石から手を放す。
「おぉ、すっごい動いたな」
「もう一回青い石押してみるぞ」
言った通りにすると地図がアップになっていく。
「青白いけど確かに砂漠だ」
「もうちょい動かしてみるか?」
「他に石は?」
他にあるかなー、あったわー。
なにこれ、透明なのと真っ黒。地球儀を真上から、地図操作ボタンを真下にしたら、透明が右に、真っ黒が左に。
「どっちから押す?」
「えっ、そういう?じゃあ、両方?」
「よし、やるか」
せーの、で押す。
地図が引いて行き大陸の全体図へ。そしていくつかの場所が白い光が灯る。
「なにこれ」
「本当になんだ?」
「あー、もしかしたら重要イベント地点じゃなーい?」
いつの間にか解放されていたフリーダムマンがすぐ横で言ってくる。チケェよ!
「情報拡散するか?」
「いやー、全員で片っ端からやろーよー」
「いやイベント独占はアカンですやん」
「なんで関西風?」
「せやかて出てまうんやからしゃーないやん!」
こう言うネタをするためにイントネーションも勉強しててん。ベルッサはんにたまにド突かれるけどな!
うん、これからは止めよう。キャラじゃない。
「気を取り直して、マジで独占すんの?」
「しないのー?しようよ」
「そんな、急にマジ声で」
「目が笑ってないぞ目が」
笑顔だったのが急に真顔になるの怖いから止めろや。
いやこれ俺も良くやってるわ。もう止めよう。
今日は止めようと思うことが多いな。一歩、二歩位は成長出来たんじゃないか?まだ実践してないからそれ以前の問題か。
「誰かスクショ撮ってスレに上げろ」
「煽りまくってやれ」
「性格悪くなーい?」
「独占しようとしてたお前が言うのかソレ」
「どうせなら独占したーい」
「いいかフリーダムマン」
「どうかしたのユニークマーン」
「大勢でイベント戦、どう思う?」
「えっ?わちゃわちゃしてて楽しい?」
「一人でイベント独占して、一人でクリアしたら?」
「えっ?感想言いあえないからつまんない」
「答え、出てるよな」
「ばらまけー!鳥!ばらまけー!」
マジでなんも考えてないのか、それともこういうロールプレイなのか。
素寄りだとは思うんだけどなー、なんだろうなー。
はい俺もスクショパシャー。
「はいはい、拡散希望っと」
「ヒャッハー!祭りだー!」
「掲示板は見ない演技に御座る。祭りに参加出来ぬ、不本意」
「突然ロールプレイをするな」
なんか言われたけど気にせずに地球儀を動かす。西の西、ピラミッドの更に向こう側へ進めていく。
「して、この奥。どう見る」
「どうって、渓谷か、これ」
そう、地面に裂け目の様な物が見えたので、話しかける前に色々探してみた。
地図操作の反対側、そこにあったのは灰色の半透明の石。押せば縦に表示されていた地図が横に寝かせられ立体的に見えるようになった。
「此処も瞬いておった。継続して進むか?」
「いや、まあ、行くか?」
「疲れたからまたこんどー!」
「だ、そうだ」
「マジかよ。じゃあ解散な」
「その前にこんなのあったよ」
投げ渡されたのは丸くされた青い石で作られたブレスレット。
アイテム名は[ラピスラズリの転移石]?ブレスレットの一文字もねぇ!
[強く握れば天体図の元へと移動可能]
[かつて、空を見上げる人々がいた。彼等は地から採れる物の加工技術に富んでいた]
[宝石は大地の恵み]
[各地に埋まるソレ等からの力を一点へと集め、地図として記す場を作り。次へと託し、蛇によって滅んだ]
なーにこれ?世界観説明されても知らんわ!ってなるわ。
ってか滅んでるじゃん。要らない情報だよコレ。
しばらく砂漠で疲れたな。
いつもの酒場に戻ってギルドホーム行って、ダべるんだぁ。
帰り道、クエスト達成通知に気が付いた。おっさんスフィンクスの焼死のインパクトと、蛇戦の疲労と謎のスライダーで驚いてたからな。
[ワールド全体への通達です]
[クエスト・二対一体の人獅子]
[が、ギルド[デザートジャパニーズ]、[ケンミンショー]、ヴィーダズ、ノーマルハンド、ルウェン。により達成されました]
[ご自身で、この世界を更に体験してください]
[ワールド全体への通達です]
[クエスト・日輪を目指す蛇]
[が、ギルド[デザートジャパニーズ]、[ケンミンショー]、ヴィーダズ、ノーマルハンド、ルウェン。により達成されました]
[ご自身で、この世界を更に体験してください]
[ワールド全体への通達です]
[クエスト・チのカタチ]
[が、ギルド[デザートジャパニーズ]、[ケンミンショー]、ヴィーダズ、ノーマルハンド、ルウェン。により達成されました]
[ご自身で、この世界を更に体験してください]
日輪って、あぁ、地球儀の事だったのか?
なんか皆並んで徒歩で帰ってる。
ピラミッドの頂点の部屋からは、なんか、普通に扉があったから出れた。あのまま閉じ込められっぱなしかと思ってたわ。
「って事があってだな」
「マジでユニークマンそのまんまやん自分」
「スレ見た?」
「あー、拡散希望やっけ?見たけどよう覚えとらんわ」
「はいこれどうぞ」
メッセージで撮ったスクリーンショットを送った。逃がさない。
勿論相手はベルッサさん。ギルドホームで一人しか居なかったから丁度良いや。
「他の連中には?」
「後で四人ギルドの方にも爆撃しに行く。放浪するんじゃなくてそっちで活動しようかな」
「なんや、こっちは放置なんか?」
「呼ばれたらアイツ等引き連れて行くよ。あっちがメインだし」
「初めてあった連中やっけ?」
「いや初めて会ったのは別。通りすがりに助けて貰った」
「信仰極振り初期じゃ攻撃力ないしな」
「スライムで実験したら逆襲された。あの時はリアルで死ぬかと思った」
「あー、スライム予想以上に水やしなぁ、このゲーム」
「んで、モンスターにヒール、んで凡百の聖剣にエンチャント出来るのも確認した」
「いや、モンスターにヒールってなんやねん」
「なんか思い付いただけ。あの時は固まったね」
「そりゃ予想外やしな」
「そして助けてくれた人が「凡百の聖剣、バグってない?」って言ってきたんだよ」
「モンスターが回復したなんて聞けばせやろな」
「彼女は先見の明があったよ。ただ一つこれだけは未だに許せぬ!」
「え?なんかあったん?PⅴP?」
「「積んでも知らないわよ」ってさ、ってさぁ!積んでねーよバーカバーカ!」
「思い出して荒れるのやめーや」
これでまた気を付ける事リストに一つ増えたな。
今日はなんかやべー一日だったな。




