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異世界王道イベント?

街から出て数分。俺は一つの問題に直面していた。


ローンワーズ、どっち?

歩いて二十日、そんな情報しかない。

だがこのゲームはフルダイブ型。時間感覚の引き伸ばしなんてお手の物。いや、脳みそ弄られるのは怖いよ。便利だけど。

現実の一日がこの世界では三日。つまり三倍に引き伸ばされている。よくて二倍だろ、馬鹿かな?そう思わなくもないが、二十日が一週間になるのは大きい。

こうやって進歩した技術に馴染ませて他の物じゃ満足できなくする、極めて効果的な宣伝方法に恐れを抱く。


今このゲームは夜。遠くに見える灯を目指して進む俺。

日が昇るか町?についたら今日はもう寝よう。八時間ぶっ通しは流石に体に悪い。

綺麗な月と満点の星空。住んでる所がそこそこ都会なので普段では見れない景色に魅了されながらフラフラと歩いているとふと思い出した。


ウィンドウを開き、ギルドの枠をタップする。

[所属ギルドはありません]

[現在のレベル、到達地点ではギルドを開けません]

そんなシステムメッセージを横に虫眼鏡のマークが付いている空欄を触る。

キーボードが浮かび上がり[ギルドを検索します。検索ワードを入れてください]のメッセージを見、極振り互助会と入力して検索を開始。

[極振り互助会(5)]の小さな表示だけが、ウィンドウに示される。

タップすると[ギルドメンバーではありません][申請を行いますか?]と出る。

Yを触るとメッセージウィンドウが出てくる。


[ノーマル]:信仰極振り中です。よろしければお話を聞かせていただけませんか?


そのメッセージを送って、ウィンドウを閉じる。

なんだか気分が高揚してきた。

凡百の聖剣を抜き、適当に振り回す。今の俺はまるで酔っ払いだぞ。雰囲気に酔ったんだ。

今の俺は無敵だぞーなんでも出てこーい。


ウィンドウが出てきた。

流石にシステムには勝てないよぉ。


[サイトー]:どうもノーマルハンドさん、今は僕しかログインしてないんですけど、それでも大丈夫ですか?

[ノーマル]:あっいえ反応して頂いただけでもうありがたいです

[サイトー]:信仰極振り、と書いてましたがやっぱり回復メインですか?

[ノーマル]:凡百の聖剣です

[サイトー]:あっ

[ノーマル]:どうかしました?

[サイトー]:いえ、ちょっと、目眩が

[ノーマル]:もう夜遅いですからね。お休みになられたらどうです?

[サイトー]:ちょっとそうします。また明日連絡します

[ノーマル]:夜七時にはログインしますのでその頃にでも

[サイトー]:はい、気を使って貰ってしまいすみません

[ノーマル]:体調ってプレイングに直結しますし、下手にデスペナ貰う前に撤退する方が良いですし

[サイトー]:では、また明日

[ノーマル]:お休みなさい


[サイトー]がログアウトしました。

まさかすぐに返事が来るとは思ってなかったから驚いたぞ。

チャットしてたらいつのまにか町、いやもっと小規模だから、村に辿り着いた。

焚き火の側で酒のんで宴会してた村人に話しかければ宿屋を教えてくれたので向かう。


床は板張りだが壁は丸太そのままというなんとも言えないセンスの宿屋でチェックイン。お代は帰る時でいいらしい。

部屋に案内してもらいベットに寝そべりログアウト。


俺の体を包むのが質素な布団から柔らかい敷布団とタオルケットに変わる感触だけはどうにも慣れなそうだ。

ヘルメットを外して電源を切り、パソコンもログアウトして俺の意識もログアウト。

いやー、いい一日だったよ!





俺は家から学校までが五分の帰宅部エース。

まあ教室で友達に捕まったから予定よりは遅くなったけど六時には帰宅。

家に帰りオカンが作り置きしていた晩飯を早めに食べてゲーム開始。

ノーマルハンド、今日もローンワーズへ向かう仕事が始まるよー。


宿屋の女将にローンワーズの場所を教えて貰った。俺が進んできた道はどうやら合っているようだ。

ただ、ここから先の道は三又になっているようで分かれ道で右に進めばいいらしい。その先はまた村や町があるから聞けってさ。

宿屋の女将からのクエスト発生!

冒険に出たがっている息子に剣を教えてやってくれ。

よし、この俺が聖剣を教えてやろうではないか。


聖剣はお気に召さなかったらしい。俺は押し売りはしない主義だから気にしない。相手はNPCだからきにしない。相手は子供だからキニシナイ。

ヤベェ、全身ズタボロになった子供が女将さんに泣きついた。

女将さん的には依頼大成功らしい。焦ったわ。

経験値とお弁当なのだろうバスケットを貰って村を出る。

中身は、なんだろう。ハンバーガーとサンドイッチを足して二で割った感じ。簡単に言うと肉のないハンバーガー。コレを一体なんと呼べばいいんだろうか。アイテム名がロムリース宿の女将の手作り弁当、だから結局答えは無い。


三又の道を右に曲がり進む。

左は砂漠?真ん中は草原?右?森だよ、鬱蒼として枝が屋根みたいになって暗い森。

そんな時こそ凡百の聖剣の出番さ!刃が少し明るく光っててライト代わりなら丁度いい!

明るさを例えるなら、レジ袋被せた懐中電灯くらい。少し頼りないけど無いよりマシだし、何より聖剣だから最高さ!

にしても、始まりの街的なあそこを出てからモンスターと遭遇しないな。

なんてことを考えていたら前方から何やら音が聞こえてくる。小走りで駆け寄ってみよう。野次馬野次馬。


横転した馬車。

足を一本切られ倒れ臥す馬。

鎧を着た人が一人で山賊ちっくな五人組に囲まれている。

異世界ものでよくあるやつじゃな?俺は詳しいんだ。


「ヒャッハー!信仰しない奴は山賊だ!信仰してる奴はよく訓練された山賊だー!」


奇声を上げ、よく分からない理論と共に駆け出して背中向けてる山賊へと襲いかかる。

ただ背中をバッサリ切るだけじゃつまらないので飛びかかって地面に押し倒して首を聖剣で貫く。

よかった、名もなき山賊って表示される、NPCだ。プレイヤーだったら荒れてた所だ。


「なにか分からないが仲間割れか!」

「拙者、聖剣大好き侍。義によって助太刀いたす」

「さむらい?よく分からんが私の味方だな、共にこの場を収めよう!」


凛とした声の女性だった。あんまり気乗りしないなぁ。こう言うのってアレだろ?くっころってやつ。

女騎士さんのHP減ってるしエンチャント:ヒールで切りかかる。


「なに!おのれ山賊、知恵を使っ、えっ、回復してる?」

「我が必殺の剣で回復させた、存分に戦え!」

「ふっ、なにがなんだか分からんが背中は任せたぞさむらい!」


やだ、さむらいって発音可愛い。

この上がっちゃったテンションは山賊君で発散するとしよう。


五分後全討伐完了。キルスコア俺が2:女騎士さん2だった。

最後に逃げ出した奴は女騎士さんが剣投げて殺してたよ、怖いわ。


「誰か知らんが助かった。良ければローンワーズまで付き合っては貰えないか?」

「ローンワーズは目的地だし良いよ」

「それは助かる。賊はもう居ません、出てきても大丈夫です」


そう横転している馬車に女騎士さんが声をかけると馬車が揺れた。え?なに?お嬢様とかお坊ちゃんとかじゃ無いの?


出て来たのは青色の綺麗なドレスを着た少女。

続いて青い軍服のようなものを着た青年。

おい青年、なんで君出てこなかったの?俺要らなかったよね?

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