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いざ行けローンワーズ

教会の長椅子に腰掛けステータス画面を眺める。


PN:ノーマルハンド

LV:4→14

JOB:聖職者

HP(体力):9→19

MP(魔力):10→20

END(持久):9→19

STR(筋力):14→24

AGI (敏捷):8→18

TEC(技量):14→24

EDU(知識):14→34

FAI(信仰):38→58

LUC(幸運):13→23


Free(自由割り振り):50


なんだか凄いレベルが上がった。

そりゃそうだ、4レベで120レベ倒したんだからな。急成長よ。

初めて合った時は六十倍、さっきは三十倍。今では、何倍だ?大体八倍?九倍?着々とお前の頂へと近づいているぞスケルトン。


そして信仰がフリーポイントを使って百の大台に乗り108になったぞ。もうなんも怖かねぇ。


「良くぞ成長なさいました、聖職者よ」


ほくそ笑んでいると突然修道女さんが声を上げた。

辺りを見回したが誰もいない。うん?俺?


「そうです、自分を指差す聖職者よ。聖書をこちらへ」


なになに?ジョブチェンジはレベルじゃ無くてステータスなの?極振り様々だな。


「ローンワーズの地にて優秀な聖職者を求めておられる方がおります」


ジョブチェンではない?いやこれジョブチェンジイベントか!


「その、ローンワーズって、何処ですか?」

「ここより二十日ほど歩いた場所にある、ある貴族の領地になります」


二十日?ヤベェ、遠い。


「問題を収め、更なる聖職の高みへと至らんことを」





「って事があってさー」

「ほうかい。ほれ、強化したぞ」


鍛冶屋の爺さんに三人で倒したゴーレムのドロップアイテムを売りに来たら凡百の聖剣を強化してくれた。

強化値は、5?一気に上がったな。


「ローンワーズって言や、酒の名産地だ。あそこの酒はうまくてなー」


そんな設定出されても俺未成やし。


「そう言えばさ、あの鉱山の一番下、洞窟があったんだけどなんか知らない?」

「洞窟?ふーむ、図書館に行けばなんか分かるやもしれんな」

「図書館ね、ありがと」


店を出るときに「ローンワーズに行ったら酒をダースで買って来とくれー」とイベントが発生した。こんなんでもクエスト出るのか。多分理由付けなんだろうけど。


その足で向かうのは図書館。


では無く勿論鉱山最下層の洞窟!

序盤の街の近場の鉱山の底にある高レベルモンスターのダンジョン。なんかあるだろ、良い装備品あるだろ。知ってんだぞ。

今回は、戦わずにコソッと宝箱を探す旅が始まる。聖職者が盗賊の真似事かって?違う違う。持ち主の無いアイテムを保護するんだよ。

なんかあってもどうせ装備出来ないだろうけど好奇心には勝てないよねー。


十字路の角から左右を覗けば後ろを向いているスケルトンがそれぞれ一体ずつ。その隙に先へと進む。

落ち着いた場所でメモ帳機能を開きマッピング。ダメ元で試してみたけどこういうのは出来るんだなガワ。なんか、世界観がよく分からない。

そんな事を繰り返していると行き止まりに宝箱を発見!

ゆっくりと蓋に手をかけ開けていく。

中にあったのは、なんだコレ?銀の円柱?

持ち上げてみるとバケツ?あっ、違うコレ兜だ。


信仰の円柱兜

防御力:FAI


うん?要求ステータスは無い?防御力=信仰って事?

えっ、何これヤバくない?

装備してみるとジャストフィットに視界もバッチリ。ヒャッハー!新しくなった俺デビューにスケルトン狩りだー!





死んで教会の長椅子に寝っ転がってた。

そうだよな。防御力が108になったところで雑魚は雑魚よ。調子乗って攻撃避けなかったところにワンパンだったわ。多分あの洞窟、信仰ビルドの救済場だ。

というか多分全ステータスそれぞれのダンジョンがある。

イベントかなんかで存在を語られて探す流れなんだろうけど、なんだろう、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

聖剣をツルハシの代わりにして鉱石掘るとか、どんな条件だよ。

きっとあのダンジョンの奥には最強の聖剣が石の台座に突き刺さってるんだろう。


そこに相応しいのはこの凡百の聖剣だ。


目標が決定した。

ローンワーズとやらに向かってジョブチェンジしてからレベルを上げて誰かがあのダンジョンを踏破する前に俺が最奥に辿り着く。

そして凡百の聖剣を台座に刺してスクリーンショットを撮って掲示板に投稿する。


「その兜は、いいえ、なんでもありません」


長椅子から立ち上がりいざローンワーズ。

となったところで修道女さんが驚いたような顔をしてからいつもの素知らぬ顔に戻った。

うん、なんか、イベントすっ飛ばして、マジすみません。





[ノーマル]:拙者、宿敵を乗り越え段位14へ至る

[アイナス]:えぇ?俺超えられたんですけど

[ ナマル ]:私も追い越されそうね


ローンワーズへ街を出て暇になったのでウィンドウを開いて暇つぶしにフレンドの枠を触ればチャットが開いたので使ってみる。名前省略された、悲しい。

これ手打ち出来る。しかも脳波コントロール出来る。スゲェ。なんて感動してたら速攻で返事が返ってきた。


[ノーマル]:次なる目的地はローンワーズに候

[アイナス]:ローンワーズ?なんで?

[ナマル]:ジョブチェンジよ。でも早くないかしら?私まだ魔術師よ?

[ノーマル]:多分ジョブチェンイベント、ステータス。信仰100超えてイベント発生

[アイナス]:マジ?俺だと筋力とか?

[ナマル]:アンタ知らなかったの?適正ステータスの合計100でイベント発生よ。

[ナマル]:もしかしてノーマル、信仰極振り?

[ノーマル]:イエス。俺の凡百の聖剣は最強なんだ!

[ナマル]:受け入れなさい。アナタのソレは産廃よ

[アイナス]:極振りかー、ロマンだよな。ギルドもあるみたいだし

[ノーマル]:そんな残念な人達がいるのか

[アイナス]:お前が言うな

[ナマル]:最前線張ってる化け物ギルドよ。メンバーも確か、五人だったかしら?

[ノーマル]:ヒャッハー!後で申請送ろう。名前は?

[ナマル]:極振り互助会

[アイナス]:互助会って

[ナマル]:極振りしてる人達は大抵この人達のお世話になるわ。でもやっぱり極振りはキツイから途中で止めるか、新キャラ作る人の方が多いの

[ノーマル]:信仰はいいぞ。回復出来るし、なにより、なにより!聖剣がカッコいい!

[アイナス]:これもう病気だよ

[ナマル]:そう?ゲームは楽しんでこそよ。私だって誰かと一緒に始めていたら魔法極振りしてたわ

[アイナス]:何こいつら怖い

[ナマル]:私の魔法でモンスターの体力バーが消し飛ぶのが快感だわ

[ノーマル]:今からでも遅くない!アイナスを鍛えて盾にして魔法火力極振り始めよ?

[ナマル]:嬉しいお誘いだけど、来週から私の友達も始まるのよ。

[アイナス]:あの、さらっと肉盾扱いしないで?

[ノーマル]:俺たちズッ友だよね!

[ナマル]:極振りが移るから合わせないわよ

[アイナス]:極振りって移るものなのか

[ノーマル]:何はともあれ楽しく行こう。アイナス、レベル上げ、手伝ってやるぜ?

[アイナス]:俺の先輩冒険者ポジションがとられたー!

[ナマル]:元々私がいたし、よくて同じ先輩冒険者の後輩仲間ポジションよ

[アイナス]:奇妙な信仰侍後輩と魔法火力に酔いしれる魔術師先輩に挟まれる哀れな平凡主人公ポジはココですか?

「ノーマル]:ところでこのゲーム、AGI振る必要ある?レベル2、4でも今とそう変わらないけど?

[ナマル]:極振りすると瞬間移動みたいになるわよ

[ノーマル]:なにそれこわい

[アイナス]:何ソレ怖い

[ナマル]:極振り互助会の一人がそんな人。私たちが倒したレアエネで新人をパワーレベリングしている所に出くわして驚いたわ

[ノーマル]:最前線暇なのかな?

[アイナス]:まだユニークモンスター見つかってないし最前線組は探して回ってるはず

[ナマル]:ユニーク倒さないと進めない場所があるらしくて皆躍起になって探してるはずよ

[ノーマル]:ほー、ほー、ほー

[アイナス]:?

[ノーマル]:リーチ!

[アイナス]:麻雀やってんじゃねぇよ!

[ノーマル]:ま、まだツモってないから

[ナマル]:詳しくは聞かないわよ。火力が必要なら呼びなさい

[ノーマル]:先にジョブチェンっすね。一緒に来る?

[アイナス]:レアエネゴーレムうまいからしばらく狙う

[ナマル]:一週間はアイナスに付き合ってここにいるわ。友達も来るからそれまではね

[ノーマル]:拙者はソロ侍。同情は無用!

[ナマル]:本当に突然侍になるわねこの子は

[ノーマル]:強行軍である!

[アイナス]:一人で、軍?

[ナマル]:シッ!黙っててあげなさい


酷い奴だよアイナスお前。

そんな事は置いておいて向かう先はローンワーズ!俺は強くなって帰ってくるから骨を洗って待ってろよスケルトンズめ!

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