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【悲報】凡百の聖剣さん、産廃だった【クソ雑魚】


と言うより、あの同業者さんの口ぶりだと信仰ビルドが残念っぽいな。


知るか。


ゲームって言うのは、自由で、なんていうか、救われてなきゃ駄目なんだ。独りで、静かで、豊かで。

という訳でソロで信仰振り、凡百の聖剣縛りやりまーす。


走って走って鉱山へ。

走って走って下層へ。

そんなことをしていると前方に巨大な人型の岩ゴーレムと戦っている人影が二つ。

ゴーレムの股下をヘッドスライディングで通り抜け二人の横へと滑り込みながら立ち上がる。


「拙者凡百の聖剣大好き侍、義によって助太刀いたす」


聖剣を抜いて二人に顔を向ける。

良い?助太刀しても良い?ソロだけど別に良いよね。


「二人でタゲ分散させる!しっかり当ててくれよ!」

「言われなくたって、やるわよ!」


分厚い両手剣持った鎧姿の男と全身真っ黒の三角帽子とローブの魔女子さん。火力要員と火力要員がダブってしまったぞ。いや、このパーティ構成はマズイでしょ。


率先して駆け出して足元をすり抜けて聖剣を振るう。うん?運動能力は現実とそう変わらない感じ?AGIとは一体?

ゴーレムの頭が俺を追いかけるように動いたところで両手剣君が攻撃。

彼へとゴーレムの大きな腕が持ち上げられるが、魔女子さんが杖から出した炎の球体が真っ直ぐ飛び出し、肘部分に当たると爆発して石が降り注ぐ。


「やっべ、下がって回復する」


聞こえたその声にヒールを詠唱しながら駆け寄り近付いて、両手剣君を叩き斬る。


「何すんだPKか!って、は?え?回復した?」

「回復するために下がるのは女々じゃ」

「は?めめ?」

「ダセェってこと」


地面に肘をついて、引くと腕が出来上がったゴーレムをさっきと同じように走りながら足を攻撃する。


そんな事を5回。ゴーレムの体力は残り二割ほど。


「ダメージ食らった!」

「回復するのは女々じゃ!」

「ダサくても良いから回復してくれよ!さっきのは何だったんだよ!」


情けない声は無視。俺だってチラホラ石食らって残り四割なのに六割残しで文句言うな。それに俺より防御力高いだろ。


「魔女っ子!締めだ!」


股下を通り抜けながら足を攻撃してある程度距離をとって振り向く。

ゴーレム残り体力一割七分。

ゆっくりとだが重量感のある動きで振り向き、腕を振り上げた。


「ファイヤボール・クアドラプル!」


その背へと四つの火球が当たったのだろう、巨大な爆発が起こり、ゴーレムの全身にヒビが走り、やがて地面へと粉々になって舞い落ちた。


おっとレベルアップ。これで3レベー、えっ?4?

ドロップアイテムが自動的にストレージに入って来たのだろう通知もわんさかくる。待って、こんな強いの?与ダメ一発1.5パーセントのくらいよ?66回くらい攻撃すれば倒せるよ?


「いやー、助かったぜ聖剣侍!侍って感じじゃねぇけど」

「もっとパーティーメンバー待っといたほうが良かったわね」

「二人じゃ無理だ。後、聖職者いれば安定すんのも分かったしな」

「うん?レアエネミーだったの?なんかお邪魔しちゃったみたいですまん」


両手剣君はその場にどっかり座り込み、彼に小走りで魔女子さんは駆け寄った。俺もステータスポイントを信仰に割り振りながらトボトボ歩いて合流する。


「いや、あのままじゃ負けてたから本当に助かった。掲示板で実入りのいいレアエネの情報見かけて勢いでパーティー募集かけたけどコイツ、ナマルしか来てくれなくてさ」

「そりゃそうよ、レベル15でクエストが出るモンスターでしょ?アンタまだ10じゃない」

「飛び入りした手前言いにくいけど、俺まだ2よ?これで4になったけど、無茶したなぁ」

「私は丁度15、クエスト出たけど一人じゃ無理って思ってると募集してたから参加したけど、助かったわ」


なんかいい感じに話ができる!いいぞー俺やれんぜー。


「なあ、これから一緒にどうだ?えっと、聖剣侍」

「拙者。名をノーマルハンドと申す。故あって修行中の身、申し出は有難いが辞退させてもらおう」

「突然侍ロールプレイするなよ、ビビるわ」

「ぶっちゃけパワーレベリングとか好きじゃない」

「そ、そうか。一応フレンド申請送っておく、レベル4って事はまだ初心者だろ?」

「レベル10のアンタが言えた事じゃないわよ」


なんか仲良いな。なんて事を思っていたらウィンドウが出てきて[フレンド申請:アイナス][フレンド申請:ナマル]と表示される。

すぐ下にはY/Nの文字。勿論Yを押す。


「拙者、凡百の聖剣の高みを目指す者、ノーマルハンド。以上、良しなに」

「アイナスだ。適当に両手剣使っていく予定」

「ナマルよ。火属性魔法を追求するつもり。って凡百の聖剣?産廃じゃない」


あっ、やっぱり皆そんな認識なんだ。俺は悲しい。


「他にも産廃ってあるの?掲示板見ないプレイしたくて」

「情報縛りとか何したいのお前?」

「ガワ三大産廃って呼ばれてるのがあるわ」


そう言って講義が始まったので俺もアイナスの隣に座る。


凡百の聖剣。初期武器の物理攻撃力が100あるのに対して斬撃:50神聖:50。武器スキルと呼ばれる物がない。

凡百の苦無。刺突攻撃力:50クリティカル率10%。武器スキルが無い。

凡百の短弓。刺突:50クリティカル率10%。武器スキル無し。


この三つだけが攻撃力:50に加えて武器スキルが無くて三大産廃と呼ばれているらしい。悲しい。


「与ダメ半減に武器スキル無しとかどんな縛りプレイだよ」

「今強化値+1で、攻撃力55だ」

「5しか上がってないじゃ無い、普通なら10上がるのよ。さっさと段階強化しなさい」

「段階強化?そういや成長するとか言ってたな」

「強化してるなら分かると思うけど、鉱山で未鑑定の鉱物を鍛冶屋に持っていくといずれ話されるわ。強化値10だったかしらね」

「そう言えば俺、強化してない」

「レアエネ狙う前にクエスト受けなさい!」

「いやー、モンスター倒してたらいつのまにか」


ほーん。ま、段階強化?成長?させないんですけどね。


「じゃあ俺この辺で」

「おっ、修行か?」

「倒すべき敵がいる。それまで俺はここを離れるつもりはない」

「おー、じゃあさっきのまた倒しに来る時は誘うぜ」

「私は、どうしようかしらね。しばらくこの馬鹿に付き合ってるわ。なにか分からないことがあればメッセージ飛ばしてちょうだい」

「ういー、またなー」


フレンドも出来たしホックホクで別れる俺。


最下層へたどり着くと洞窟はそのままあった。

入り角から覗けば宿敵スケルトンがある。

なに、もうお前の動きは覚えた。そして新技信仰魔法剣も覚えた。レベルも上がった!

野郎ぶっ殺してやらぁ!





「勝った。勝ったぞ!」


MP回復薬ドカ飲みしながらエンチャント:ピュリフィケイションを使って倒した。

試してみたが、どうやら普通に使うより三倍くらいのダメージを叩き出すらしい。信仰魔法剣つよい。

いやこれ多分バグだよ。殴る回数がかなり減ったのは凄い嬉しいけど、それでも何回殴ったかな。素殴りで0.5%も減ってないんじゃね?ってくらい硬かった。どんな貧弱攻撃力でも、どんなに防御力があってもダメージが通るなら殺せる!どんなに防御力が貧弱でも避ければ問題なし!

おまけに経験値もドロップアイテムも金を大量に入った。まあ、レベル120相手だしな。


勝ったことに喜んでいたら角からおっ、大将やってる?と一体、二体、三体、次から次へとワラワラ出て通路がみっちり骨で埋まった。

撤退。撤退!タイマンならまだしもあんなに来られたらデスポーンだわ!覚えてろスケルトンズめ、ステ上げて戻ってくるからな!

次回未定


二日か三日に一話投稿続けたいな

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