が産廃
「やっぱ産廃だよ、それ」
俺の相棒はサイトーの一言で産廃認定された。
「なんでや!こんなにカッチョいいんだぞ!」
「いや、信仰500でしょ?三倍で1500?」
「詳しい数値はまた違う。ちょっと計算するから待って」
聖印竜、そしてオズボーンも加えてレベルアップした数値はこちら。
PN:ノーマルハンド
LV:70→76
JOB:聖剣騎士
HP(体力):80→86
MP(魔力):77→82
END(持久):76→81
STR(筋力):81→87
AGI(敏捷):75→81
TEC(技量):81→87
EDU(知識):138→150
FAI(信仰):520→544
LUC(幸運):79→85
Free(自由割り振り):30
で信仰が574。
攻撃力100、ステータスそのままが加えられて674。それに同数値が二つ加わって。
「神聖攻撃力2022だ!もはや産廃とは呼ばせない!」
「いや産廃だよそれ」
なんで!こんなに立派な数値だぞ!初めは両方合わせて100だったんだぞ!物理攻撃力合わせて2122なんだぞ!
「メタルボー、今攻撃力いくつ?」
「あ?今?4500だな」
「拙者の倍!ナンデ!」
「そんだけ苦労してもその程度。おまけに本来の聖剣は、その凡百の聖剣と比べてクソ雑魚。聖剣ってジャンルそのものが産廃だったね」
「そろそろ装備変更するからな!聖印竜でレベル90超えたし!」
「くそう、くそう!聖剣を馬鹿にしやがって!カッコいいんだぞ!強いんだぞ!」
俺の相棒は真っ白な光をその刀身に纏って最高にかっこよくなったんだぞ!スキル使ったら青白くなるんだぞ!
フォーマルハウト以外の凡百の聖剣は[駆け出しの聖剣]ってくっそダサい名前になってるんだぞ!
「ダメージレースならエンチャント?出来る凡百の聖剣の方が強いんだろうけど、最高ダメージは流石にメタルボーの方が強いよ?クリティカル入ったら頭おかしい数字になるから」
「スキルに、と言うか属性攻撃にクリティカル判定が無い!畜生、何でないんだチクショウ!」
俺は泣いた。
「そいや自分、職業スキルはとってへんの?」
「え、何それ初耳なんですけど」
「メタ坊はんは職業スキル含めて4500やろ?」
「せやよ!物理ブーストスキルのおかげだ!」
「それでも普通に武器攻撃力3000台あるから勘違いしないようにね」
「うるせーうるせー早く拙者にその職業スキルとやらを教えるので御座る」
「上から目線やなこの阿呆」
「其奴に相応しい呼び方は一つ。うつけ、だ」
自称ジョブ:侍だから古風な呼び方は良いね。でも結構な罵倒だよねソレ?
「ステータス開いて、ジョブ触るんやで」
「思ったより単純だったわ」
言われた通りに簡単操作をすれば出てくる出てくる。
職業:聖職者みならい(3)1~2
職業:聖職者(39)2~14
職業:伝道師(165)14~69
職業:聖剣騎士(24)69~76
うーん?1レベに付き3ポイント?職業事に分割されてる。ステータスボーナスと同じようなもんか。
神聖攻撃力上昇:
信仰ステータスブースト:
三職全部コレ。なんでポイント分けてるんだ?補正値が違ったりするのかな?
「オヌヌメはどっち?」
「普通やと攻撃力やけど、自分スキル主体やろ?ブーストや」
「職業で分けられてるけどこれなんで?」
「初期ジョブは0.01なんや。そっから0.05、0.1、0.5ってな倍率や」
「倍率頭おかしない?最後2ポイント割り振ったら1パーセントやんけ」
「そういう意味で言えば、極振りはアドバンテージがデカイわこのゲーム」
「極振り推奨のゲームなんて聞いた事無いぞ」
0.03、1.95、16.5、12で30.48パーセント?大体3割増し?ええっと、174?
「ステータスやからね」
「これは、ステータスに加算されたりする?それともスキルのみ反映?」
「そないなこと知らんわ」
これがステータスに反映されたら、凡百の聖剣の総攻撃力は2644になるわけだ。さらにそこから放たれる神聖スキルは三倍の威力になって加算されるから、いや、その前に浄化の神聖攻撃力とステータス補正いくらだよ。
考えても分からない事が分かった。そもそも174があってるかどうかも分からん。
「何はともあれ!拙者の攻撃力が十倍!神聖攻撃力に関しては二十倍になったわけだ!」
「そう考えるとぶっ壊れやな。ま、神聖弱点にはアタシもおるから過剰戦力なんやけど」
「なんでや魔力ブッパ要員連れてきたろ!」
「アイツら、実質一人やないかい」
ぐうの音も出ない正論言うの止めて!
「でもま、聖印竜持ってきたのはよかったで。おかげで偉そうな面してるギルドにドヤれる」
「ストーリークエスト?ワールドクエスト?」
「プレイヤーの中ではワールドで呼ばれとる。そないな事なんで聞くんや」
「いや、なんか言ってくる奴いたら「ワールドクエスト一つもクリアしてない先輩ちーっす!」って言ってやるんだ」
「それ、言うんやったら「自分、極振り互助会の者ですけどー」って伝えとき。「凡百の聖剣の者ですけどー」とも添えてや」
「全力で煽って行く所存」
「ま、好きにしーや。アタシとノマはんは別行動になるやろし」
「神聖纏めても意味ないですしね。明日から最前線に駆り出される訳だ」
「今ナカヤーマンはんとホイール姉さんが最前線ギルドに話付けに言っとるから、明日ログインしはったらすぐにここにきーや」
「明日から地獄のロードワークが始まる」
「ハッハッハ、気張りや若者」
「クソァ!」
「で、自分はその産廃つこう為に信仰に振っとるんやろ?」
「基本ゲームは信仰極振りスタイルですが、なにか?」
「なんかあるん?きっかけとか」
「単純に聖剣ってジャンルがカッコいいからですけど」
「軽いなぁ。でもそんなもんなんかもね」
「なんかあるんです?」
聞いてみれば少し呻き始めた。なに?触れちゃいけないところでした?
「このギルドのメンツなー、自分とは違うんよ」
「え、なんか訳アリで極振りしてるって事ですか?」
なにそれどういうこと?
「アタシはなー」
「待ってそれ俺聞いていいんですか?」
周りを見たらサイトーとメタルボーがナーモンとマコットさんとわいわいパーティーしてる。いいなぁ、俺もジュースとおかし食べながら気楽に過ごしたい。
「で、アタシはなー、親が宗教にドハマりしててん」
「気軽な口調で重めな雰囲気出しながら家庭環境語らないでくださいよ」
「で、親がなしてそんなにハマっとるんか分からなくてな。ゲームだけでも真似てみよ思て」
「そんな事情があったんですね」
「他のメンツ、アタシより重いから気ーつけーや」
「無茶言うわこの人」
世間話のノリで重たい事情ぶちまけられる立場になってくれよ。俺は何もない平凡な人間であってそんな事言われても対処できねぇよ。
「新入り二人は多分自分側や。仲良くしーや」
「いや、言われなくても皆と仲良くしますけど」
「それやったらええわ。ま、アタシはジャブ程度や」
「ジャブが既に顎にクリーンヒットしたんですけど」
「なーに、かえって耐性がつくわ」
「物理攻撃に対する耐性を人類は手に入れられませんって」
「せやな。人は車に轢かれると死ぬ」
あっこれまだ地雷ある奴だ。なんでオンゲーの対人関係でマインスイーパーしなきゃいけなんだよ。
「ほな、今日ももう遅いし寝よか」
「明日から放浪する旅が始まるのか」
「なーにまだこの世界は狭いわ。現実で世界規模で有名な砂漠散歩するより楽や」
「そりゃ、何もかも楽でしょうね。場所も、環境も、人もいますしね」
「他のギルドん連中と一緒に馬鹿やるんも楽しいで」
「そりゃなんとも、楽しそうですね」
げっそりするわ。人間関係一から構築するの苦手なんだよ。まあゲームとギルドが話題のとっかかりになってくれるから気が楽だけど。




