入学
この作品が初投稿になります。中身は自分が高校で周りの人達の行動、言動を観察して思った事を元に書いた実話となっております。
陽キャとは何なのか...
私は高校入学からいつもそう思っている。高校初日、コミュニケーション能力に自信はなかったが周りの席の人に沢山話しかけた。多少は私の事を覚えてくれただろうが周りの対応は冷たい。真顔で「そうですか。」「はい。」味のない球が返ってくる。塩対応である。折角気まずい空気に私からわざわざ私から話しかけて差し上げたのだから、少しぐらいその勇気に報いてくださっても良いではないですか。こちらは出身中学校や所属していた部活動など簡単に話を広げられる話題を振っているが、私の挙動がおかしかったのか。挙動不審と言われることは中学生の頃よりよくあったが変な目で見られるほどではなかったと思う。自分ではそう思う。授業は午前のみで、不貞腐れたような心で家に帰った。
2日、3日も有れば女子にも段々派閥ができてくる。私のクラスでは特に早かったように思える。大体5、6人位の組がキャッキャと騒いでいる。まだ言っていなかったが、私の高校はお手頃な偏差値の進学校という事で中の上程の学力が有れば入学できる。私の家からは徒歩10分もかからず私の中学からも多くの生徒が志望していた。地元占有率30%と言ったところで学年を見渡しても知った顔は多い。やはり初めは誰でも同じ中学の者と群れるものである。2日目からは午後も学校があるため昼休みがある。流石に同じ出身中学の生徒がまとまって食べている中に突っ込むことはできなかった。仕方なく私も同じ中学だった者を探した。前述の通り見知った顔はいくらでもいるので昼食を共にする者を探すのは難しくない。中学では割とうまくやっていたし。なんて思っていたが人と人の間には見えない糸が繋がっているものだ。恋愛についての話ではない。つまり、"友達にも友達がいる"という事だ。糸とは接点、例えば部活動や塾である。私が一緒に弁当を食べようとしていた中学時代の友達はテニス部に入っていた。だが私は違う部活だったので彼のクラスの中での顔しか知らなかった。彼には部活内に私と同程度かそれより上のレベルの友人がいたのだ。これが見えない糸の繋がりである。長い話でになったが自分が言いたいのは友達には友達がいて私の友達と先約があった、という事だ。長い話は嫌いだがこういう喋り方をしてみたい年頃なのである。同じ中学だったのだし2人の中に割り込んでも良かったが、楽しそうに話していたのでやめておいた。という事で私は弁当を食べる人をまた探し、見つけた。同じ部活に所属していた友人で付き合いは古い。三河時代から家康に仕えていた大名が譜代大名ならば彼は私にとっての譜代友達と言ったところだ。彼の趣味はゲーム...だと思う。終始だるそうな男で子供ながらに彼に対して「生きてて楽しい?」と問いかけていたものだ。そんな友人、部活を引退してからは特に話したりしていなかったが相変わらず眠そうな顔をしている。結局彼を起こして弁当を食べクラス内の派閥を決定づける2日目も何事も無く終わった。因みに近所の席では未だに浮いている。