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光のダンジョン  作者: モリー
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プロローグ①


『やあ、初めまして。お嬢さん』


え?誰この人?


『僕は地球とは異なる星の……まあ神様みたいな者だよ』


は?何?もしかしてヤバい系の人?


『戸惑うのも無理はない。突然連れて来られて訳がわからないと思うから、順番に説明するよ』


自称神とかマジでウケるんですけど。てゆーか、なんか話しが勝手に進んでるし。


『僕は異世界でダンジョンというものを作っているんだけど、ダンジョンの主になれる才能のある人材が自分の星の住人だけではまかないきれなくて、他の星の神様達にその才能のある人を融通してもらっているんだ』


もしもーし、私の話し聞こえてますかー?


『もうわかると思うんだけど、君は僕の星にダンジョンマスターになるために地球から派遣……といか譲渡された人間なんだ』


やっべ。話し通じる気がしないわー。


『これから君には新しく作ったダンジョンの主ダンジョンマスターになってもらう訳だけど、やってもらいたいことはダンジョンを育てて君のダンジョンの特産品をダンジョンに訪れる人に分けてあげて欲しいだ。例えば鉱石が取れるダンジョンにするとかモンスターを作って冒険者に狩ってもらって素材を提供するとか、方法は君に任せるよ』


意味わかんなーい。夢なのかな?まあ、いいや。寝よー。


『うーん、なるべく言葉を選んで説明してるつもりなんだけどなあ。ねえ、寝ないで僕の話しを聞いてよ』


あ、意志疎通できるんだ。自分の話ししかしないから聞こえてないのかと思った。無視とか感じ悪いよー?


『無視しているつもりはなかったんだけどなあ。これからの君にとって、とても大事なことだから丁寧に説明しているんだよ?』


ふーん。なんか恩ぎせがましいね。


『……えーと、これは夢じゃないからね。僕、一応神様だからね。……とにかく、君はこれから異世界でダンジョンマスターになるんだよ。わかった?』


あー、わかったわかった。


『本当にわかってるのかな……。じゃあ、ダンジョンマスターの注意事項を言っていくからちゃんと聞いてね』


はーい。


『まず、ダンジョンは冒険者が来てダンジョンから様々なものを持ち帰っていくんだ』


へぇ。つまり不法侵入者の泥棒ね。


『……まあ、そうだね。時にはダンジョンマスターの命も奪っていくからね』


まあ!強盗殺人ね。凶悪犯罪者だわー。


『でもダンジョンマスターを殺そうとする冒険者は極少数なんだ。だってダンジョンマスターを殺したらダンジョンが消えるからね。ダンジョンは資源だから、だいたいが国によって所有されたり保護されるよ。僕の星では、人々はダンジョンの資源によって循環し、発展していってるんだ』


ふーん。じゃあダンジョンマスターって安全なのね。


『一概に安全とは言い切れないかな。ダンジョンは攻略した人間が所有者になれるから、冒険者はみんな一攫千金を夢見てダンジョンに攻めてくるんだよ。ダンジョンマスターはダンジョンのコアが命と連動しているんだけど、そのコアに最初に触れた人間が所有者になるだ。ダンジョンマスターは所有者の命令に逆らえないから、冒険者はダンジョンを攻略して所有者になってダンジョンマスターを自分の都合のいいように使ってお金儲けをするんだ。それにダンジョン攻略者は国に保護されて名誉貴族として手厚く迎えられるから一生安泰ってわけ』


えー、じゃあダンジョン攻略されたら人生終了じゃん。奴隷決定じゃん。


『……そうだね。そんな人生が嫌だから自分のダンジョンコアを破壊して自殺するダンジョンマスターが沢山いるんだ……。僕はただ、ダンジョン攻略者のご褒美のつもりで、ダンジョンマスターのパートナーになれる権利をあげたつもりだったのに、攻略者が国に管理されだしてからおかしくなってしまったんだ……』


じゃあ攻略者が命令できないようにすればいいじゃん。あんた神様なんでしょ?ルール変えればいいじゃん。


『本当はそうしたいんだけど、ダンジョンという仕組み自体がそういう風に決まってるから、ルールを変えることができないんだ。あとはダンジョン自体を廃止するくらいしかないけど、今いるダンジョンマスター達を殺す訳にもいかないし、そもそもダンジョンという資源がなければ、人類は絶滅しちゃうし』


八方塞がりね。私にそんなどうしようもないものになれと言うの?超自分勝手じゃん。


『説明の為に悪いことも伝えたけど、良いことだってあるんだよ。ダンジョンマスターは準神様的な存在で人間より格が上なんだ。コアさえ無事なら老化も寿命もないし、神としての創造する力でダンジョン内のみだけど好きなよう作り変えることができるんだ。創造するには神の力……便宜上ダンジョンポイントとするね。このダンジョンポイントを使って様々なものを生み出せるんだ。君はダンジョンという世界の神様になれるんだよ』


なんか面白そうね。……やっぱ夢だわ。ファンタジーな夢ね。私もう帰るわ。ねぇ神様、早く私を起こしてちょうだい。


『……夢じゃないよ。それに君はもう地球には帰れないよ。だって君は地球の神から僕に譲渡されたから』


えー、そういう設定の夢?てゆーか、夢じゃないとしても、私あんたの星に行くこと了承したことないんだけど。地球の神にもあんたにも。


『神の決定だからね。神につくられた存在である君には決定権はないんだ』


マジで?超横暴じゃん。すでに私、奴隷扱い?てゆーか、物扱い?


『いや、そういうつもりじゃないんだけど。というか、ダンジョンマスターっていわゆる栄転みたいなもので、本来はとても名誉で喜ばしいことなんだよ?』


えー?私の意思無視してる時点で全然喜ばしくないんですけど。


『……それは、ごめんね』


まあ、いいや。夢だろうが現実だろうが、先に進まないと始まらないもんね。ちゃっちゃと始めちゃいましょ。


『……うーん、やっぱり若い女の子って扱いが難しいなあ……』


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