表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
徒然に行く  作者: 臥龍
7/9

07

翌朝。


俺はいつも通り学校へ向かったは良かった。


「西条!貴様ぁ!!」


大体予想はついていた。


美里タンファンクラブの面々が俺が登校するところを待っていたのだ。


親衛隊があればファンクラブもあっても不思議ではない。


「美里様とクルマで隣同士に座って帰りやがってぇ…羨ましいぞ!」


馬鹿げている。


こんなのは無視に限る。


「待て!逃げるつもりかっ!?」


こいつら知らないのか、逃げるのも戦略の一つだと。


変に関わると面倒だ。


その時、ファンクラブのメンバーが校門の方へ戻っていった。


やっと諦めたのか?


俺が振り返るとファンクラブの面々は一人の女子に絡んでいた。


俺と同じ態度で迫っている。


あれは…玲香じゃないか!


俺は急いで引き返した。


「バカか?おまえ等」


玲香の前に立った。


「バカだとぅ?」


ファンクラブの面々は全員俺を睨みつけていた。


「おまえ等は美里の何だ?美里に近づいた奴に脅しをかける集団か?そんなもん、バカ以外の何でもねぇだろ」


「た、大我君…」


「それに工藤はまだこの学校に慣れてないんだ。脅えることだってある。なんで進んで脅えさせようとするんだ」


ファンクラブの面々は黙ってしまった。


「あっ大我くん」


と、美里が現れた。


その瞬間にファンクラブ全員が顔を赤くしてしまった。


「美里か」


「えっと…何?この状況」


俺は要約して美里に状況を説明した。


「…ということだ」


「うわっサイテーだね」


その瞬間、ファンクラブの周りの空気が百倍くらい重くなった。


「それより玲香ちゃん、お姉ちゃんのことをもっと教えて♪」


「い、いいケド」


玲香はチラッとファンクラブの方をみた。


「大丈夫。時間がたてば治る」


少し困惑しているようだが、美里に手を引かれて歩き始めた。


俺はファンクラブの方をチラッと見てから二人の後ろを歩いた。


校舎に入った後も親衛隊が縄を張っていたが、美里が居るので手を出してこなかった。


そして一番恐れていた時間は過ぎた。


だが、それはすでに過去形。


同じくらい恐れなければならない時間が出来たのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ