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鬼の王子の異世界留学物語  作者: 田ノ島夜
反撃準備編
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反撃開始

ファルス先生の話を聞き終わると俺達はしばらく船に揺られながら黙った。

すぐには頭の整理が追いつかない状況だ。

みんなも恐らくそうだ。


やはりその中でも頭脳明晰なピーターが一番早く情報を整理できたらしい。


「悪魔戦争にヴァリス教が絡んでるのだとすれば我々の家族は信用できないのだよ。

ここまで大きい話は国を動かせる権力者が絡んでるに決まっているのだからね。」


「剣の国も悪魔戦争に参加した。

あれだけの死人を出した戦争が影から踊らされていたと言うのか。

許せん。」


みんな暗い顔をしているので俺はあえて前向きに話を進めてみる。


「1人でもヴァリス教のやつが分かればそこから色々と分かるよな。」


ファルスも難しい顔をして考えていた。


「悪魔戦争と終戦後でおかしい動きをしてる奴か。」


正直、考えても分からないだろうと思いながら一度みんなで考えてみる。

だがやはり答えなどすぐには出なかった。


、、、、


「あのさ、ヴァリス教の人はわからないけどヴァリス教が敵って分かってる人は分かるよね。」


シェリルは少し自信なさそうに核心っぽい事を話し出す。

が、全員がすぐには何が言いたいか分からずにいた。

シェリルは続ける。


「ヴァリス教が敵って分かってるのはアルア様と消えた悪魔族だよね?

その人達なら何か知ってるんじゃないの?

それにこの前の鎧の人ってそのどちらかかもしれない、、、よね?」



「やっぱり俺の娘は天才だな。

これからの方針が決まったぞ。」


ファルスは俺達全員に向き直る。


「これからはアルア様、悪魔族、鎧の男を探す。

そしてヴァリス教を炙り出す。

あと個々が強くなる必要があるな。」



それを踏まえて全員で話し合った結果、残りの3年間は学校に通い力を蓄えて、その後は学校ではできなかった修行と反ヴァリス教探しをする事になった。


これからの方針がある程度決まった所で船は初日にキャンプしていた河原に着く。

まだ昼ごろだったので、このまま休まずに学校に帰ることにした。


歩きながらも今後の話を続ける。


「みんな分かってると思うけど、ヴァリス教には実力者が揃っているはずなのだよ。

獣王でも敵わないのだからね。

だから僕たちはあと数年で確実に強くならなくてはならない。」


「一応俺も先生だからな。

強くなるプランなら少しは考えてあるぞ。」


先生は一人一人の方針を考えてくれた。


まずはシェリル。

彼女は短所である機動力を鍛えることとなった。

たとえ一対一でも勝てるようにならなくてはならない。

具体的には剣を使えるように鍛えることとなる。


次にソウ。

ソウは無詠唱風魔法の才能があるにも関わらず、お国柄か剣の強さしか追い求めていない。

風邪魔法を兼ね備えた剣術を身につければ、剣士にも魔導師にも脅威となるはずとの事だ。


シャナもそうだ。

戦士としての強さを追うばかりで魔法は疎かだ。

彼女は詠唱の循環型で器用に魔法を使い分けて欲しいし、ヒーラーとしても成長できる。

それにまだまだ身体能力に関しても力を秘めているという事だ。

アルア様の強さを見る限り、獣族が一番運動能力が高いはずらしい。


シェリル、ソウ、シャナ。

この3人はお互いが教えあえるのでチームを組んで鍛え合う予定だ。


ルルとメレスのパワーアップ方法はピーターが研究してくれる。

ルルの妖精の魔力とメレスの鬼族の魔力は研究されたことがないので、もしかしたら一番伸び代があるかもしれないそうだ。


俺とファルス先生は白色種の魔石を使った鬼化と堕天の訓練をして切り札としての成長を目指す。


ピーターの研究頼みなので彼への負担は大きい。


大丈夫かと心配したら研究資金は腐るほどあると迷宮で手に入れた大量の魔石を見て笑っていた。




前向きにヴァリス教に対抗する作戦を立てている俺たちを見てシェリルが微笑みながら言った。


「きっと私たちはこの為に集められたんだね。」



必ず強くなる。

世界を救う為の険しい道のりが始まった。

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