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鬼の王子の異世界留学物語  作者: 田ノ島夜
第4章 リックス 大森林探検編
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答えの半分

なんとか勝ったものの俺たちは力を出し尽くした。


99階に主と言えるモンスターがいたのだから100階にモンスターはいないはずだし、ピーターも生物はいないと言っているのだからきっと大丈夫だが、念の為メレスとファルスが起きるのを待った。


「それにしてもファルス先生って鬼化みたいなのしたよな?」


レヴェンの魔石をじっくり眺めているピーターに聞いてみた。


「確かに似てるけど、リックス君と先生は少し違ったのだよ。

鬼化は魔力をものすごい勢いで循環させてパワーアップさせるけど、先生のは一気に魔力を放出させて能力を高めていたのだよ。

先生の方がパワーアップするけど、長時間もたないということなのだよ。」


「たしかに目で追うことも出来なかったからな。

魔力全部使って数秒最強になる技か。

リスク高いな。」


「多分仲間がいるからできる技なのだよ。

よっぽどリックス君を信頼してるのだよファルス先生は。」


そう言われると少し恥ずかしかった。


それから1時間くらい休むとファルス先生とメレスが起きた。

ファルス先生は魔石を使って魔力を回復すると絶好調ではなさそうだが1人で立ち上がった。

まぁ、鬼化より長時間体を酷使してない分、ダメージは低いのかもしれない。


メレスは起きたが動けなさそうなので俺が肩を貸す。

本当に彼女がいなければ勝てなかったので褒めちぎったら、顔を真っ赤にして喜んでいた。


最後の階段を登り100階にたどり着く。


そこは中央に小さい塔と同じエレベーター装置が置いてあるだけのただの丸い部屋だった。


見渡しても何もないので、とりあえず装置に近づいていくと、突然シェリルが大声を出した。


「上!上見てみんな!」


その声に導かれて上を見た。


そこには丸い天井の半分に絵が描いてあった。


その3時の場所に目を移すと俺たちは絶句した。


そこには骸骨と霊族と人間の軍隊を取り囲む、

人間、鬼、飛行船、犬、侍、エルフが描かれていた。


「、、、これはカイルを救援に行ったときのやつだよな。」


「この天井の塗装の腐りかたからすると最近描かれたものではないのだよ。」


「あぁ、確かにこの間と同じ場所に剣の国の侍が描かれてる。

他の絵は見ても何か分からないが、これはカイルを助けに行った時で間違えないな。」


ファルスは珍しく元気のない様子で語り出す。


「俺は一番上の絵も分かる。

羽が生えてる人を殺してるあの絵は悪魔戦争だ。

そしてその隣の赤子達は約束の子供達だな。」


ファルスの言う通り12時の場所には羽の生えた人間が殺されて山のように積まれている絵。

その横に6個ある図形のような物から線が伸びていてその先にそれぞれ赤ちゃんが描かれている。



俺はその絵をもう一度よく見てゾッとした。

1人の赤ちゃんが頭にツノが生えている人間に抱き抱えられていた。

そしてその赤ちゃんも体から線が伸びている。

その線は他の赤ちゃん達と同じように、形それぞれの図形から出ていた。

俺はあの図形の形をよく知っている。あの独特な下に向かい左にカーブをしていくあの形。


あれは日本の地図だ。


そして横を見るとピーター、シェリル、ルルも俺と同様に驚いた顔をしていた。


確かに赤子を抱えている他の3人は魔人とエルフと人間の騎士であった。

その先に描かれていた図形は見たことなかったが、やはり地図のようにも見えた。


「みんな転生体なのだね、、、」


ピーターの話した事にソウとシャナは首を傾げたが、俺とシェリル、ルルは首を縦に振った。


これを見るともう2人赤ちゃんがいるが、天井が腐り落ちてしまって受け取っている種族は分からなかった。

それは意図的に誰かが削ったようにも見えた。


ファルスがまた説明をする。


「あとこの円の真ん中に描かれている奴も分かる。

神話に出てくる神のヴァリスだ。

これは世界的に禁止されている宗教のヴァリス教の絵だな。」



「僕も予想だけど分かった事があるのだよ。

この絵は恐らくカレンダーなのだよ。

そう考えると悪魔戦争からカイルの戦争が13年。

そして一番下の絵まではあと13年なのだよ。」



6時の場所にはヴァリスが手を広げている下で全部の種族が殺し合いをしていて多くの人が死んでいる絵が描かれていた。


そしてその先には何も描かれていなかった。

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