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鬼の王子の異世界留学物語  作者: 田ノ島夜
第4章 リックス 大森林探検編
37/91

修学旅行はライオンの提供でお送りします

突然の転校生に突然の休校。

そして突然の課外授業の発表が告げられた。


俺は正直、海の方がいいのになぁと思っていたが、意外にも大森林探索にみんなは少しテンションが上がっている。


「大森林は少し興味あるのだよ。

迷宮の外にいる魔物も素材としてはいいのが揃ってるのだよ。」


「強い魔物がいるはずだ。

剣の修行になりそうだな。」


「ウチの家の近くか。

大森林の迷宮は危険で獣族は誰も近づかないが、確かにこのメンバーならバランスがいいから可能かもしれないな。」


シャナの発言に先生は機嫌をよくする。


「だろ?シャナには鼻で敵を警戒して貰って、ピーターには魔眼で罠の警戒。

ルルは状況に応じて支援。

ソウとメレスで前衛を固めて、俺とリックスが中衛で全体を守る。

シェリルが後衛で魔法の援護。

間違えない。我々は迷宮に潜る為に集められたようなメンバーだ。

君たちの勉強にもなる。」


彼は得意げに話していたが、愛娘が水を差す。


「パパは最近、お小遣い減らされたからお金必要だもんね。迷宮はお宝目的でしょ。」


「お前らが食べ過ぎだからだ。

食べた分をしっかり稼いでもらうぞ!!

よしっ!そうと決まれば出発だ。

準備をして30分後にここに集合だ。」


食べた分はファルス先生の嘘のせいだが、この論争は飽きたのでみんなスルーした。

そして一度それぞれの部屋に戻り準備をする事となった。

野営道具などは学校の物を先生が用意するので、着替えと最低限必要なものをリュックに小さくまとめた。


教室に戻るとメレスが一番乗りしていたので久しぶりに話した。


「メレス用意早かったね。」


「リックス様。

私はさっき学校に着いたのでまだ荷ほどきを終わらせては無かったのですよ。」


「そっか。着いてすぐじゃあ大変だな、、、」


その後も色々な話をした。


バルガンの息子のサキュガルは学校に通いながら城で見習いとして働いているらしい。

最初は留学希望だったが、城での仕事にやりがいを見出して今はそれに集中しているのだそうだ。

『リックスが帰ってきた時に安心できるように立派な男になって待っていると伝えてくれ。』とのことだ。


メレスのイジメを一番先に止めようとしたマルトルも稽古を受けているうちにバルガンの強さに憧れて弟子入りをしたらしい。

最後にはメレスと同じくらい強くなっていたというので驚きだ。

『もっと強くなってリックスの兄貴のピンチを救えるようになりますって伝えといて』と伝言を託したとのことだ。



その後も他のメンバーが揃うまでメレスと地元トークで盛り上がった。


メレスの留学が決まってからやたらと魔王から「リックスにもっと手紙を書くように言ってくれ。」と言われたらしい。

もう少し頻度を増やして書いてあげるか。


バルガンはメレスの才能に惚れていたようで、「また愛弟子をタイガルドにとられてしまった。」と悲しんでいたようだが、実はマルトルの急成長ぶりも喜んでいて、かなり指導に熱が入っているようだ。



あれ?考えてみたらメレスとも普通に話せるな。

女の子の免疫よ、おかえり。


そんな話をしているとあっという間に時間が経ち、全員が揃ったので出発をすることになった。

野営道具など共用の荷物をそれぞれに割り当てるとファルス先生が出発を宣言する。


「今日の予定はタイガルド平原を抜けてトレクト川のほとりでキャンプを張る。気合い入れて行くぞー!」



やる気ないわけではないが、

なんとなく誰も『おー!』とは言わなかった。

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