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鬼の王子の異世界留学物語  作者: 田ノ島夜
第3章 カイル 13歳の戦争編
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我が母校

あれから1週間が経過してその間僕は戦後処理に追われていた。


主犯のゾイルは自軍の兵士達に突き出され、僕の目の前に連れてこられた。

支離滅裂な言い訳を繰り返していたが、ユーラルに一発殴られて奥に連れていかれた。

彼の処遇が少し気になり連れていかれた方向を見ていたら、ファルス先生に『これは大人の仕事だ。気にすることない。』と言われた。


ゾイル軍の兵士たちは一兵卒からやり直すことを条件に命は助けた。

見せしめに何人か処刑する話が出たが僕がやめさせた。

これからタイガルドは平和の道を歩む。

その第一歩にしたかったからである。


霊族の男は現在幽閉されており、霊族との交渉に使われる予定である。

今回の補償は莫大な金額になる予定で霊国は当分戦争などする体力がなくなるだろう。


補償金は霊族の男が襲撃してきた街の立て直しと同盟国の御礼に使われる予定である。

あの一騎討ちの後、テントに戻ってきたバルガンは膝をつき倒れこみながら『年寄りは無理するもんじゃありませんね』と言って笑っていた。

鬼族への御礼は多くすることを提言している。




ある程度の処理が終わったので久しぶりの学校へ行くことにした。

王に即位したのでもう学校は通えない。

今日は荷物の整理だ。


今思うと仕方なしに入学して不安だらけだったにもかかわらず、辞める時にこんなにも悲しくなるとは思いもしなかった。

急だから何人集まるか分からないが、最後だし時間のある人がいたら食事に誘おう。

そんな事を思いながら最後となる教室の扉をくぐった。



「「「カイル、卒業おめでとう!!」」」


驚いて声のする方を見ると薔薇組のみんなとファルス先生、校長先生が立っていた。

壁には卒業式と書いてある。


「驚かしてすみません。

実はファルス先生が校長の私の許可なしに卒業資格をあげると言ってしまいましたからね、嘘つきの学校にならないためにも中心人物の一人くらいなら卒業資格をあげようと思いまして。」


「まあ、校長には怒られたけど、最終的には俺のファインプレーって訳だ。」


先生が少し校長の顔色を伺いながらおどけてみせる。


「しかし、、、宜しいのですか?こんな特別措置。」


「文句言う奴がいたらファルス先生に勝ってみろって事なのだよ。」


ピーターが腕を組んで自信満々に答える。


「正直、あの決戦で命の危機に晒されたのは俺だけど、カイルになら譲るよ。」


リックスは少し目が潤んでいるように感じた。



そして僕の卒業式は執り行われて、護衛で外で待たせていたユーラルも出席した。

ユーラルは終始大量の涙を流していた。


卒業式が終わるとシェリルが勢いよく立ち上がり、みんなに向かって話し出した。


「これからカイル君の誕生日と、王位継承と、卒業の祝いをしに外に食べに行こう!

私の頼れるパパが奢ってくれます!」


「おっ!おい!今やカイルが一番金持ちだろ?」


「いやいや。結果卒業できたけど、本来カイルにはあと37回ご馳走する予定だったのだよ。

そう考えると安いもんなのだよ。」


「、、、校長とユーラルさんも行きましょう!少し助けてください!」



そうしてみんなで学校の門限ギリギリまで遊んだ。

僕にとって生涯忘れない最高の夜だった。

ありがとうございました。カイル編終了です。


まだまだ続きますので、これからも宜しくお願いします。

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