GO、ROCK、死地
「ごっ、ごめん。どういうこと?」
シェリルが理解してないのは自分だけかと心配しながらみんなを覗き込んだ。
「みんな、巻き込んですまない。
国王の死で次期国王争いが始まったのだ。
そして恐らく兄か他の権力者に先手を打たれた。。。すまん。」
カイルは悔しそうに、そして申し訳なさそうに頭を下げた。
いつも俺たちを助けてくれるカイルのそんな姿を見て、今回は自分が助けなければならないと思い、自然と口が動いていた。
「頭なんか下げるなよ。
兄弟のような存在と言ったのはカイルじゃないか。
またファルス先生の決闘の時みたいにみんなで力合わせて切り抜けよう。」
「ウチもカイルの為に戦うよ。
だけど自慢の獣族の鼻も焼肉屋じゃあ効かないね。」
「僕の魔眼は銃撃型の攻撃範囲内を俯瞰で見る事ができるのだよ。」
そう言ってピーターはゴーグルを取って下を向き、少し黙った後で状況を説明する。
「すでに結構な数に囲まれてるのだよ。
しかもこれは全部、召喚魔獣。んー騎士系なのだよ。
この数と質はかなり前から準備してたみたいなのだよ。」
「騎士系と言うとクイーン種もいる可能性があるな」
ユーラルは何かを憎むような顔でピーターの話を聞いている。
「そこまでは分からないのだよ。」
「みんな、クイーン種に出会ったらすぐに逃げるんだ。
あの個体の強さは異常だ。
とにかく硬くて魔法も効かない。
ファルス殿や鬼の上級戦士並の攻撃力がない限り勝つことはできない。」
「、、、ユーラル。鬼の上級戦士で勝てるなら大丈夫だ。」
カイルがそう言うとみんな俺の顔を見ていた。
、、、また俺は死地に送られそうです。




