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鬼の王子の異世界留学物語  作者: 田ノ島夜
第2章 リックス 学園生活編
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決戦

ついに決戦の時がやってきた。


カイルが先生を闘技場に呼び出し連れて来た。

先生はどんな方法を使ってもいいと言っていたのでまずは不意打ちをする。


「炎よ!穿て!!」


カイルが全力で離脱したところにシェリルの殺人魔法を浴びせる。


鋭く踏み込み攻撃を避けながらファルスは分析をしている。


「シェリルの魔法か。しかしこれは陽動、、、だっ!」


魔法が着弾した煙に紛れて、禍々しい鎧を纏った俺が全力の拳を出しながらファルスにぶつける。


ファルスは一瞬受け止めようとしたが冷静な判断で横に回転して回避する。

腰の剣を鞘から抜き、冷や汗を拭いながら言った。


「おいおい。やりすぎでしょ。」


そう言いながらも獅子は獲物との戦いを楽しんでいる目をしている。


鎧を見て降参してくれれば良かったが、やはりそうはいかないようだ。

ここは鎧の硬度を信用して一発貰ってカウンターを入れよう。


と、思っているとファルスは一瞬全身の力を抜き、倒れこむのかと思うくらい脱力した瞬間、一気に踏み込み鎧を切りつける。


カウンターを合わせようとしたが、あまりのスピードに全くカウンターなど合わせられなかった。

ファルスの攻撃は脇腹にヒット。

しかし全くダメージは無かった。


ファルスが一旦距離を取ったのでなんとなく脇腹を触ってみると、ヒビが入っていた。

やっぱこの先生化け物だ、、、


「はぁ!くそ!ヒビ入れたのはいいがこれじゃあ剣がもたねぇな。」


そう言うとファルスは右手をかざした。

「焼け死ね。」


そんな教師とは思えない暴言を吐くと、彼から無数の炎が飛び出し、俺を鞭のように攻撃する。

その攻撃は異常に早く、彼の攻撃範囲内にあるものを全て焼き尽くす。


しかし俺は知っている。この鎧は炎の電車に轢かれても傷一付かないのだ。


このチャンスを逃さず、全力でファルス目掛けてタックルをした。

こういう視界が悪い時は攻撃範囲の広いタックルに限る。


「嘘だろ?ぐはっ!」


ファルスは鎧に轢かれて回転しながら吹き飛ぶ。


「いまだ!!」


俺は合図の言葉と同時に背中に魔力を込めると、鎧が開いて脱出。

全力でファルスから離れる。


それと同時にルルの隠蔽魔法で隠れていたカイル、ピーター、シェリルが出現。

その横には万が一隠蔽がバレた時の護衛でソウ、シャナ、ルルがそれぞれ立っている。


三角を描くように立っていた彼らが床に手を当てるとファルスを取り囲むように結界が出現した。


「痛てててて。

くそっ!閉じ込められたな。

みんな良くやったぞ。

しかしこの型の結界は魔法に強いが斬撃に弱いから俺が全力で切れば、、、」


「先生。剣がもたないのだよ。」


「あぁ、さっき鎧を切りつけた時か、、、

しかし君たちの魔力が尽きるまで待てばこの結界は消えて、、、」


「リックス君が結界の中に残したその鎧には僕が入試試験の時に編み出した村一つ破壊する爆破の術式が刻まれているのだよ。」


「、、、降参だ。俺をバラバラにしないでくれ。」





「よっっっ!しゃぁー!!!!」


いつも冷静なカイルが両手の拳を空に突き上げて雄叫びを上げると、みんな思い思いに今出したい声を叫んだ。


こうして俺たちは入学1ヶ月にして卒業の資格を手に入れたのである。




「えっ?わしはそんな事認めんよ。」


校長のこの一言により、本当に鎧を爆破しようかと会議になったが、全員に毎月ご馳走する事でなんとか示談となった。

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