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鬼の王子の異世界留学物語  作者: 田ノ島夜
第2章 リックス 学園生活編
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試験と事件

最終兵器ができるまでの間、俺たちは放課後に特訓をすることにした。


あれからみんなで話し合って薔薇組全員で今回の作戦に挑むことにしたのだ。


俺は普通の鎧に闇魔法を通してコーティングしソウとシャナの攻撃を避けたり受けたりというトレーニングをしている。


闇魔法のコーティングはなかなか繊細な作業だが、完全にコーティングすれば鎧の重みを感じなかった。


ピーター曰く「闇魔法は無形の魔法。自身を強化したり守ったりするのに闇魔法より強いものはないのだよ。

しかし闇魔法は消費魔力の多さと操作の難しさが弱点だが、君は循環型で魔力操作が非常に上手い。」

だ、そうだ。


他のみんなもそれぞれ当日に備えた練習をしている。


「それにしてもリックス君は本当に魔力操作が上手いのだよ。

僕の見立てではここまで来るのに数ヶ月はかかると思っていたが、まだ2週間だ。

やはり異常なのだよ。」


魔眼を使って魔力の流れを見てコーチをしているピーターが少し呆れたような顔で言った。


「あぁ、実は鬼族には一つだけ必殺技みたいな物があって、なんとか習得したいんだけど、俺では魔力が暴走しちゃうんだ。

今でもなんとか自分のものにしたくて、暇があれば魔力トレーニングをしているんだけど、それがかなり役だったね。」


俺たちの話に爽やか聞き耳王子が割り込んできた。


「必殺技って鬼化の事だね。

確かに鬼族は鬼化ができて一人前と言われているからね。

ただ、人間が鬼化を真似た実験の話はあまりいい結果は聞かないよ。」


「あぁ、俺も一度試したら意識を失って気が付いたら家の広場が半壊してたんだ。

その時はバルガンっていう教育係が怪我しながらも止めてくれたんだけどね。」


その話を聞いたピーターはゴーグルを取って俺を少し眺めながら言った。


「実に面白い話なのだよ。

この作戦が終わったら君の鬼化の研究でもするのだよ。

もちろん暴走なんてして欲しくないが、最悪の場合の君を止める役は今回負けを見るファルス先生にでもさせればいいのだよ。」


「その時は僕も是非混ぜてくれよ。

人脈作りも大事だが、それ以上に話題もたくさん持ってないといけないからね。」


カイルはそう言って黄土色の髪を揺らしながら笑った。





それからまた一週間経ち特訓を重ねているうちに最終兵器は出来上がった。


その鎧は銀色だが淡い緑色の光を帯びている。

近くで見るといくつもの複雑に入り組んだ紋様が施されているのが分かる。


胴体部分は何層も重ねてできているので装着をしてみるととても重く、普通には使える代物ではなかった。

しかし闇魔法を通してみると紋様が徐々に黒に染まっていき動かせるようになる。

しかしそれでもまだ重いのは想定済みで、ルルの支援魔法でまた軽くすると、まるで鎧など着ていないかのようだった。

そしてソウとシャナに攻撃をされても傷一つ付かないのだ。




そのあと、魔力耐性を試すことになり事件は起きる。


「シェリルは魔法得意だったよね?リックスに撃って試して見てよ。」


なんの気無しにシャナがシェリルに提案したのだ。


「いいよー!炎よ、穿て!!」


「まっ!待つのだよ!!」


ピーターの静止を聞かずシェリルの魔法は発動し、俺に襲いかかる。

その魔法は火力が凄まじく、前世に電車という乗り物があった事を、そして轢かれたら死ぬ事を思い出した。

その圧倒的魔法に一気に全身を飲み込まれた。


「君たちはシェリルの異常さを知らないのかね!

彼女は放出型なのに滅多に魔力が底を尽きず、しかもめちゃくちゃ短く詠唱省略できる化け物なのだよ!」



ピーターの叫びが虚しく響いた。


そして煙が晴れていった。



みんな俺の焼死体があると思い、半目を瞑るようにして見ていたが、


そこからは傷一つ付いていない最終兵器が姿を現した。


「予想以上なのだよ、、、」



その後、シェリルが何度も謝ってきたし俺も責めなかったが、彼女が魔法を使う時には避難しようと心に決めていた。


そして恐怖を乗り越えたからか、これ以降は緊張せずに彼女と話せるようになった。

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