グッバイパパ
入学式が終わるとそのまま新入生は学校に残り親は帰るので、しばしのお別れを惜しむ時間が設けられている。
俺は父親に別れを告げるべく駆け寄ると、絶望的な戦闘力のメンバーが偉そうに座っているのが横目で見えたが、なんとかスルーして父の元へ辿り着き、歩きながら話始めた。
「リックス。一般の生徒として学ばせたいが、やはりお前は特殊な立場だ。
常に用心を心掛けなさい。
そして何かあったときはファルス=ザルバーグ先生を頼りなさい。彼は役に立つ。
あと、歯をよく磨きなさい、、、」
父はだんだんと寂しさを滲ませてきたが、人前なので泣きはしなかった。
「まぁ、あれだ。学校を楽しみなさい。」
「はい。父様。ありがとうございます。
しばらくの別れてすが、連休になったら顔を出すようにしますね!」
それを聞いて父はやはり泣いた。
そしてお別れの瞬間の父は少し下を向きながら、たまにこちらを振り向いて、馬車に乗り込み寂しそうに去っていった。
それを見送る俺の肩に金色の甲冑をまとった手が置かれた。
「リックス君。あの鬼の王に本当に愛されるんだな。鬼族は寿命が長いだろ。
それ故に人間である息子の生きている時間は短いと分かっているのさ。
それでも外の世界に送り出したんだ。
マダラフ様は立派な親だよ。」
「そうですね。自慢の父親です。」
ファルス先生の言葉を聞いて俺も少し泣いた。
第1章見て頂きまして、本当にありがとうございます。
次章から盛り上がる展開が増えていく予定です。
不定期更新していきます。今後ともよろしくお願いします。




