3.対グマイ星戦争(1)
俺は、売買星へと到着した。そこでなぜか幼馴染の風間楓と出会う。
「な、何であんたがここにいるのよ!」
「そ、それはこっちの台詞だよ」
「し、しおん様、この方と知り合いなのですか?」
「しおん様とか呼ばれてんの?うけるー」
「そ、それは仕方ないだろっ」
「あのー、どういうかんけーですか?」
「ああ。この人は俺の幼馴染の楓だ。」
「幼馴染がいたのですか?」
「まあな」
「で、お前はここでなにしてんの?」
「え?それは、まあ、うんちょっと私の星が…破綻しちゃて」
「破綻!?何で?」
「うーん、借金が酷くて星民が反乱を起こして…」
「反乱するのか…って俺んとこの星民は穏和だからそんなんしないよ」
「苦しい時はしますよー」
「するの?」
「前星王はそれで退位しました」
「前星王なんていたの?」
「はい。あの方は凄かったですねー」
「どんな事したん?」
「しおん星の地下を掘りまくって資源を枯渇させ、道路を叩き割って練り歩く通称『叩き祭り』の開催に尽力し、しまいには自ら星の属領を広げるため、旅に出ましたが酸星と言う星に降り立った瞬間に溶けて亡くなりました」
「「………」」
いや、アホやろ。酸星ってもうあれやん。酸性でしょ。名前で気付けよ!!
「そういえば、何でここに楓様はいらっしゃるかでしたね」
「そうね。事の始まりは私が城を建てた時の事だったんだけど…3日前から私はInfinity Star Worldに居るんだけど、その時に自分な城があってはしゃいじゃって内装に拘ってどんどん物を買ってたらとんでもないくらいの借金抱えちゃって…それで破綻して星民が反乱。強制退位させられたんだけど、この売買星に流れ着いたの。でも、ここで現実の調味料とかを作ったら馬鹿みたいに売れて、あっという間に億万長者。それで、当時一番大きい会社だったバイバイ社を買い取って風間って名前に変えたところであんたがきたのよ」
「成る程。現実の調味料か…って他のプレイヤーはいないのか?」
「いたらこんなに私の調味料が売れる訳無いと思うけど。てか、ここ3日他のプレイヤーとの交流してないんだよね」
「俺もメニュー欄が消えてから大してプレイヤー見てないんだよねぇ」
「え?メニュー欄が消えた…………?」
「え?無くなってないの?」
「…………………あれ?無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無い無いいいいいぃぃぃぃぃぃ!メニュー欄が無いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
「そんな慌てること?」
「慌てるわよっ!私達ここに閉じ込められたのよっ!!」
「あーそうなん……………だぁぁぁぁ!!そうだ!出れないんだぁぁぁ!」
「今更気づいたのね。全く…」
「楓だってさっき気付いたんじゃないか!」
「あのぉ」
「「?」」
「私達、何の事かさっぱり……」
「「……」」
俺達は、執事とその付き物に俺達の事を話した。
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「なるほど。そんな事が…」
「そういえば、執事さんって名前は?」
「はっ!申し遅れました。私しおん星の執事兼軍師のサーレンと申します」
「私はーサミット城の家事業担当兼見回りのフィフと言いまーす」
ああ、セバスチャンとかじゃないのか。と、俺がちょっとガッカリしていると…
トゥルルルルル
携帯の着信音が鳴る。ってサーレンさんかーい。しかも、スマホだし。
「え?はい。はい。はい。何ですって!?」
「どうしたの?」
「えーっと、宣戦布告していた軍の艦隊がもうすぐ到着しそうだと…」
「ええぇぇ!何光年が離れているからって言ってたじゃん!」
「えー、予定より少しですね、着いてしまったんですね。これが。」
「これが。じゃないわっ!すぐ戻らんと!」
「しおん!これ使いなさい」
そう言って楓は切符のような物を手渡す。
「これは、行き先を言うとそこへ連れてってくれるタクシー見たいなもんよ」
「どうやって使うの?」
「破ればいいのよ」
「こう?」
ビリッ
俺はその紙を破る。そうすると、一瞬にしてタクシーのような宇宙船が現れる。
「しおん星までっ!」
「あいよ」
「ほれ、着いたで」
「?あっ!もう?」
「じゃあな」
速い。1秒たってないんじゃないかな?それはそれでいいけど、これに慣れちゃうと行きのあのゆっくりさが耐えられなくなりそうだ。
それはともかく。
「おい!敵が来るんだろっ!ど、ど、ど、どうすんだ!」
「大丈夫でございます。軍がきっと対処してくれます」
そう言うと、軍がきて俺の前に並ぶ。大体500人か、そのくらい。
「これが全てです。」
「え?」
ちょっと俺の耳が悪いのかもしれない。もう一回聞いてみよう。
「他の軍はどこだい?」
「これが全てです」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」
「我らしおん星軍、この星を絶対に守り抜いてみせます!!!」
「あ、ああ。そうだな」
ま、まあ、敵もこのくらいかもしれないし、別にしおん星だけが軍少ない訳じゃないよね。うん。
「敵が来たぞぉぉ!」
軍の中の誰かが言う。と、相手の軍が見えてきた。
…
……
………
…………
……………
それは、宇宙艦隊と呼ぶにふさわしい全長10kmはゆうに超す巨大戦艦だった。