2.売買星
GWはもう後半。いつだって休みは流星の如し。
さぁて、俺はしおん星の王となっているが、これからどうしよう。
「なぁ、どうすれば良いんだ?俺は」
俺を連れて来た男(執事っぽい)に聞く。
「やはり売買星に行くのが上策でしょう」
売買星?なんだそれ?アップデートで他の星に行けるようになったのか?
「どうやって行くんだ?」
「もちろんロケットで」
「…ロケット!?」
「あれ、知らないのですか?この宇宙ではロケットはごくごく普通の移動手段ですよ?」
そうなのか…俺の知らない間にこんなアップデートがあったのか。
「じゃあ、ロケット用意してー」
「「!?」」
ん、なんか俺変な事言っただろうか!?
「ロケットは高価なので…」
………また金の問題かっ!!もー何をしようにも金金金金金…。
「もういいっ!作るわっ!」
「それは危険では………」
「金がねぇんだ。仕方ない!」
「いや、危険では…」
「金がなぁぁぁい」
「………はい」
ちょっと俺は怒っていた。だって金が無いのは俺のせいの部分も有る。しかし、それを返済しようと思っていないんだもの。俺のせいかもしれないが…
「じゃあ、作るよ」
「はい………」
2人も俺の剣幕に押されたようだ。何も言ってこない。
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作った。本で見た通りに作ったが多分こんなんだろう。尖った先端に寸胴の胴体、そしてロケットの噴射口。
「驚きました、こんな事を星王は出来るのですか………」
「その星王ってのはやめてよ。ちょと落ち着かない」
「それでは何と呼べば…」
「しおんでいいよ」
「それでは、しおん様。売買星へ行きましょう!」
「ああ」
俺は、そういうと執事さんはマッチを持って…点火した。マッチで飛ぶロケット…シュールやな。
「行きますよ!……3」
「星王さまー本当にこのロケット大丈夫なんでしょうね……2」
「俺を信じろぉぉぉぉぉ!!………1」
「「「ゴー!!」」」
合図と共に打ち上がる。耳をつんざくような音が耳に響く。
グオオオオオ
振動が腹に響く。
「飛んだ…」「飛びました…」「飛んだな…」
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着いた。てか、近ぇ。空に見えた星が売買星だったなんて…てっきり月だと思っていた。
ロケットは無事パラシュートで着地し(物理法則どうなってんねん)、空中分解も空中爆発も起きなかった。良かったー。
それにしても、着いた途端にラッシャイラッシャイ聞こえる。まるで宇宙の大阪ってとこか。
「それにしても、素晴らしいくらいの活気ですね」
「しおん星もこのくらいの商店街を作りたいですねー」
「売る商品が無いと思うけどな」
「「……」」
「そういえば、しおん星は特産物とかあんの?」
「そうですねー今は時給自足の星民が多く、あまり特産物と呼ばれる物は特に…」
「一番作られている作物は米ですよ」
「そーなんだ。いいねぇ。という事は和食?」
「いや、米を炊くのではなく米粉パンが主食です」
「……」
俺達はそんな会話をしながら商店街を抜けていった。すると、一際大きな店が奥の方でどっしり構えているのが見えた。
「あれがこの星の王城と呼ばれるカザマ商店の支店ですよ」
「支店に行くのか?星王の俺が」
「売買星と我らしおん星では格が違いますよ」
…さらっと自虐している執事さん。
「それにしても売買星には星王は居ないのか?」
「売買星は特殊な星で、この星の産業の99.9%は商業です。他の星からの輸入や輸出もほぼ売買星を介して行われます。ですから、この星で最も大きな規模を持っている会社が事実上の星王なのです」
なるほど。つまり卸問屋の役割も持っているのか。それに売買星の会社と契約しないと自星の商品も満足に売れないということか。
「という事は、その星に近いしおん星って結構いいんじゃね!?」
「そうなりますね」
「え?戦争とかなっちゃう?」
「もー宣戦布告状来てるよー」
「おおおおい!!!」
「大丈夫なのか!?執事さん!?」
「まぁ宣戦布告状が来ても直ぐに攻めては来ませんよ。なんせ何光年離れていることか…」
「きゆーだよ」
「………そう、か?」
「ほら、着きましたよ」
「そうだな」
俺は商店に入る。
コンコンコン
「入って良いですか?しおん星の使いです」
「ええ」
高い声が響く。あれ?この声…
カチャ
ドアが開き、部屋に踏み入れると…
「「あーーーー!!」」
そこには、女幼馴染の風間楓がいた。
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