第三話 恐怖! 鬼頭ビグザム
サブタイトルには割と意味がないことが多いのでご注意ください。
玄関の自動ドアが閉まり、チャールズの背中が見えなくなった。
「チャールズ! ダメだ!」
なぜ走っているのか自分でもわからなかったが、強い衝動が、俺を突き動かしていた。
俺はずっと孤独なぼっちだった。しかし、ひょっとするとこの感情が『友情』というものなのだろうか。
自動ドアが開く時間も惜しかった俺はそのままドアを蹴り破って玄関へ突入した。
これだけの大病院だというのにホールは静けさに包まれている。
受付も無人。無数に並ぶ待合イスも無人。
そういえば何かで読んだな。
重病の人は異世界に行くケースが多いらしい。こっちには存在しない有効な治療法を求めていくのか、最後の好奇心が働くのかは俺にはわからない。
だが、医療機関の需要がこの数年で激減したというのは社会問題にもなっていた。
病院内が静かなのも今では不自然ではないのかもしれない。
それよりチャールズはどこに……いた!
チャールズが奥の廊下を曲がる姿が見えた。そして、その両脇を屈強な男たちに抱えられていたことも。
クソッ。何なんだ、あいつら。
チャールズは政府直属のエージェント――それを狙っているということは海外の工作員?
短絡すぎるか?
わからないことが多すぎるが、現時点での敵であると考えて間違いないだろう。
この病院はヤツらの魔手に落ちたと考えたほうが良さそうだ。
ここからは慎重にいかなくては……。
正面から挑んでチャールズを人質にとられたらおしまいだ。
銃を構え、死角をつくらないよう注意しながら進む。
奥から足音が聞こえる。
――誰だ?
ロッカーの影に潜んでいると、薄暗い廊下からナースが歩いて来るのが見えた。
これだ!
こいつを人質にとってチャールズの場所まで案内させよう。
あと五秒くらいでロッカーの前を通るはず。
落ち着け――これは犯罪じゃない。友情のため、正義のためなんだ。たぶん。
カツ、カツ、カツ……。
あと三歩。二、一、今だっ!
「動くな」
「ひっ!?」
俺は背後からナースを押さえつけた。息を吸おうとしたのがわかったので左腕で口をふさいだ。
大声を出そうとしたって無駄だぜ。
「声を出すな」
そして右腕の銃を彼女のわき腹に押し付ける。
「落ち着け、抵抗しなければ何もしない。俺の質問に答えろ。YESならうなずけ。NOなら首を振れ」
コクコク、とうなずくナース。
「よし、いい子だ。ここだと誰かが来るかもしれん。人目につかないところに移動するぞ。いいな?」
コク。
「俺は病院のことを知らん。人がいなくてゆっくり話せる部屋はどこにある。右か?」
ぶんぶんと首を振るナース。
「じゃあ、こっちだな?」
コクコク。
ナースの案内で『婦長室』と書かれたドアの前にたどり着いた。
「この中か?」
コクコク。
「よし、ドアを開けろ。おまえに教えてもらいたいことがある」
コクコク。
ドアを開けた瞬間、ナースが俺の腕から飛び出した。
――しまった、油断した!
ナースは窓際へ走っていく。
「ビグザム婦長、助けてください! 不審者です!」
ナースは窓際の席へ駆け込むとしゃがんで身を隠した。
そして、席に座る大きな影がゆっくりと立ち上がった。
「……な!?」
あまりの大きさに、それが人間であることが一瞬わからなかった。
畳を横にしたかと思うくらい巨大な上半身。
それと対照的に二次元JKのように細い脚。アンバランスでキモい。
婦長という響きからは想像もできないほど恐ろしい姿をしたそれは、ボキボキと腕を鳴らしながら近づいてくる。
ヘビに睨まれたカエルとはこのようなことを言うのだと思い知った。
逃げようにも膝から下がガクガクと震えて動かない。
呼吸が乱れ、とめどなく涙があふれてくる。
のどがカラカラで水分を欲しているのに、一方で下半身からは貴重な水分を垂れ流しそうなこの恐怖。
「なあに、その鉄砲であたしを撃とうっての?」
婦長は薄笑いをうかべつつ、一歩一歩確実に近づいてきた。
「うわあああああああああ!!」
俺はトリガーを引き、一心不乱に銃を乱射した。
トパパパパパパパ。
一秒間に何発も発射される弾丸。
信じがたいことに、婦長が顔の前で手をひらひらさせるだけで弾丸は床に落ちていく。
バカな……銃弾を、屁の臭いを振り払うように落とすなんて。
「うああああああああ!」
わけもわからず弾幕を張るが、まるで効果がない。
「……イケナイ子」
とうとう婦長が目の前までやってきた。
「ぎゃああああああああああ」
下半身の栓が解き放たれた。熱い液体が一張羅のスーツを伝い落ちて、床に水溜りを広げていく。腰が抜けた俺はべちゃっとそこに崩れ落ちた。
鋼鉄の筋肉に包まれた腕が目前まで伸びた。
もうダメだ。チャールズ、ごめん!!!
体を丸め目とギュッと閉じ、死を決意した――。
「大丈夫?」
頭にぽんと置かれる手。その体温はぬくもりのようだった。
……え?
恐る恐るまぶたを開き、涙でゆがんだ視界で見上げると、そこには婦長の笑顔があった。
「混乱しちゃったのね? もう大丈夫よ」
天井の電灯で逆光にはなっているが、彼女が笑顔であるのは間違いないだろう。
「ほら、立ちなさい。そんなオモチャ捨てて」
婦長は俺の右手から銃をつまみとると、近くのテーブルに置いた。
「いくらオモチャと言っても人に向けちゃダメよ。目に入ったら危ないからね」
……何を言ってるんだ?
いかん、こんなヤツの言葉に耳を傾けちゃ……!
視線をそらすと、床に散らばるBB弾が目に入った。
あれ、BB弾がどうして……?
俺が撃った弾? これが?
俺は婦長を見上げた。
彫りが深い顔立ちをしている。国籍はわからないが、ビグザムと呼ばれていたから外国人なんだろう。
婦長は俺に手を差し伸べた。
天使のような笑顔だった。デザインは魔物だけど。
俺は、彼女に手を預けた。
彼女は俺を立たせると、窓際に向かって声をかける。
「葉月ちゃん、彼は大丈夫よ。正気になったみたい」
テーブルの影からひょこっと顔を出したナースは、俺と目が合うと再び隠れてしまった。
「大丈夫だってば。こっちにいらっしゃい、葉月ちゃん」
「……はい、婦長」
渋々と姿を現したのは、とんでもない美少女だった。
綺麗な金髪をツインテールに結っていて、ぱっちりした二重の瞳は長いまつ毛で彩られている。
キュッとしまったウエストからはすらっとした脚が伸びていた。胸が下敷きみたいにペタンコなのは気になるとはいえ、こんなに可愛い子だったのか。全然気づかなかった。
年齢は俺の一、二個下くらいか? この年齢・容姿なら高校生でもおかしくないと思うが……。
つーか病院で金髪ツインテールってどうなんだ?
ちくしょー、こんなに可愛いと気づいていれば銃を突きつけた時にもう少し色々なことができたのに!
もったいねー!
後悔しても後の祭り。俺は彼女を脅してしまったのだ。
でも、仕方なかったんだ。チャールズを救うためには……はっ!?
「ちゃ、チャールズは!?」
「え?」
「あのっ、チャールズはどこですか?」
俺は婦長さんにすがりついた。
彼女は敵ではないと本能でわかったからだ。
「チャールズって?」
「命の危機なんです! チャールズがやられたらこの国を救えないんです!」
婦長さんを揺さぶる。
「ちょっと、落ち着いて。何を言ってるかわからないわ」
落ち着けるわけがない。
「チャールズを助けてください! お願いします!」
「落ち着いて、落ち着いてゆっくり話して」
婦長は軽々と片手で俺を持ち上げ、ソファに座らせた。応接用だろうか、すわり心地が良い。
「もう大丈夫よ、落ち着いて最初から話してもらえる? それと葉月ちゃん、申し訳ないんだけど床の掃除をお願いしてもいいかしら?」
「ええーーっ! イヤですよ! こいつお漏らししたんですよ!?」
「そこを何とかお願い」
「……わかりました。雑巾とってきます」
ナースは嫌そうな顔で部屋を出て行った。
俺だって嫌だっつーの! ああ、恥ずかしい。
掃除も終わった頃、婦長にもらったスポーツドリンクを飲みようやく俺は気持ちが落ち着いてきた。
この頃には完全に彼女たちのことを信頼しきっていた。
だから俺は今までのことを正直にしゃべった。
「……というわけなんです。だから、チャールズが心配で……」
俺は膝の上で拳を握った。
チャールズを止められなかった自分が歯がゆかった。
「なるほどねえ。でもね、うちの病院はそんな危ない組織じゃないのよ?」
婦長は俺を諭すように言う。
疑ってはいないけど、彼女はこの病院の暗部を知らないんだ。そうに違いない。俺はチャールズが連れて行かれるのを見たんだ。
「信じられません」
と言うと、婦長とナースは困ったように顔を見合わせる。
二人に責任はないけれど、これだけは譲れない。
その時、ナースがはっと閃いたように言った。
「ひょっとして、チャールズって山田さんのこと?」
光明が差す、とはこのようなことを言うのだろう。
「そう、そうです! チャールズ山田です! ご存知でしたか?」
「葉月ちゃん、知ってたの?」
「思い出したんです。G病棟の山田さんが印刷機で作った名刺をくれて……ほら」
ナースが財布から取り出したのは、紛れもなくチャールズの名刺だった。
「なるほどね……G病棟の患者なのね……」とつぶやく婦長。
「この名刺の人です! あの、チャールズはどこにいるんですか!? 無事なんですか?」
俺はナースの肩をゆすった。
「触らないでよ!」
頬に一撃をくらって俺はソファまで吹っ飛んだ。
なかなかいい平手打ちですな。
「すみません……でもチャールズのことが知りたくて……」
俺がそう言うと、二人はばつが悪そうに顔を見合わせた。
ナースは俺と目があうと視線をサッと逸らした。
婦長は下を向いて数秒黙り込むと、笑顔を作って語り始めた。
「あのね、鈴木くん。チャールズは無事よ。でもね、G病棟で必死に自分と戦ってるの。いつか良くなったらまた君のところへ遊びに来てくれるわ」
良く……なったら?
「チャールズは病気なんですか?」
「いいえ、病気じゃないわ。でもちょっと疲れちゃっただけなの。心が風邪をひいたというか……」
「心が?」
「心もね、時々お休みしたくなることがあるのよ。チャールズはお休みの時期なのよ。わかる?」
お休みって言われても、抽象的でよくわからん……。
「たまたま病院を抜け出してお散歩している時に君に出会った。それだけよ」
「……はあ。あの、どうすればいいんですか? チャールズに言われた通り、俺は世界を救わないと」
さっきしてくれたのと同じように、婦長は暖かい手のひらを俺の頭に乗せて言った。
「大丈夫よ、気にしなくてもいいの。どうしても気になるなら、あなたもこの病院で面倒みてあげるけど?」
「そ、それは困ります。世界を救わなくちゃいけないし、入院費もないし」
「そうでしょ? じゃあ、帰りなさい。あ、オモチャは持ち帰る?」
オモチャ……。
「いいです」
「今日のことは忘れて、明日からも大学がんばってね」
「……はあ」
「じゃあ、葉月ちゃん、玄関まで送ってあげて」
「なんで私がこんなヤツを!?」
「お願い! 職業体験の評価オマケしてあげるから」
「……わかりました。約束ですよ」
「お世話になりました」
俺は婦長に頭を下げ、ナースと廊下を歩く。
一度人質にしようとしちゃったし、お漏らしの掃除までさせてしまった。
怒ってるのか、無言が気まずい。
「あの……」
声をかけても返事はない。
「あの」
「何よっ!?」
怒鳴り口調で振り返るナース。
やっぱりまだ怒ってるのだろうか。
「チャールズと会ったら、よろしく伝えてください」
「……ふん」
態度悪っ!
こいつ何なんだ? 職業体験ってことは、やっぱり本職ナースじゃなくてJKだろ?
年下のくせに生意気だ。
ちょっと可愛いからって図に乗りやがって。
だから嫌いなんだよ、こういうリア充くせーヤツ。
例の異世界騒動以降、若い子はほとんどいなくなっちまったけど、こいつこんな性格だから友達もいなくて呪文を教えてもらえなかったんだろうな。
ざまあみろ。
玄関ホールに到着した。
俺が割ったガラス部分が立ち入り禁止になっている。
なんだか申し訳ないことした気になる。
「それじゃ、ここまででいいですよ。さいなら」
俺は不快な気持ちを悟られないように表情を作りながら言った。
「……」
ナースはふくれっ面をしている。
すげーな、初対面の人間にここまで攻撃的な表情を作れるなんて。
コミュ障の俺がどうしてこんな気を遣わなくちゃならんのだ。くそっ。
「さらば――ぐえッ!」
玄関から出て段差を下ろうとした瞬間、後ろからぐいと首根っこを引っ張られた。
勢いで背中から地面に倒れこむ。
「イテテテ……」
背中を強打したけれど、後頭部は打たなくてよかった……つーか、重い。
あと、なんだこの柔らかいのは。
「っっっっきゃああああああああ!」
黄色い悲鳴が下のほうから聞こえた。
その時になってようやく自分の状況がわかった。
仰向けに倒れた体の上に、ナースがうつ伏せに倒れ込んでいたのだ。
脚のほうから声が聞こえるということは、彼女の顔はあっちか。
……とすると、目の前の柔らかいのは太ももか!
なんて大ラッキー!
せっかくなので起き上がろうともがく太ももにスリスリしてみた。
「きゃーっ!?」
うへへへ、やわこいのう。
俺を引っ張るからこうなるのだ。
次はスカートの中を観察させていただこうか。
「ぎゃふっ」
鼻面に、膝蹴りをくらった。
じんじんと響く痛み――そして目前に広がる空。
「変態っ!」
「あー、クラクラする……」
顔をおさえつつ上半身を起こすと、ナースは腕組みしながら俺をにらみつけている。
本当に態度悪いなこいつ。
「ちょっと、あんた、鼻血まで出して! ほんとやらしいわね!」
鼻を触るとべったりと血がついていた。
やらしいっていうかお前が蹴ったからだけどな。
でも、このバカとはもう関わりたくない。
チャールズの件もヨタ話か幻覚だったみたいだし、とにかく疲れた。
あの喫茶店にも二度と行けないしな。
あー、異世界行きてえ。
もういやだ、こんな人生。
ペチャクチャとうるせーナースを無視して俺は通りに出ようとした。
「待ちなさい!」と、再び襟首を掴まれる。
「危ねーからやめろ! 何なんだよおまえ!」
さすがに頭きたので彼女の手を払いのける。
怒鳴ろうと振り返った時、目に映ったのは意外な光景だった。
彼女の目は潤んでいた。
えっ? ど、どうして!?
太もも触ったから?
わかった! お漏らしを掃除させたのがトラウマになったってこと? 違う?
視線があう。
彼女の瞳にみるみる大粒の涙があふれだし、ゆっくりと零れ落ちた。
「な、なんだよ。そんなに掃除が嫌だったのか? 悪かった。お詫びに今度おまえがお漏らししたら掃除してやるから」
パーーーーーーーン!
平手打ちの乾いた音が、発砲音のようにビルの谷間に響き渡った。
いい感じに鼻血が増量してきた。出血多量で死ぬかもしれん。
「本当に私のことを覚えてないのね!? ばかっ」
……は?
覚えて?
何の話だ?
「やっぱり覚えてないんだ!」
再び俺をひっぱたこうとする彼女の手首をつかみ、怒鳴った。
「バカヤロー! キノコが生えそうなくれーの陰キャラの俺にJKの知り合いがいるわけねーだろーが! キノコ出すぞコラァー!!」
もう頭にきた。
出してやろうじゃねえかよ!
なあに、G病棟とやらに入院しちまえば、責任能力なしで無罪放免よ。ククク……。
わいがこの国のG級モンスターだと思い知らせてやる!
俺はズボンのファスナーに手をかけた。
「私だよ? 覚えない? りんかだよ?」
ファスナーを下ろす指を止める。
りんか? 何か聞いたことあるような、ないような……?
「思い出してよ。小さい頃、隣に住んでた、葉月凛夏だよ」
彼女は声を震わせ、制服の袖で涙をぬぐった。
「りんか……リンカ? あっ!!!?」
――思い出した。
子供の頃、隣に住んでいた年下の女の子。
はづき、りんか。
そうだ、彼女のあだ名は……。
「リンポコ!? リンポコか、おまえ!」
「思い出してくれたの!?」
ナースは、いや、凛夏は初めて笑顔を見せた。
「久しぶりだなー、リンポコ! 五年ぶりくれーか?」
「……十一年と四ヶ月ぶり。てか、その呼び方やめてくんない?」
ころっと表情を変え、眉間にしわを寄せる姿も懐かしい。
凛夏の祖父さんにロケット花火でカンチョーかますと決まってあんな顔して怒ってたっけ。癖になった祖父さんが自分でロケットカンチョーするようになったせいで俺は母ちゃんに叱られまくって凛夏の家族と会わせてもらえなくなったんだよな。
本当に懐かしい。
「リンポ……いや、凛夏。元気だったのか? 黙って引越しちまうから心配してたんだぜ」
「ふん。嘘ばっかり」
「マジだっつーの。祖父さんの件だって悪かったと思ってるんだぜ? っていうかそれよりさあ……」
俺は凛夏を見つめた。
あいつ、こんな美少女だったっけ? もっと地味なツラしてたと思うんだが。
それにしても胸だけは十一年経っても変わらねーんだなあ……。
「な、何よ。じろじろ見て」
顔を赤らめてやがる。ヘンなヤツだな、裸を見られたわけでもねーのに恥ずかしいのか?
「いやね、おまえさ……整形した?」
パァーーーーン!
いま、鼻血が、弧を描くのが、見えた……。
「ぐふっ」
俺は倒れた。
「してねーよ! あんた何なの!? 昔から無神経だとは思ったけど、最悪!」
「いや、すまんすまん。あんまり昔と印象が違うんでな……」
「あんたのほうが違えよ! そんなに頭おかしかったっけ?」
「元からこんなですが」
「……あっそ」
それだけ言うと、凛夏はぷいと顔を背けた。
しかしまあ、今日は色々なことがあるなあ。
ヘンなおっさんに騙され、ビグザムにやられそうになり、幼馴染と再会し……。
そんなことを考えていたら、突然凛夏が悲鳴をあげた。
「どうした?」
「あ、あそこ……」
凛夏は駐車場へ続く道を指差していた。
「あーん? あっちに何があるって?」
「し、しし、死体が……」
「見間違えだべ。俺には何にも見えねーぞ」
「も、もっと右よ。あ、あっち……看板の、下」
看板の下ぁ? ――げっ!!
凛夏が指した先。
そこには、黒い物体が横たわり、鮮血が広がっていた。
今回はヒロインぽいのが登場しました。
あとビグザムも出ました。
新キャラ増えていますが、まだまだ続きます。