両刃伐採斧獲得
いきなり右手に現れた『斧』。
柄部分は約40センチはあるだろうか。柄の先には刃渡り15センチ程の両刃式になっている。所謂伐採斧と呼ばれる種類の物だろう。
流石に片手で持つような代物ではなく、更に急な出現だった為体のバランスがずれたのだろうと当たりを付ける。
などと考えることで少々落ち着きを取り戻す。
不思議現象も二回目ということもあり、ナイフの時よりは早く呆けから抜け出した。
斧を見た感じ、特に異常は感じない。いや、ここに有ること事態異常なのだが思考から除外する。
次にもうひとつの不思議現象であった、ナイフを確認する。先程地面に叩き付けた所を確認してみる。
「……え」
ない。
ナイフがない。
ナイフが消えた。これは斧と無関係な筈がないだろう。
とりあえず、ナイフを出してみる。
「ナイフよ、出ろ!」
……出てこない。
「果物ナイフよ、出ろ!」
……出てこない。
あまりにも変わりがなく、誰かに見られていないで良かったと心の底から思う。
見られていたら恐らくは、恥ずかしくて立ち直れない……。
今だけでは、無人島であることを願っていた。
仕方ない、今度は斧で試そうとしよう。
「斧よ、消えろ!」
やはり、消えた。
これも先程のナイフと同じような物であると確信した。
「あっ!」
ここで一つ思いつく。
消えてる状態ならば、ナイフも斧も同じ状態だろう。
この状態ならナイフも出せるのでは……。
結果として言えば正解であった。
消えている状態ならば、どちらでも出せると云う事が判明した。
おまけに一つ、先程の再現も出来たのである。
ナイフが出ている時に、「斧に変われ」と言えば斧に。
また、その逆もしかりだ。
ナイフと斧以外を出すことは、可能なのかとも思い、試しに「日本刀よ、出よ!」と叫ぶも何も出ず。ただ俺の羞恥心だけを高めるだけの結果となった。
まぁ、結果として伐採斧が手に入ったし先にバナナの木を倒してしまうか。
先程の1/5まで削った木に、両手で構えた斧を叩き付ける。
果物ナイフ何かと比べるのもバカらしい位、サクサク進む。
初めての伐採だが、「我ながら斧使いが完璧ではないか!」などと、自画自賛しながら進めるとあっという間に切り株が一つ出来上がった。




