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第一話 始まりの律動
夏が近い真昼、南中だね、河原でからから回るカラス避けのプラスチックを見ながらベトナムのたばこをふかしていた。
貰い物は何でも美味しいはずだがこのニコチンやらタールやらは非常に不味い。煙が体内に染み込んだ瞬間、細胞は害虫、急なバルサンで組織をずたずたに引き裂かれるような苦痛。バカげてる。バカだよこの国。
ぴーーっぴーーっぴっぴっぴっ。
ホイッスルが律動的なメロディ、夏を加速させるような具合なので俺はグアバと身を起こしその発生源へ向かった。
打ち捨てられていた黄桃のカンカンと割り箸で自作した原始のパーカッションを持って。