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桐生  作者: 深月桂
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8.矢崎慎太

自分が待ち合わせ場所に着いたとき、既に紫苑と御琴が着いていた。

「おはよう」

「おはよう」

すぐに陸が到着した。

「早いね、3人は」

「ああ、怖いから一緒に着てもらったの」

「うん」

「そう……」

「迎えにきてくれてありがとう」

「うん、気にするな」


次に到着したのは佳魅と悠子。

「おはよう」

「おはよう」

「おはようございます……」

「よっ」

あとは重要な慎太が来れば全員集合することになる。悲しいことだ。

「慎太遅いね」

「ああ、もう10時だね」

「家畜の世話がまだ終わってないんじゃないか?」

「そうかも」

「もうすぐ来るでしょ」

「そうだね」


10分が経った。

「遅いね」

「時間には一応真面目だったのにな」

「ま、気長に待とうよ」

「そういえば、ルルの死因は何だったんだろうな」

御琴が言った。

「考えるとさ、発情期って春に来るものだろう。今は夏だぜ」

「そういえばそうだね」

紫苑が答えた。

「先生は何も言ってないし……」

「ていうか、先生達はそれどころじゃないよね」

「確かに」

「あんまりこういうこと言いたくないけどさ、誰が宗を殺したんだろうね」

陸が重い台詞を口にした。

「そんな、犯人探しは止めようよ。私たちの中に犯人がいるなんて思えないよ!もちろん先生の中にも!」

紫苑がもっともな台詞を言った。だけど、あれはどう見たって他殺だ。

「それは皆わかっているよ、大丈夫」

御琴が言った。

「なら、いいけど……」

紫苑が泣きそうな顔でつぶやいた。


「本当に遅いね」

なんだかんだで、自分達は1時間待っていた。

「家に行ってみる?」

陸が提案した。

「え、押しかけて大丈夫かな」

「どうせ行くことになってるんだ。大丈夫でしょ」

「そう、遅刻したほうも悪いんだし」

「私場所わかるよ」

悠子が言った。

「お、じゃあ道案内任せるわ」

「うん、任せて」


10分くらい歩いたころだろうか。家が見えてきた。

「ここだよ」

札には矢崎慎太と書かれていた。

「中学の頃、宗はよく訪れていたみたい。一緒に家に入っていくのを見たことがあるの」

「へえ、そうだったんだ」

「宗が獣医を目指したがった理由はここにあるのかもしれないね」

悠子がチャイムを押した。

「はーい」

「同級生の者です」

「はいはい、ちょっと待ってね。今開けるから」

すぐに慎太のお母さんが門を開けに来た。

「今回は皆大変ね」

「おばさんこそ」

「でも、一番大変なのは宗君の家だからね」

「確かにそうですね」

一番近くの小屋を指差し、「そこの中に居るはずだから」といって、家の中に戻っていった。

「ありがとうございます」

自分達は、礼をいって小屋へ向かった。


豚の小屋だった。

「慎太ー?いるかー?」

「遅いから来ちゃったぞー」

中からは豚の鳴き声しかしない。

「入るか」

御琴が言った。

「そうだね」


「宗ー?」

奥へと向かう。

一本道なんだけど、途中からいろんな道具がちらかってた。

「ちゃんとしまえよって感じだね」

「まったく」

なんて笑った。


そんな余裕も束の間。

一番奥の部屋がおかしかった。

明らかに。真っ赤だった。

子豚4匹と大人の豚3匹が死んでいた。血を流して。

仕切りの外まで血は流れていた。

「え、っちょ……」

その中に人が倒れていた。豚の血なのか、その人本人の血なのか判らないくらい、あたりはぐちゃぐちゃだった。

作業着を着た人をよく見ると、それは慎太のようだった。

「どうしたんだよ、これ……」

宗と同じように指が何本か散らばり、髪の毛が切られていたり、今度は眼球が落ちていた。

周りの豚も目をつぶされていたり、執拗に切りつけられていたりしていた。

「い、嫌ああああああああっ!!」

紫苑が悲鳴を上げた。

「り、陸……紫苑を頼む。俺、慎太の母さん呼んでくる」

「わ、わかった」

御琴が小屋を飛び出した。


どうなっているんだよ、次から次へと……

簡単に命が奪われていくなんて……

小説を書くのは楽しいですね。ついつい止まらなくなってしまって……。友達との約束に遅刻してしまいました。ごめんなさい。ではまた次にお会いしましょう。

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