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桐生  作者: 深月桂
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4.通常回その2

午前中、歴史の時間。テーマは戦争だった。

罪のない人々の命、生活を無感情に奪っていく争い。

戦争……人類が犯してきた殺人の歴史。

有名なところでは、戦国時代、幕末、世界大戦だろうか。

テレビ、アニメ、映画、小説等さまざまなメディアで描かれる美化された表現では伝わらないであろう、生々しい出来事。

自分達が生きているこの時代、生活があるために、多くの犠牲が支払われているのだ。

過去がなければ、自分たちは存在しない。

クラスの皆はどれほど理解しているのだろう。

自分たちがどれだけ恵まれているのか。

教科書の数字を、軽視するなよ。


そんなことを考えたりしながらふと宗を見ると、彼はノートの端になにか書いていた。

真面目な彼が落書きとはめずらしい。覗いてみる。

絵ではない、文章か……?

長くはない。誰かの名言だろうか。

「自然でない行いは、自然でない混乱を生む。病気になった心は、聞こえぬ枕に秘密を打ちあける。

……なんの言葉だろう。宗は悩みでも持っているのだろうか。

普段そう病んでるようには見えないけれど。

ま、そういうことは仲のよい慎太に任せるのがいいだろう。


そして放課後実習。ルルの調子は相変わらず。

ごはんを残し、水もあまり飲まない。

「昨日考えたんだけど、ルルは今発情期なのかな?」

「いや、まだ子犬のうちに入るでしょ。そんな歳とってないでしょ。早くない?」

「だよな、陸……今ルルは1歳にもなってない」

「でも、一回目の発情期がそろそろくるはずなんだよ」

「そうするとどうなるの?」

「食欲落ちるし、元気も多少落ちると思う」

「そっか、じゃ、問題ないね」

「一応先生には報告しておいた」

「そうか、ありがとう」

ルルはまだ子犬。まだちょこちょこ遊びまわって蝶なんか追っかけまわしてたりなんかする。

ホントにかわいい。

紫苑と御琴が犬と戯れている。動物好きめ、なんて思ったが微笑ましい光景として見ていた。

陸がそんな自分達を遠くから見ていた。

「陸、どうした?」

慎太に声をかけられ、作業に戻った。


「宗!」

突然悲鳴に似た大声が響いた。

宗のほうを見てみると機嫌が悪くなった馬に蹴られそうになっていた。

その横で慎太は宗に手を伸ばしている。

間に合うか……。それを見ている誰もがそう思っているだろう。

馬の蹴りは意外と強く、運が悪ければ骨折もする。

ズサッという音がした。皆が駆け寄る。

「大丈夫……?」

「う、うん」

「よかった」

皆がほっとつぶやいた。

「し、宗、あり……がとう……」

「うん、怪我しなくてよかった」

御琴と佳魅が手を差し伸べる。

「早くえさあげてそっとしておこう」

「そうするよ。みんな、心配かけたね」

「うん」

慎太は運動神経がいい。

それにしてもよかった。誰も怪我しなくて。

文章がきたないですが、読んで頂いてとてもうれしく思います。まだまだ始めのほうです。ゆっくり進めていきたいと思うので、これからもよろしくお願いします。

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