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桐生  作者: 深月桂
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7.届いた思い

僕達がまだ小学生の時。

宗は動物好きに目覚めた。

原因は他でもない、僕だ。


学校帰り。

「ただいま!」

「お邪魔します!」

「おかえりなさい」

宗はよく僕の家に寄り道してた。

「スイカ、冷えてるから切ってあげるね」

「やった!」

「ありがとう」

「そういえばね、もうすぐ豚に子供ができるの」

「そうなんだ!楽しみ!また見せてね」

「うん、いいよ!」

「ひよこは?まだいる?」

「いるよ!食べ終わったらみに行こうか!」


鳥の小屋にはヒヨコが三匹いた。

一匹掴んで宗に渡す。

「かわいい……」

「すぐにああなっちゃうのに?」

餌をつつく親鳥を指差して言った。

「大きくなってもかわいい」

「ふーん」


こんなふうに宗はよく僕の家に遊びに来て動物と触れ合っていた。

「僕は大きくなったら動物のお医者さんになりたい」

何も知らない少年が将来の夢をそう語った。

「いいんじゃない、宗にきっとむいてるよ」

「うん!」


それから6年が経った。

もう子供じゃない。

彼はもう理解しているだろう。自分が本来どうしなければいけないのか。

それでも彼は獣医を選んだ。

だから僕は、彼は最後まで頑張ってくれると思っていた。


……大人は汚い。

そう思ってもおかしくは無いだろう?

どうして僕達はこんな目にあわなくちゃいけないんだ。

たった一人の為に、なんでここまで傷つかなければならないのか、なんで考え込まなければならないのか、心配しなきゃいけないのか。

……こんな思いをしなくてはいけないのか。

ここまで協力してやったのに、なんで諦めたんだよ。


僕は何を恨めばいいんだ。

日に日に弱っていく彼を見ながら、僕は励ますことしかできなかった。僕は彼の為になにもできなかったというのか。

ただただ、そばにいることしかできなかった。

なにもできなかった。

彼の日記を書いたところで彼は救われず、読んだところで、僕は救われなかった。

桐生番外編は本編のネタバレを含みます。本編を見てから読むことをおすすめします。最近小説を書いていなかったので、縁の登場人物を忘れてしまうなんてことに気づいて焦っているのです。忙しいけどがんばって更新しようと思います。それでは。

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