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桐生  作者: 深月桂
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4.君への思い

私には唯一無二の友達と言える人がいない。

かといって友達が少ない訳じゃない。女子にも男子にも友達は多く、何か友人同士でもめたこともない。

浅く広い付き合いが多かった。相談に乗ることはあっても、乗ってもらうことはない。

「高校ね……」

「悠子はどうするの?」

「動物が好きだから、そっちに行こうかな」

「高校から専門か……大変そうだけど悠子ならできるよ、頑張って」

「うん、ありがとう。君は?」

「普通高校だよ」

「そうなんだ」

「あれ、悠子悩んでるの?珍しいね」

「そんなことないよ。だよね、悠子が悩むわけないよね」

私は悩んではいけないのか。

「そういえば悠子、この学校まで来るのすごい時間かかるじゃん、専門高校たしか近くにあったよね、あそこのこと?」

「そうそう」

「そっか、悠子動物いっぱい飼ってるしいいかもね」

「うん」


私は動物が好きでここに来た。

「悠子、一緒に帰ろう?」

紫苑が話しかけてきた。

「うん」


「そっか、動物好きなんだ」

「そうそう」

「今度悠子の家行っていいかな、ペットいっぱいいるんでしょ」

「いいよ」

「でもさ、家畜とペットの違いってあるじゃん」

「違い?」

「ほら、ペットって愛でるものでしょ、でも家畜は私たちが利用する為に飼っているものじゃん」

その真意は後で体験し、納得するものだったが最初は心が苦しかった。

新しい命の誕生などを目撃するとまた新たな喜びを感じる。

とても楽しい。


紫苑は思ったことをはっきり言う。中学の時まではいなかったタイプの子だった。

でも、中学の時感じた友人との距離がなくてよいことだと感じた。


「蔵入さん、都会ってどんな感じなの?」

田舎生まれ田舎育ちの私は都会がどれほどのものなのか気になった。

「モノがあふれてる。建物が立ち並んでいて、人がたくさんいる」

「へー」

「カップルが多かったり」

「カップルねー。憧れるな」

「好きな人、いるの?」

「え?いない。うん、いないいない」

「そう、頑張ってね」

陸は見透かしたようなことを言った。

私は嘘が苦手だ。表に出してるつもりは無いのに、出てしまう。


翌日、帰り道。紫苑と一緒だった。

「ね、私に相談したいこととかない?」

「え……」

「いや、いらない心配かもしれないけど……その、陸から聞いてさ。手伝って欲しいことあたら何でも言ってね!じゃあ!」

陸……紫苑に話したのか……。あぁ…恥ずかしい。

その日チャットルーム。佳魅から個別チャットがきた。

「明日放課後、教室で待ってる」

「わかった」

意識するとまともにメッセージも読めない。


翌日学校にて。

「佳魅からなんか連絡きた?」

「来た……」

「聞いていい?」

「放課後、教室で待ってるって」

「が、頑張ってね」

「う、うん」


放課後、私は教室で待っていた。

「ごめん、待ったかな」

佳魅が入ってきた。

「待ってないよ」

顔が上がらない。

「あの……」

「紫苑から聞いたんだけど、実は俺も」

俺も?

「好きなんだよ」

「わ、私も……」

「一緒に帰ろう?」

「うん」


彼は優しかった。

毎日待ち合わせして学校へ行き、一緒に帰った。

クラスメイトも適度に応援してくれた。


帰って紫苑に個別チャットを送った。

「紫苑のおかげだよ、ありがとう」

「うん、よかったよかった。私までなんか緊張しちゃったし。あ、お礼なら陸にも言うんだよ?あの子が私に教えてくれたんだから」

陸にもチャットでお礼を言った。

「よかったね」

そっけない返事だったけどいつもめんどくさそうにしてる割にはいろんなことに目を向けてるし、優しいんだなと思った。


高校二年春。始業式前。佳魅と桜を見に来た。

風に吹かれて散っていく花びらがとても綺麗だ。

佳魅が私の髪に触る。桜の花びらを一枚、手に持っていた。

微笑む佳魅。

「綺麗だね」

「うん」

お久しぶりです。テストが近づいてくる今日この頃、私はいつもパソコンに向かって遊んでます。はい、危ないです。中間で稼いでおかねば!桐生番外編4はほのぼのとした話になっていると思います。そして、本編のネタバレを含んでいるので本編から読んだほうがいいと思います。それではまた。

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