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桐生  作者: 深月桂
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2.叶わぬ思い

自分は窓から外を眺めるのが好きだ。

何気に小学校の時からの習慣である。

自分は小学校の頃いじめを受けた。

原因はたぶん自分の言動だった。


ある日、学校が飼っていたうさぎが死んだ。老衰だった。みんな悲しんだ。

でも自分は悲しいとか、寂しいとか感じなかった。なんで悲しいのか分からなかった。

「なんで悲しくないの?」

「お前、命の大切さとか分からないんだろ」

「は?ホントは悲しいんじゃないの?」

悲しまなくてはいけないのか。

その時から僕は考え続けた。命ってなんなの?小さいながらも本を読んだり、必死に考えた。

上履きがなくなっても、かみそりが机に貼り付けてあっても、体操着に落書きされても。

虫の死骸を机に山盛りにされても。

自分は一人、窓から外を眺めながら考えていた。

中学校になてから嫌がらせは減った。

そして中学に入ってすぐ、猫が車に引かれた瞬間を見て、世界の残酷さに気づいた。

それでも酪農科に入ったのは、命とかに触れてみたかったから。

自分が3年間考えてきた問題を、こんな思いをして考えてきた問題を簡単に切り捨てたくなかった。

結論を出したかった。世界に絶望したくなかった。

だから人間関係も当たらず、障らず、適度な距離をとっていた。

中学はそうして過ぎ、高校に入った。


相変わらず世界は残酷で、とてつもなく理不尽であるけど裏切られたことは一度もなかった。

それが救いであった。

でも、今考えると。

裏切られたくないが為にクラスメイトと距離をとり、それと引き換えに得た救いだ。

その結果に何の意味も無かった。

だからもう少し……生きていたかった。

皆とならもう少し近づけた気がする。

愛想の無い御琴とも。

爽やか系の佳魅とも。

学級委員長気質の慎太とも。

いろいろ悩んでいたのだろう宗とも。

なんだかんだでいいやつだった紫苑とも。

みんなの天使だった悠子とも。

未だ謎の陸とも。


それが自分の未練だ。

番外編その2です。ネタバレの可能性があるので本編を読んでから読むことをオススメします。よろしくおねがいいします。それではまたお会いしましょう。

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