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桐生  作者: 深月桂
15/25

15.自分

自分は怖くなって後ずさりをした。

後ろに段差があるのに気づかないで……。

血と段差に足を滑らせ、後ろに倒れた。

つかまるものは何も無かった。自分は後頭部を打ちつけ、そのまま階段の一番したまで滑り落ちた。

走馬灯。自分が見た景色は入学式の日。


クラスで自己紹介をした。緊張しながらも高校三年間にむけてと、これから供に生活していく仲間への言葉。

「……よろしくおねがいします」

普通に、簡素に済ませた御琴。

「よろしく」

明るく親しみやすい印象を与えた悠子。

「よろしくです」

緊張気味に感じられたが明るく挨拶を終えた紫苑。

このときから影が薄かった陸。

「よろしくおねがいしまーす」

軽い印象を持たせた慎太。実は頼れるやつだった。

「よろしくっ」

一時の彼からは想像できないかも知れないが、明るく活発な体育系男子であった。

「よろしく!」

佳魅は好青年な印象を持った。実際もいいやつだったけど。

自分の自己紹介は簡単に済ませた。

みんなと大体同じ内容。

名前、出身中学、趣味。当たり障りの無いことを言った。自分は周りから浮くのが嫌いなのだ。

本当はパソコンに詳しいことも話したくなかった。

でも、クラス人数が少ない中でも少々浮きかけていたのでかしかたなく話を進めた。

そうして始めたチャットだったけど、結果的にはよかったんだと思った。

自分は誰かの役にたてた。その喜びを最近知ったきがする。

自分は笑って死ねる。犯人はクラスメイトじゃない。自分はそう確信した。

そしてきっと自分達の姿を真っ先に見つけるのは佳魅なのだろう。


さようなら。


「悠子ー?」

佳魅はなかなか教室に戻らない悠子を心配し、探しにきていた。

階段らへんから学ランを着た腕が見えた。

器用に寝てるな。誰だ?風邪引くぞ……。

覗いてみたか彼は絶句し、その場に座り込んだ。

そして頭をかかえ、彼女の名前を叫んだのだ。

その声は学校中に響くほどであった。

誰にも届かない声。何故なら、学校には生徒はおろか教師も誰一人いなかったからだ。

月明かりが青白い彼らを照らしていた。


彼は再び叫ぶ。

言葉にならない悲しみを。

そろそろ次の小説を考えなくては……と考えている今日この頃。この次は番外編をいくつか作ろうかと思います。詳しい設定や、それぞれの目線を描けたらいいなと思います。それでは、本編はもうしばらく続くのでよろしくお願いします。

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