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神々達の紡ぐ物語。

勇者召喚=少女の帰還。(改題しました)

作者: 池中織奈

 『私、色々な場所を見たい。だからいってもいいでしょ?』

 夢を見た。昔の夢。ずっとずっと、昔に交わした会話の記憶。昔から私は色々なものを見る事が好きだった。

 『……止めても仕方ないよね。でもこれつけてね』

 そういって呆れたように笑ったのは、私がほったらかしにしている――、けれども一番大事な存在。

 渡されたネックレスは、いつだって首にかけている。『男避け』のネックレス。

 神力が込められてるだけあって、あれから誰も私を口説くことも叶わなければ、付き合う事も叶わない。

 『うん、いつでもつけとく』

 そういって私が笑えば、あの子も満足そうに笑ってた。懐かしい記憶。ほったらかしにしちゃってるけど、あの子は今どうしてるだろうか。

 しばらく昔の夢なんて見てなかったのに、何故だか心地よい神力を感じて私はそんな思いに駆られた。










 そして、私は目を開ける。

 「二人…?」

 「勇者様が二人…? 失敗か」

 「どちらが――……」

 目を開けた瞬間、目に入ってきたのは幾つもの視線。聞こえてくるのは幾つもの声。

 勇者…? よく見れば私以外にももう一人召喚されている。

 もう一人はクラスメイトの美少女だ。名前は興味ないから知らないけど。栗色の髪を腰まで伸ばして、くりくりとしたぱっちりとした瞳を持つ。それでいて人懐っこい笑みに、天然と称される性格を持つ、学園の三大美女の一人として有名な少女だ。

 そこは、神殿のような場所だった。いかにも中世風の神殿。真っ白な壁に、何だか内装が神秘的で、壁には紋章が大きく描かれている。

 これは、何だ、あれか。現代日本の携帯小説とかである、異世界召喚って奴か。テンプレ通り女子高生が召喚されたって事…? 帰れるのか。帰れないのか。それが一番重要なんだけど、私とこの子どちらかというと、この子が勇者だろう。

 てゆーか、帰りたい。私は『地球』を隅々まで見て回るという夢があったのだ。世界中をこの目で見て回れるだなんて何て素晴らしい事なんだ。勉強にも精をいれて、世界の言語結構喋れるようになってたのに…、それで高校卒業したら資金を片手に世界中を旅しようと思ってたのにっ! これでは計画が狂ってしまうじゃないか。

 と、そこまで考えて、何だかこの世界に浸透している神力に覚えがあると気付く。それに、この懐かしい神力―――…、そんな風に感じている中で、

 「じゃあこの娘は役立たずか」

 「勇者様はこちらの娘だからな。どうする?」

 「魔王を倒せもしないなら――…」

 周りの連中の私を疎ましく思う声が響いた。

 そんな周りの声なんて気にしないとでも言う風に私はただ思う。

 ああ、そうだ、私はここを知ってる。この場所を知っている。一定周期で、魔王なんていう世界の膿のような存在が現れて、それを倒すことで世界を正常に戻す仕組みがあるのだ。この世界は。

 魔王は世界の悪性魔粒子によって生み出される存在で、それを勇者が光の剣で倒すことによって悪性魔粒子が、良性魔粒子に変化し、世界に散らばっていく。

 確か、そういう世界だ。此処は。だから定期的に勇者が異世界から召喚される。異世界からの召喚を果たす過程で、召喚勇者には、勇者としての力が与えられたはずだ。

 「おい、そこの娘」

 それにしても、この世界私よく知ってるしなぁ…。あの頃からこっちはどのくらい経ってるんだろう? 結構な時間経ってるなら見てみる甲斐があるかもしれないけど、来るなら『地球』を見て回ってからがよかったな。でもまぁ、ここには―――…。

 「おい、聞いているのか」

 これからどうしようかな、何てのんびり考えていたら思いっきり肩をガシッと掴まれた。そして、振り向かされた先では、いかにも神官っぽい服装の人が私を睨みつけている。

 これは、巻き込まれた私は必要ないって思ってるって事ですか。いや、まぁいいけど。つか、昔はこの世界は帰還の魔法なんてなかったけど、今はどうなってんだろ。それだけ気になるけど、こいつら私の事邪魔だからって今すぐにでも殺しそうな目してるしな。

 今は『人の身』だから、そもそも世界を渡るなんて昔以上に難しいわけだし…。ま、いいかと思った私は、とりあえずこちらを睨みつけてくる面々に、とりあえず言っておく。

 「あー、私は勝手に出ていきますから、気にしないでください」

 にこっと笑っても、周りは嫌な表情を浮かべるだけだ。それを見てあー、と思う。そういえば、あの夢の続きで、あの子以外が私を見ても不細工よりの平凡な顔に見えるなんていう謎の呪いをかけられたんだっけ。まぁ、いいけど。

 そうか、この周りの奴ら美少女が好きなんだな。だから、あっちにはデレデレ、こっちにはちょっとなぁーって顔してんのか。

 面食いだらけってわけなのね。ま、顔の造りが美しいとか、かわいい方が皆いいものだものね。地球でもそうだしね。

 「じゃ」

 さっさとずらかって、あの子に会いに行こう。私の直感と感覚が間違ってなければ、此処はあの子や他の知り合いがいる世界のはずだ。

 そんな風に思っていたのに、何故かガシッと腕を掴まれた。

 「貴様、あやしいな。今までの異世界人は少なくとも戸惑ったり泣き叫んだりしていたはずだ」

 え、そんな事言われてもとしか言いようがない。というか、あやしいなんて言われても、慣れ親しんだ世界に戻ってきたのに、戸惑うなんてわけないし。

 「そ、そうだよ。天沢さん。異世界で一人で行動するなんて危険だよ」

 美少女ちゃんも何だか余計なことを言いだしてしまっている。私はさっさとずらかりたいのになぁ…。と思うのに、神官服着たイケメン――とはいってもあの子の方が愛嬌あるし、顔整ってると思うけど――が腕を掴んでこちらを怪訝そうに見ている。

 離してくれっていってもきっと離してくれないよなーなんて思っていたら、

 『あー、やっぱりメイリン様だぁああああ』

 『ようやく遊びが終わったの? 終わったの?』

 『あれ、でもまだ『人』だね。メイリン様』

 『あれー? でも、これ召喚の魔法陣だよね。メイリン様が勇者ぁ?』

 神殿の中に光る沢山のものが紛れ込んでくる。。それは、精霊と呼ばれる者たちだった。

 半透明な姿は神秘的で、属性によってその色は異なる。この世界で言う精霊は、世界に存在する魔粒子が生み出す不思議な存在の事をさす。彼らは私の魔力を感じてここまでやってきたらしい。”メイリン様”と私を呼ぶ声に、ああ、やっぱりここはあの子の居る世界だと実感する。

 「なっ、せ、精霊が――…」

 「何故、オマケの娘などに…」

 周りが唖然としたように見ているのが、何だか面白かった。この子達は、わかるんだろう、私が”メイリン”って存在だと感じられるのだろう。

 私は周りの連中の声なんて無視して精霊たちににっこりと笑いかけた。

 「私は勇者じゃないわ。勇者はその美少女ちゃんよ。まだ終わってないわ、私はもっと色々な場所を見たいんだもの。ところで、あの子の所に行きたいんだけど、連れてってくれる?」

 『まだ、終わらないのー?』

 『長いねー。アルス様が寂しがってたよー?』

 『アルス様ー? メイリン様が此処に居るのわかったらすっとんでくるんじゃないのー?』

 ああ、何か愛らしい顔立ちで、子供みたいに私を見てそう間延びした口調で言う精霊たち可愛い。なんか癒される。

 いやー、懐かしい。それにしてもイケメン神官はいつまで私の腕を掴んでるのかしら。こんな姿あの子が見たら怒り狂う自信ある。

 「貴様は――」

 『メイリン様にそんな口聞いちゃだーめ! えいっ』

 精霊は神の下に属するものだ。この子たちは、私が『人の身』であろうとも、私を間違えもせずこうして腕を掴んでいる神官に向かって風精霊が力を使って、神官を吹き飛ばしている。

 えいって、本当可愛い掛け声。それに似つかない力も懐かしいわーなんて暢気に精霊たちに視線を向ける。

 『メイリン様、勇者じゃないなら、いこー』

 『いこーよ、アルス様のところにー』

 『アルス様喜ぶよー』

 神官なんてそっちのけで私を囲んでいる精霊たちって本当に可愛いと思う。ちなみに精霊語は一般的に精霊に愛された子とかしか理解できない。要するに精霊から交流したいと思って話しかけたりしたら交流がもてるって事。だから、周りには一切精霊の言葉理解できてないと思う。

 勇者は精霊になつかれやすいって性質があるから、私のほうに来ているのが周りは驚いてるみたい。美少女ちゃんも精霊に好かれやすいはずだけど、私がこの場にいたからみんなこっちに来ちゃったのよね。

 「そうね、行きましょうか。此処にいる意味もないし」

 「あ、天沢さんっ!!」

 周りが唖然としてる隙にさっさとどっかにいこうかと思ったら、可愛らしい声に止められた。

 その声の主は、あの美少女ちゃんだ。困惑した目で私を見つめる姿に、面倒だなと正直思って仕方がなかった。

 精霊たちは、『誰、これー?』って感じで勇者である美少女ちゃんにはあんまり興味ないみたいで、『速くいこー』と私の方を見ている。

 「え、えっと。やっぱり、危険だと思うの。だから、一人で行くなんて…」

 「心配しなくていいよ。精霊たちもいるし、何よりここは私にとって慣れ親しんだ場所だから」

 『人の身』をとっているとはいえ、力は落ちているわけでもないし、そもそも精霊たちが居るから何かある心配はない。不安そうに心配そうにこちらを見るのは結構だけど、正直迷惑なんだよね、と思う。

 速くあの子に会いたい。そんな思いから、ため息が漏れた。

 「慣れ親しんでるって、どういう事? 天沢さんは――……」

 いいから、行かせてくれればいいのに。周りの連中は私に関わりたくないみたいだし、さっさと納得してほしいんだけど。吹き飛ばされた神官とか、他の連中も私の事睨みつけてるし。

 なんて思いながら、美少女ちゃんを面倒な目で見ていれば、

 「メイリン!!」

 何だか、凄く久しぶりな声が響いて、一気に慣れ親しんだ神力がそこに充満した。

 振り向いた先に居たのは、あの子―――アルスである。久しぶりだけど、全然変わってない。まぁ、神様なんだから当たり前だけど。

 血のように赤い髪に、目に光る金色の瞳。特有の神力を纏った姿は、直感でアルスが神秘的なものだと周りに理解させる。

 『アルス様だー、メイリン様の御迎えー?』

 『アルス様、メイリン様大好きだもんねー』

 そういって楽しそうにアルスを見る精霊たちに、

 「え、あれは――、戦神アルス!?」

 「何で…、此処に?」

 「な、何をやらかす気ですか今度は!」

 「……か、かっこいい」

 驚愕に顔を歪める神官たちと、ぽっと顔を赤く染める美少女ちゃん。って、何見とれてるの、美少女ちゃん。アルスに手を出したら怒るわよ?

 というか、何をやらかす気って言われてるけどアルスってば私が居ない間に何かやらかしたのかしら。

 「あ、あなたは誰ですか?」

 美少女ちゃんは、駆けこんできたアルスを見て何故か前に出て問いかける。頬は赤い。一目ぼれ…? でも、勇者だとしても人が神に無断で話しかけるってちょっと無礼かなと思う。そもそも、アルスって結構容赦なくやっちゃう神だし。

 周りの神官たちが青ざめてるのに、何やってんだ、美少女ちゃん…。

 「誰、お前。邪魔」

 金色の目を細めて、美少女ちゃんを睨みつけるアルス。

 「わ、私は今回召喚された勇者です。ところで、あなたの――」

 「だから、邪魔だっていってんじゃん。お前に構ってる暇ない」

 目の前にいる美少女ちゃんを、アルスが苛立ちを感じたように少しの神力をまとわせて睨みつける。神力が充満していき、アルスの目の前で頬を染めていた美少女ちゃんも、周りの神官たちも一気にそれに青ざめる。

 神力は、人からすれば害だ。大きすぎる力は害をなすものでもあり、強すぎる神力を前にすれば人は動くことさえままならない。まぁ、アルスは死なない程度の神力を放出しているわけだけど。

 ここで勇者を倒されてもな、なんて思ったので私は相変わらずだなと思いながら私はアルスに近づく。

 「アルス」

 そして、私は久しぶりにその名を呼んだ。

 それだけで、アルスは一瞬で神力を抑える。美少女ちゃんの体を押しのけて、アルスはまっすぐに声のした方――私のいる方を見据えた。

 周りの新官たちが神力にあてられたまま、

 周りの神官たちが、ぼそっとそんな言葉を言いながらも、青ざめたまま動けない状況の中で、

 「メイリン…!!」

 アルスは嬉しそうな表情を浮かべて、私をまっすぐに見据えた。ああ、抱き着きたい衝動を抑えているのね、アルスってばと思いながら笑いそうになる。

 アルスってば人間の前では割とかっこつけてるところあるものね。というか、私の前以外そこまで可愛くないみたいだし、アルスって。

 二人っきりとか周りが神だけとか、家族だけとかだと思いっきり私に甘えてきて可愛いのに。

 「久しぶりね、アルス」

 「メイリン!!」

 抱きしめるのは我慢しているみたいだけど、表情は全然取り繕えてない。頬がだらんとゆるんでいて、だれが見ても満面の笑顔である。

 本当に全然変わってない。可愛いわー、アルスって。なんでこんな男のくせに可愛いんだろうと思いながら私はアルスを見て思わず笑った。

 『アルス様、うれしそー』

 『メイリン様もうれしそー』

 周りの精霊たちは私達をかこうようにして、何だか凄くうれしそうに声をあげている。

 「……ぶ、武神、アルス様?」

 「え、えっと…?」

 戸惑うような声が聞こえてくるけど、どうでもいいよね。

 「アルス。私勇者召喚にまきこまれちゃったの。それでたまたまこの世界に来たんだけど、帰還って出来るの?」

 「え、メイリン、帰ってきたんじゃないの…?」

 私の言葉にアルスがえ、という表情で私に問いかける。

 しょんぼりとした顔が可愛い。捨てられた子犬みたいで、庇護欲を誘う。こんなにかわいいのに神界でも五本の指に入る強さだっていうんだからギャップが激しいわよね。

 「んー、まだ『地球』を隅々まで見てないから帰還出来たらしようかなって思ってるんだけど…」

 「え、ヤダヤダヤダ。折角会えたんだからしばらくいてよ! 二千年ぶりなのにすぐ帰っちゃうとかいーやーだ!」

 帰還したい、って言葉にアルスは駄々をこねた子供のように私に向かって訴えだした。

 「へぇ、こっちではもう二千年もたってるの? 私はあちこちいってて、1200年ぐらいなんだけど。やっぱり時間の流れって異世界だと違うのね」

 アルスを見ながらも、へぇって感じで面白くなる。異世界との時間の流れについてもそれぞれ調べてみるのも楽しそうだ。また、やりたい事が増えた。

 やっぱり、この世の中には知りたい事が沢山ある。もっと、いっぱい沢山の事を知りたいと思う。

 「…え、えっと、あ、アルス様。お聞きしてもいいでしょうか」

 「ん、誰お前」

 「は、こ、この神殿の神官でございます。その、勇者召喚にまきこまれた方とは、お知り合いでしょうか…」

 鋭く目を細めて、神官を見るアルスに緊張した面立ちで神官が問いかける。視線は、私の方に向いている。

 「俺の奥さん」

 神官に見せたくないとでも言うようにまた、アルスは私を後ろに隠す。相変わらずだなとただ思う。

 「はい?」

 素っ頓狂な周りの声。そりゃ、そうだよね。何いってんだ、とでも思ってるんだろう。

 「だから、知と探究の女神・メイリン」

 アルスはそう答えながらも、私を隠したまま告げた。

 そう、私、天沢明アマザワメイは神名をメイリンといって、今は『人』の身だけれども、人に知と探究の女神と呼ばれている存在だ。

 「……知と探究の女神って、二千年近く前に姿をあらわさなくなったっていう?」

 「確か、神託で『なすべきことができました。のちに戻ってきます』と告げて去ったっていう…?」

 そう、私は二千年前にきっちり、私を信仰する神殿にしばらくいなくなることを神託で告げてからこの世界から姿を消した。何故かっていうと、私は何でも知りたくてたまらない性分にある。

 見たことのない場所はみたいと思う。知らない情報は知りたいと思う。元からこの世界では召喚ってものがよくされていて、異世界がある事は知っていた。そう、私はこの世界をある程度見て回った後に、異世界を見に行きたいと思ったのだ。

 好奇心旺盛な私は、やると決めたら行動に移す性格をしていて、夫であるアルスは渋々私が異世界を旅することを許してくれた。だって私が止めてもやっちゃう事わかってるから、知らないうちに姿を消されるよりも承認した方がいいって思ったらしかった。それで、『男避け』のネックレスと、不細工よりの平凡に見える呪いかけられてるんだっけ。

 アルスってば、心配性なんだから、と昔の事を思って呆れる。浮気する気もないし、転生を繰り返す中でも一回も恋愛関係に誰かと行った事がないっていうのに。

 「あ、天沢さんが、女神ってどういう事?」

 一人、美少女ちゃんだけはやっぱり理解できないとでも言うような声をその場に響かせている。

 「んー、メイリン。今天沢っていうの?」

 「天沢明よ。天沢が家名で、明が名前よ」

 「そっかー。ところで、本気ですぐ帰る気? 『人』の身で帰るの大変だしさ、もっと居ようよ、ね? てか、いてほしいなー、俺」

 「……仕方ないわね。じゃあこの人の身が死ぬまで此処にいてあげる。久しぶりだしね。ただ、またこの身が死んだら転生して別世界見てくるわ」

 「ほんと!? でも人って大体寿命百年にもみたないよね? それだけかー。でもいいやー、久しぶりのメイリンが居るならいいや」

 まぁ、私らからすれば百年ってかなり短いわよね。それに私今16歳だし、大体一緒にいれて70年くらいかしら。甘えてるアルス見るのは何だか和むし、その間たっぷり一緒に居てあげようかしら。

 アルスを見ながら、思わずそんなことを考えた。

 「あ、天沢さん…、あの、どういう事か私に――…」

 「ね、メイリン。さっさと神界帰ろうよ。久しぶりにゆっくりしよう? キーナも喜ぶよ」

 「ええ。そうね。それはいいけど、アルス。一旦離してくれる?」

 アルスにそういって、体を離してもらって、美少女ちゃんの方を向く。あ、ちなみにキーナってのは私とアルスの娘である。神って子供出来にくいんだけど、一人居るのよね。キーナとも会うのが久しぶりでわくわくしてくるわ。

 女神の友人たちとも会いたいし。家族にも会いに行きたいし。

 「えーっと……、うん、私についてはそこら辺に居る人に聞いてね。私しばらくこの世界でまったりするし、勇者頑張ってね」

 うん、名前呼ぼうとしたけど、出てこなかった。だから断念して私はそういった。

 神官たちに聞けば、私の事わかるだろうし。アルスも速く行きたいみたいだし。

 「じゃあ、アルス。行こう。あ、でも私今人間だから神力使いづらいのよね。だから、アルス、連れてってくれる?」

 神は神力を使えば結構すぐに神界に行けるんだけど、私って今人間だからそういうのもしにくいのだ。神に自分を創りかえるぐらいの神力は残ってるけど、それ使っちゃうと神力がたまるまで時間かかるし。私戻りたいときにはいつでも戻れるようにしておきたいからね。

 「もちろん! じゃ、いこう」

 笑顔で頷いたアルスと手をつないで、そのまま移動させてもらった。手を繋ぐって行為も久しぶりで、アルスが嬉しそうににこにこと笑っていた。なんだかそれに私も胸が温かくなるのを感じた。

 そのまま私とアルスは神界へと戻るのであった。






 「メイリン、大好き」

 「ええ、私もアルスの事大好きよ」

 さて、しばらくは、この身が死ぬまでの間は離れていた時間の分たっぷり傍にいるとしますか。



 

 

色々な場所を見たいという願望の元、転生しまくって冒険しまくってる神様(笑)です。


メイリン。

知と探究の神。色々な場所を見たいという好奇心の元、自世界を離れて、転生しまくって冒険しまくっている変わり者。

ちなみに神だろうと異世界渡るのは面倒なので、転生してます。でも神の力は衰えておらず、寧ろ増えてるし、神の姿になることも可能。

その関係で他世界の神とも交流あり。


アルス。

戦神。結構容赦ない。ちなみに力でいったらこの世界でかなり強い方。




遊び心で書きました。面白くなかったらすみません。面白かったら感想もらえれば凄く喜びます。



追記:ある作品に似ているという感想がありました。影響されたのと、思うままに書いたら似せるつもりもなく似てしまいました。

投稿するさい書いたら似てしまったかもと、ちょっと思いながらも投稿したものです。



向こうの作者様の話し合いをして、向こうの作者様はこのままでもいいといってくださったのですが、向こうの作者様のファンの方々が不愉快な気持ちになるでしょうから、改稿作業をしています。


ただ「巻き込まれ」と「神」というかぶっている設定については関連作品をいろいろと思いついていることもあり、さすがに変えるのは…ということで話し合い、そのままでいいという了承をもらっています。


改稿した後も似ていると思う方はいらっしゃるかもしれませんが、話し合いを向こうの作者様とした後ですのでご了承ください。

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[一言] 面白かったです!
[一言] 池中織奈と行見八雲さん。当人同士で解決されたようで安心しました!ストーリーや登場人物設定、ストーリー名は同じようでも池中さんには池中さんにしか出せない味があり、同じように行見さんにも行見さん…
[一言] 行見 八雲さんの『巻き込まれたのは、女神』に作名も内容もそっくりでびっくりしました。行見 八雲さんの感想からパクリ疑惑があり、覗かせて頂きましたが、「何も知りません・関連はありません・全てオ…
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