戦闘?できないから小細工しますよ
どうも、風邪でダウンしてた円男です。
いや~風呂上りに髪乾かさないでバイクでコンビニ行ったのが間違いだったようだ。
ただの馬鹿ですね(笑)
皆さんは風邪とかインフルエンザに気をつけてください。
「ふぁあ、知らない天井だ。……いや知ってるな」
大きな欠伸の後、ぼそっと呟き俺は体を起こす。
いやまあ半月もこの部屋使ってるけど天蓋付きの豪華なベッドとか夢としか思えないんだよね。
どうでもいいが前は畳に布団敷いて、起きたら裸電球が見えるアパートに住んでました。
さて今日は薬屋と、市場だな。
あらかじめ立てていた予定を頭の中で復唱しながらいつものジャージに着替える。
武器は買ったし、防具もアリシアに頼んだら城の兵士の軽鎧を譲ってくれたし。
あとは戦闘に使う予定のモノを市場で物色していけば準備は完了だ。
「門番さん、少し出かけてくるのでお願いします」
「はい、いってらっしゃいませ」
ちなみにこの人、昨日俺に槍を突きつけた方である。
「ここがこの町で一番品揃えが良い薬屋か」
昨日アリシアに助けてもらった後、偶然リディアに会ったので色々行きたい場所の地図を書いてもらったから迷うことはなかった。
昨日もミザリーさんいなかったら迷ってたしね。
まあ迷ったら普通に道を尋ねるけど。
それにしても雰囲気あるなこの店。
建物自体は大きくないが、なんか魔女が住んでそうな感じだ。
微妙に入るのをためらうが、意を決して足を踏み入れた。
店に入るだけなのに勇気がいるってなんなの?
「いらっしゃい」
中に入ると何百種類もの何かが混ざったような独特な匂いと、気のよさそうな老人の声が俺を出迎えてくれた。
「おじゃまします。コレを用意してもらいたいんですがありますか?」
俺は早速必要な薬草や毒草を書いた紙をお爺さんに渡す。
「あんた冒険者かい?この辺りは薬草だけどこの辺は全部毒草だよ?」
「ええ、大丈夫です」
俺が何をしたいかというと、戦えないなら状態異常にして逃げればいいじゃないという作戦を俺の灰色の頭脳が思いついたんだ。
だから図鑑読んで、相性の良い薬草とか効果の強い毒草をミザリーさんかリディアに薬に調合してもらおうって寸法さ。
運がよかったことに図鑑はその薬草とかを押し花みたいにして本物が挟んであったからできたんだけどね。
写真なくてよかった。もしかしたら写真でも視えるかもしれないけどさ。
それで傷が付けれればいいから、切れ味の良い短剣かダガーを探してたんだ。
本当は飛び道具が一番望ましいけど使えないしね。
あとは傷薬とか解毒剤とかおそらく冒険者の必需品であろう薬品類は念のために作っておくことにした。
「ふむ、少し待ってておくれ。何せ量が結構多いからね」
ドサッという音とともに目の前に麻袋に入った薬草や毒草が積まれていた。
頼んだけど大変な量だなコレは……。
まあいいや。
「いくらになりますか?」
「沢山買ってくれたし少しおまけして2630Gだね」
安いな、足りないと思ったから王様にお金少しもらったのにな。
「はい、2700G」
「おつりだよ」
お釣りをもらい、大量の麻袋を背負って俺は一度城に戻った。
帰る途中、小さい子に「お母さんあれ何?」「シッ、見ちゃいけません」って言われたときは少し生きているのが嫌になったのはしょうがないと思う。
それじゃ明日リディアかミザリーさんに頼もう。
確か二人とも薬の調合できたはずだし、リディアはモグリだけど。
そんなことを考えながら汗を流そうと風呂に向かった。
一応王様からはいつ入っても良いとは言われてるから大丈夫だよな。
なんか嫌な予感がすると思いながらも、服を脱ぎ風呂への扉を開けた。
「……む?背中は流さなくてもいいと言ったはず……だ…が?」
嫌な予感の正体はコレか!?
目の前には裸のアリシアがいて、体を洗っているところだった。
最初は俺を侍女かなんかだと思ったらしいが後ろを向いて目が合った瞬間硬直した。
とりあえず逃げるか。
「まあ、なんだ……すまんゆっくり入っててくれ」
「ななななななななななあああああ!?」
次の瞬間、俺の頭は激しい衝撃と共に意識は闇へと沈んだ。
余談ではあるが出てくるのが遅いアリシアを心配した侍女が、のぼせてぶっ倒れているアリシアと、素っ裸の上大の字で気絶している俺を見て悲鳴を上げたことで城が大騒ぎになったのはまた別の話。
どうでしょうか。
そろそろ準備も整ってきて次かその次で出発する予定です。