この男、一体何者?
前回の話のミザリーさんとルルゥちゃん視点です。
-ミザリーside-
目の前の男ナナシは私の変装を見破っただけではなく、聞くところによると姫様達の作った木像を見破ったらしい。
私も見せてもらったがあれは分からない。
鑑定眼に自信がある私でさえ分かったのは素人が作ったということだけだ。
どっかのアホオヤジはルグリアスの作品とか言ったらしいが、全くもってダメすぎる。
さすが頭が凝り固まっちまった頑固ジジイだね。
何やらその鑑定眼については秘密があるらしいが教えてもらえなかった。
それで今日は王様に頼んで隣でナナシとやらの観察をさせてもらうことにしたんだが、
「はい、それで同行してくれるのはそっちで侍女の格好してるミザリーさんとそこの柱の上で隠れてる人で良いんですか?」
またバレた……。
今回は前の失態を考えて出来うる限りの変装技術を集めて顔も見られないよう王様の少し後ろで隠れるようにしていたのに……。
というか柱の上ってあんなところに人が上って隠れられるわけがないと思ったが、そんなことの出来る奴に心当たりがあった。
しかしあいつは人間なんかに見つかるほど落ちてはいないはずなんだけどまさかね。
もしそれがルルゥならこの男は一体何者なんだ?
得体の知れない男を睨むように見ながら、王様と男の会話の続きを待った。
-side out-
-ルルゥside-
ボクの居場所がバレた……?
今まで敵にも味方にもバレたことなんてないのに。
ミザリーの変装だってそう、よっぽどバレないと思うしそんなところはまだ見たことがない。
ボクなら匂いで分かるけど、あの男の人は正真正銘人間だ。
もしかしたらボクの正体もばれるかもしれない……。
そしたらあの人もボクを差別するのかな?
そんな人ならこの帽子は絶対に外せない……。
もしバレてしまったらまたボクの居場所が無くなっちゃう……。
そんなのは絶対に嫌だと帽子の端を握っていると王様に降りてくるように言われた。
-side out-
短い、いつもにも増して短い……。
でもすいません勘弁してください。