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王女達から見たナナシ

短いという感想をいただいたので、一話を少し長くするかできるときは複数投稿するように心掛けたいと思います。

 

 

 

 -リディアside-

 

 

 

 ハードレイ伯爵に続いて部屋に入って来たのは、ごく普通の平民としか思えない青年だった。

 

 確かに黒髪は珍しいが、それ以外には特に突出したところもなさそうだし。

 

 鑑定士だから物の真贋や価値を見分けることの出来る眼があれば良いと言えばそれまでだけれど、この国で一番の知識と鑑定眼を持つミザリー・クロムウェルは、「色々と自分で旅をして、人々と出会い、自然と触れ合い、あらゆる物を見て初めて物の価値が分かるようになる」と言っていたし、他の鑑定士達は皆口をそろえて『経験』と言う。

 

 それを裏付けるように、ミザリー・クロムウェルは幼い頃は商人である両親と旅をしていたらしいし、彼女以外の有名な鑑定士達はほとんどが齢40を超えている。

 

 にもかかわらず彼女と同じような若さの彼は、あの乱雑に置かれた店の中から竜の涙を見つけたという。

 

 何かあるのかしら?

 

 そう思い彼を観察していると、彼は何か不自然な点でも見つけたのかキョロキョロと部屋を見回し始めた。

 

 すると彼は一瞬驚いた顔をしたかと思うとじっとこちらを窺うように見ている。

 

 その時彼と目が合ったが、何か言い知れようの無い感覚が私を襲った。

 

 そうまるで私という存在の全てを見透かされているような妙な感覚。

 

 感じたことの無い感覚に困惑していると彼は私から目線をはずしていて、その時にはあの妙な感覚は消えていた。

 

 

 

 -side out-

 

 

 

 

 

 

 -アリシアside-

 

 

 

 伯爵に連れられてきたのは平凡な線の細い青年だった。

 

 いや、そうだと思った。

 

 しかし少し観察すると私は彼の妙な点に気付いた。

 

 あまりにも隙が多すぎるのだ。

 

 まさかとは思うがあれは『擬態』なのだろうか?

 

 もしあれを擬態だというのなら彼には全く隙が無い。

 

 自惚れているわけではないが、私も『姫騎士』という名前に負けない程度の腕は持ち合わせていると思っている。

 

 しかしその私にも隙を見せないとは彼は相当の手練れと見た。

 

 そう考えて見ていると彼の行動全てに納得がいく。

 

 まず彼は入ってきたとき大袈裟に部屋を見回していたが、おそらくあれも擬態。

 

 周りの侍女や衛兵では平民である彼が王城の広い部屋や豪華な装飾などに圧倒されているのだと思っただろう。

 

 しかしその実、彼は観察していたのだ。

 

 この部屋に存在する人の数、物の配置、広さ、間取りなどをあの時に把握したに違いない。

 

 やはり油断できない人物だと彼の印象を頭で書き換えていると、彼がこちらを見ていることに気付いた。

 

 そして目が合うと同時に、私の体に何か言い知れない感覚が奔った。

 

 なぜか目を離すことが出来ず、彼の鋭い眼光から逃げることが出来ない。

 

 この時点でおそらく並の人物なら彼を恐れるところだが、私は思った。

 

 戦いたいと、彼と全力でぶつかり合いたいと!

 

 そう思うのとほぼ同時に彼は言った。

 

「失礼ですがアリシア王女とリディア王女は変装ごっこがお好きなので?」

 

 コレには私も完全に絶句した。

 

 いや、この部屋の空気すらも沈黙した。

 

 何故バレた!?

 

 隣のリディアを見ても状況を飲み込めていないようだ。

 

 お父様とお母様にいたっては完全に固まっている。

 

 いままでリディアが考えたこの悪戯はバレたことがないのだ。

 

 だから他国の人間にはあまり顔を知られていないし(他国の王族は除く)この国の人間でなければ私達の顔などほとんど知るはずが無いのだ。

 

 何より私達の格好は近衛騎士が着るフルプレートの鎧で頭までしっかり隠している。

 

 まさかハードレイ伯爵が喋ったのだろうか?

 

 それは無い、伯爵には何をするか言っていないからきっと伯爵は私達はいないと勘違いしていたはずだ。

 

 それを示すように伯爵も驚いている様子であるし。

 

 全く分からない……。

 

 私とリディアは頷き合うと、観念して兜を脱ぎ玉座で未だに固まっている父と母の隣に戻った。

 

 

 

 -side out-

 

 


今回は前回とそこからちょっと進んだところまで話をお姫様二人の視点から書いてみました。


一応彼女らはこれからの重要なファクターになるので(……多分)


この話で彼女達の人物像を思い浮かべてもらえればと思います。


今から紹介を書きますがぶっちゃけ頭のいい妹と脳筋の姉ですかね。


ちなみに姉のアリシアは一般から見れば頭はいいんですが、根本のところは筋肉で出来ているということで。



Name: アリシア・セーヌ・フォン・クラウセル


Age: 19


Sex: 女


Class: 第一王女・王国騎士団三番隊隊長


Height: 168cm


Weight: 53kg(別に構わん!らしい)


Ability: 剣- A++ 槍- A+++


王国クラウセルの第一王女であり騎士団の隊長。姫騎士と言われる程に強い。

守られる側の人間のはずだが脳筋だから仕方ない。


髪は王族特有の色である綺麗な空色、肩口で短めに切りそろえられている。瞳は赤。


キリッとした顔立ちをしており、おそらく父親似。


まぁ言わずもがな脳筋さんです。


特に平民などの差別はしておらず、というか脳筋なので気にしない。



Name: リディア・セーヌ・フォン・クラウセル


Age: 18


Sex: 女


Class: 第二王女


Height: 158cm


Weight: 42kg(気にするほど醜い体型じゃないからOKらしい)


Ability: ―――――


王国の第二王女。

髪は姉と同じく空色で少し長めの髪を肩甲骨辺りで縛りメガネをかけている。


天才と呼ばれるほどに頭が良いが、まともな方向に使用しないため天災と呼ばれ恐れられている。(主に家臣団)


だがやるときはそれなりにきっちりしているので、国の会議などでは驚くようなアイデアを出すほど。


アリシアの技能にあります剣や槍のように兵士を書くときはあのように表したいと思います。


上から、S,A+++,A++,A+,A,A-,B,C、といった感じになります。


あと誤字脱字などありましたら気軽に指摘してください。

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