目が覚めるとそこは知らない場所でした
どうも「円男」と言います。
この作品が初投稿になるので優しい目で見てくれたら幸いです。
では、今後もよろしくお願いします。
……暑い。
何故こんなに暑いのだろう。
昨日は部屋で寝たはずだし、そもそも今は12月暑いはずがない。
それなのにもかかわらずこの日差しを直接体に浴びているような暑さ、異常だ。
まぁ原因は目を開けて状況確認をすれば分かるだろう。
「…………は?」
目の前に広がるのは尽きることの無い緑。広大な草原だった。
…………なんでさ。
いやいや明らかにおかしいだろう。何で朝起きたら草原のど真ん中で寝てるんだ俺……。
とりあえず現状把握からだと、そう考えたところで違和感を感じる。
昨日は普通に大学に行って講義を受けて、帰りにコンビニで弁当とお茶を買って、自分の部屋で食って風呂に入って寝た。
それは間違いないし覚えている。
なのになんで自分の名前が思い出せない……?
俺は誰だ?
僕は誰だ?
私は誰だ?
一人称は何だった?
性別は?
本当にオレは俺なのか?
昨日のことも他人の記憶なんじゃないかと不安が渦を巻き、疑心暗鬼に陥りそうになる。
いや、そんなことを考える時点ですでに陥っているのかもしれない。
怖い…怖い…怖い…。
自分が自分じゃないと考えるだけでこんなに不安になるとは思わなかった。
どれだけの時間考えていただろうか、もし周りに人がいたら草原の真ん中でただぼーっと立っているようにしか見えなかっただろう。
だがもう答えは出た。
割り切る。
昔から勉強が苦手だった頭を捻ったがこれしか思いつかなかった。
ここがどこだろうが俺は俺だ。
それ以外の何者でもないし、この記憶も俺のものだ。
そうと決まれば行動を開始しよう。
こんなところにいても間違いなく良いことは無いだろうし、早く自分以外の人に会いたいという願望があるのは仕方が無いはずだ。
そんなことを考えながら俺は周りを見回す。
「お、あれは道かな?」
300mほど向こうに白い線が伸びているのが見える。
その更に先に丘があるため道の向こう側は見えないがおそらく町か村くらいはあるだろう。
安易な考えだと思うが他に手掛かりや情報が無いから仕方ないと自分に言い聞かせながら俺は先に進んだ。
………何を書こうか。
とりあえず次もよろしくお願いします。