前世、橘咲のキャラクター概要
名前:橘咲
享年:28歳
職業:老舗百貨店勤務・バイヤー兼社内ベンチャー担当
出身:京都府京都市
死因:過労による急性脳梗塞(深夜のオフィスで倒れる)
■橘咲の詳細プロフィール■
【生い立ち】
京都の老舗和菓子屋の長女として生まれます。幼少期から店の帳簿を見て育ち、お金の流れを肌感覚で理解しています。祖父が歴史マニアで、幼い頃から幕末の話を聞かされて育ちました。
「京都はな、表の顔と裏の顔がある町や。公家はんは貧乏でも威張っとるし、商人はんは金持ちでも頭を下げとる。その逆をやれる人間が一番強いんや」という祖父の言葉が、咲の人生観の原点になっています。
【学歴】
京都大学経済学部卒業後、同大学院で日本経済史を専攻。修士論文のテーマは「幕末の開港期における国内資本形成の可能性」。
つまり「もし幕末に日本独自の資本で近代化できていたらどうなっていたか」を真剣に研究していた人間です。転生後の糸子が目指すことは、そのまま咲の修士論文の「答え合わせ」になります。研究者の道も考えましたが「理屈だけでは世の中は変わらない」と感じ、就職を選びます。
【職歴】
京都の老舗百貨店に就職し、最初は呉服売り場に配属されます。ここで西陣織・京友禅・京焼などの伝統工芸品の知識を徹底的に叩き込まれます。これが転生後に「京都の名産品を売る」という最初のビジネスの基盤になります。
3年後にバイヤーに抜擢され、国内外の仕入れ交渉を担当。フランス・イギリス・アメリカへの出張経験から、西洋人との交渉術を身につけます。
30歳手前で社内ベンチャー制度を使い「伝統工芸品の海外EC販売」プロジェクトを立ち上げます。このプロジェクトが軌道に乗りかけた矢先に過労で倒れ、そのまま転生します。「あのプロジェクト、どうなったんやろ」というのが死の瞬間の最後の思考でした。
【咲が持っていた具体的な知識】
橘咲の知識は大きく四種類ある。商売と交渉の実務知識、歴史と地政学の知識、語学と異文化理解、そして組織を動かすマネジメント感覚
・商売・交渉の知識
百貨店バイヤーとして身につけた仕入れ交渉術が転生後の最大の武器です。
値段の付け方、利益率の計算、相手の足元を見る方法、交渉の落としどころを探る技術、契約書の抜け穴を見つける眼力……これらは研究者には絶対に身につかない実務知識です。
特に重要なのは「相手が何を本当に欲しがっているかを見抜く能力」。表向きの要求の裏にある本当の動機を読む力が、外国公使や各藩の重臣との交渉で活きます。
・歴史・地政学の知識
修士論文の研究と祖父の影響で、幕末史については研究者レベルの知識を持っています。
特に詳しいのは経済史の側面です。金銀比率の問題、不平等条約の具体的な条文内容、各藩の財政状況、大坂商人の資本蓄積状況……これらを「数字」として把握しています。
南北戦争と日本への武器流入の関係、薩長へのイギリス支援の実態、フランスの幕府支援の条件……これらは修士論文の参考文献として読み込んでいた内容です。
ただし咲の知識には明確な偏りがあります。政治史・経済史は強いが、軍事史は弱い。
・語学
英語はビジネスレベル。フランス語は日常会話程度。大学院時代に読んだ古文書の影響で、古典的な文語体の読解力も高い。
ただし幕末の生きた言葉……江戸弁、薩摩弁、長州弁などの方言や、武士言葉の細かいニュアンスは転生後に苦労しながら習得していきます。
・マネジメント・組織運営の知識
社内ベンチャーの立ち上げ経験から、ゼロから組織を作ることへの抵抗感がありません。
人を採用する目利き、仕事の優先順位のつけ方、報告・連絡・相談の仕組み作り、失敗した部下への対処法……これらの経験が天朝物産会所という組織を動かす基盤になります。
【咲の性格】
●基本的な気質
合理主義者でありながら情に厚いというのが咲の本質です。数字と論理で物事を判断しますが、最終的な決め手は「この人を助けたいかどうか」という感情です。頭で考えて心で決める人間です。
●具体的な性格の特徴
・怒りの沸点が低いが表に出さないという特徴。理不尽なことを言われると内心では即座に怒りますが、それを表情に出す前に「この怒りを交渉の道具にできるか」と計算します。感情を武器として使う冷静さがある。
・負けず嫌いを隠しているという特徴。表向きは穏やかで柔らかい物腰ですが、一度「やる」と決めたことは必ずやり遂げます。できないと言われると、それだけで闘志に火がつく性格です。
・お金への執着が正直というのも重要な特徴。「お金は大事」と臆面もなく言える人間です。お金を稼ぐことへの罪悪感がない。ただしお金そのものへの執着ではなく「お金で何ができるか」への執着。
・人を見る目が鋭いが信じやすいという矛盾した特徴も持っています。初対面で相手の能力と動機をほぼ正確に見抜きます。しかし一度信じると決めた相手には徹底的に信頼を置く。この性質が何度か痛い目を見る原因になりますが、同時に強い仲間を得る理由にもなります。
・自分に正直なリアリスト。百貨店勤務で培った確かな審美眼を持ちながら、上質な暮らしへの欲求と「お得に手に入れたい」という私欲を矛盾なく肯定できる、自分に素直な人間である。
●弱点と欠点
・ひとつ目はせっかちで結論を急ぐことです。「答えが分かっているのに遠回りするのが嫌い」という性格が、根回しと時間をかけた説得をするのに何度も裏目に出ます。
・ふたつ目は体を大事にしないことです。前世でも過労で死んでいます。転生後も同じ傾向があり、周囲の人間が「また無理をしている」と心配する場面が繰り返し描かれます。これは颯太が老中会合で倒れた場面と同様の「人間らしさ」を糸子に与えます。
・みっつ目は感情移入しすぎることです。合理主義者のはずなのに、目の前で苦しんでいる人間を見ると助けずにいられない。この性質が商売の採算を度外視した行動につながることがあり、組織の幹部たちを困らせます。しかし同時にそれが人々の信頼の源泉にもなっています。
当初、考えた橘咲のキャラクター設定です。本作にどこまで生かされているのでしょうか?。設定は本篇を書いているときには、たまに忘れる時があります(;´▽`A``




