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薬草採ってる場合じゃないか、・・・

 

 帝国北西部に位置する都市ミラドでの三日間に渡る、四年に一度の国際親善会議と交流会を終え、母国である宗主国イルマの首都クリスへの帰途に着く第二王女レイアの一行であった。


 イルマ北東部の都市トレドで二日滞在し、歓迎行事を済ませ、クリスへ向かい一日の行程を進んだ辺り、“真の森(まことのもり)”南西端部に沿って街道が伸びている。北西側に三日程進めばタッカー辺境伯の領地である。


 トレドからの帰路の護衛に付いて、辺境伯から援護の申し出があったが、大袈裟(おおげさ)にする積りは無く、荷馬車を含む馬車三台と近衛兵、騎士五名、兵士十五名で十分(自国内という事も有り)とレイアは思って居た。


     ※          ※        


 鈍い地響きの直後、街道沿いの樹間から、樹木の半分位の巨大なオークが三体、続けて、騎士三名と兵士十五名の一団が現れた。 側道に荷馬車を盾に三台の馬車が固まり、騎士二名と兵士七名がオークの対応に、残りが馬車の全面に二重の扇型に構え第二王女を護衛する。 互いに無言の内に、オーク達は、馬車左側に、敵兵と残りの味方護衛は、馬車前にて戦闘を始める。


     ※          ※                    


 「ヨモゲにドクダメがたくさん採れたな。」


 額の汗を拭って、軽く一息ついてから、視界の隅に入った野草に視線を移すと、少し、驚いた。                


 「おや、こんな所にサボリソウが生えている。 珍しいな。 これも少々頂いて、収納鞄へと・・・。」


 肩から袈裟懸けている厚手の白色布地製の鞄をあけ、束の間の収穫(大人の一抱え分位の野草)を先程切り出した(つる)で種類毎に束ねて放り込む。


 コールマ帝国とイルマ宗主国の国境北部、宗主国側の都市トレドを過ぎて、街道沿いの森縁部。 三大火山を含む“真の森”のちょいと日の当たる隅っこで、ヨモゲに目が(くら)んだボサボサ頭で無精髭面(ぶしょうひげづら)、三十路のオジサンが、フラフラと、しゃがみ込んじゃ採取用シャベルで土を掘り返し、根に付いた土を払い落とし、立ち上がっちゃヨタヨタフラフラ移動し、又、しゃがみ込んじゃ・・・の繰り返し。 十分、怪しいオジサンに見えるけれど、本人には、自覚無し。


 (寄り道して遅くなっても、迷惑掛けるだけだな。 そろそろ行こうかなっと。)


 索敵(さくてき)モードに切り替え、範囲を拡げる。


(うん、南西側首都クリスへ向かう街道2キロメテロ先で争い事があるな)


 念話で、


 (ロック、近くにいるか?)


 (主、上に居ます。)


 (南西側2キロメテロ先で争い事がある。向かってくれ。)


 (主、了解。)


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