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LAST CHANCE GAME.  作者: どこぞの悪鬼&kinsei
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【Turn 悪鬼】8.

 五秒後。

 静かだったその光景が、一瞬して奪われた。

 むぅなはただ茫然と見ることしかできなかった。

 それぐらい、見入ってしまうものだったから――――。


 Q。いや、万作は手にしていたナイフを持ったまま殺戮人間β――天音に近づく。

 ひとまず天音を弱らせる必要がある。そう万作は考えていた。

 だから、彼は天音の左腕を狙った。

 こちらの左腕を奪ったお返しだ。そう思いながら彼は天音の背後を取ろうとする。

 だが、天音も同じことを考えていたみたいだ。

 ……背後が、取れない。

 まだ万作は左腕に刺さったナイフを抜いていなかった。

 腕だから胴体に比べて出血することはないが、抜けば大量出血を起こして死ぬ可能性があるからだ。

 刺さっているので、左腕を動かしすぎることは許されない。

 この勝負、不利ではないか? と万作は考えた。

 でも、むぅなが死ぬよりはまだマシか、と思う。

 最悪このナイフを抜いて襲撃するのもよさそうだ、と万作は気づく。

 でも、彼は心の中で首を横に振った。

 それは姑息な手だ。自分で言っただろう? これは決闘だと。

 決闘なら、平等にやるべきだ。

 万作は大きく息を吸った。

 天音が胸を刺そうとしているのがわかった。

 万作と天音では決闘直前のポテンシャルが違う。襲いかかるのも普通か。

 万作は三歩だけ後ろに下がった。

 ついでに、少しだけ横に移動する。

 今度は万作の番だった。

 横に移動したところからさらに横に行きながら天音の腕を狙う。

 失血死させることにしようと考えた。だから、万作は腕を深く差す。

「……っ!!!」

 天音は声にならないうめき声を上げた。

 このまま抜けば、と万作は考える。

 ――――その瞬間、もの凄まじい殺気を感じた。

「……Q!!!」

 出所はわかっている。どうせ天音だ。

 狙いはどこだ。腹か、胸か。方法は何だ。刺すか、切るか。

 万作は抜こうとしたナイフの柄をすぐに放した。

 すぐさま、勢いよく手を後ろにつく。

 そのまま後ろ脚を胴体ごと振って着地した。

 まるで蚊に刺されたようなヒリヒリとした痛みが襲ってくる。

「痛…………」

 左脚を見ると、一直線に出血している。

 どうやら、切られてしまったらしい。

 出血が軽いだけ、まだよかったか。

「……随分と姑息な手を使うね、天音」

「……それは君もだろう?」

 二人は笑いあった。

 その数秒後、再び獣のような形相でお互いに襲い掛かる。

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