【Turn 悪鬼】6.
「殺戮人間β……? 既に二百人が死んでいる……?」
「むぅな君。そう焦るでない。βだって人なんだ。強いだけで撃てば死ぬ。」
「そこで冷静になれるあなたがおかしいのでは?」
そう言うと、Qは高圧的な笑みを浮かべて持っていた銃を取り出す。
どうやら、Qに何か申すのはやめておいた方がよさそうだ。とむぅなは理解する。
「別にいいじゃないか。殺せるチャンスが来たら殺したらいい。βよりも大量に殺している人を狙った方がポイントも高い。」
「……そうだね。」
むぅなは頷いておいた。たとえ殺戮人間βを見つけても、倒せるとは限らない。
にしても、まだ始まって二日目にもなっていないのにここまで死んじゃうんだなとむぅなは思う。
どこかに殺人が趣味の物好きがいたのだろうか。どこかに人殺しの才能を開花させた狂人でもいたのだろうか。
むぅなは考えを巡らせるが、結果は出ない。
ぐぅ、と音が鳴った。
「……あの。」
「どうしたんだい? むぅな君。」
「食事にでもしませんか。お腹、空きましたし……。」
「……あぁ、もう間食の時間なのか。わかった、腹が減っては戦はできぬ、だからな。」
だけど、問題があったとしたら一つ。
「食堂って……どこ?」
「さぁ? 問いかけようとしてもΩは反応を見せないからなぁ」
そう、食堂が見つからないのだ。あんなに大きなビルで自室はたくさんあるくせに、肝心の食事だけが見つからない。
「もしかしたらサバイバルみたいに生き残れとか?」
「さすがにないだろう。四日間だぞ? 食事がないのはハードモードすぎる。」
「人肉を食べれば……、」
「衛生上問題だ。きっとどこかにはあるだろう。」
ビルは二十五階建て。むぅなとQは現在、一階から五階までの部屋の散策を完了している。
散策中も人と出くわし、その度に殺し続けた。
少なくても、むぅなはニ十ポイント以上は持っているだろう。
他の人が獲得したポイントも、その人を殺せば自分のものになるからだ。
「……だったら、最上階?」
「それはありそうだ。急ごう、僕まで腹が減って来た。」
ビルには、一階ごとに一つ、エレベーターが置いてあった。
「これに乗れば、早く着きそう。」
「あぁ、乗るか。」
むぅなたちはエレベーターの前でボタンを押して待機していた。
ポーンとでもいえばいいような、そんな音が鳴る。
「むぅな君……っ!」
Qはエレベーターに向かって銃を撃つ。