【Turn kinsei】39.
「…え?…」
そこには月雲がいた。
月雲は目を見開いていた。
山太は状況を確認した。
そして、月雲に話しかけた。
「あの二人は戦っているようだけど、嬢ちゃんは戦わないのかい?」
月雲は答えなかった。恐怖で口が動かなかったのだ。
「なにも答えてくれないのかい?」
月雲はどんどん涙目になっていった。
「じゃあ、オレの質問に対して、頷くか、首を横に振るか、をしてほしい。いいかな?」
月雲は頷いた。
「よし、じゃあ、この状況的に、あと生存者はオレを含めて、四人と考えていいのかな?」
月雲は頷いた。
「じゃあ、君のポイント数は十以上?」
月雲は首を横に振った。
「まぁいいか、オレね、死にたくないわけ、わかる?」
月雲は頷いた。
「だから、オレのために死んでくれ。」
山太は月雲に銃を向けた。
ここまで銃を使っていなかった山太でも、至近距離にいる、動かない的に当てることは容易だった。
月雲はこのままでは死んでしまうと思い、堕蜘斗を呼ぼうとした。
「…お……に…い」
月雲は全然喋れなかった。とゆうか、呂律が回っていなかった。
「…あ、そうだ。君の名前を聞いておこうか。」
「…つく……も…」
「つくもちゃんかぁ。それじゃあ、バイバイ、つくもちゃん。このゲームに勝つのは君ではなくオレだ。君のお兄ちゃんが頑張っているようだけど、あっちの決着がつく前に、君が死に、ゲームは終わる。」
山太は引き金を引いた。
その銃声はむぅなと堕蜘斗にも聞こえたようで、二人はその銃声がなった方を向いた。
「ひな………た?」
「へぇ、この子の本名はひなたって言うのかぁ。」
「お前、なにをした。」
「なにをしたって、ぼーっとしてるから殺しただけさ。なにが悪い?このゲームはデスゲームなんだろう?」
堕蜘斗は日陽が倒れている場所にふらふらしながら近づいた。
「日陽?…嘘だろ?…なぁ。」
堕蜘斗が日陽の身体に触れたとき、堕蜘斗は言葉を失った。
それは日陽がまだ生きていて、なにかを喋っていたからだ。
まだ日陽の目が開いていたからだ。
「お兄………ちゃん。…ごめんな…さい。」
日陽は目を閉じた。
日陽の身体がだんだんと冷たくなっていった。
そのとき、放送が流れた。
『おめでとう!君達の勝ちだ。お疲れ様。…どうやら二人ほど、あまり嬉しそうじゃない人がいるようだが、まぁいいか。』
堕蜘斗は立ち上がり、山太に銃口を向けた。
「お前は、ここで殺す!」
だが、堕蜘斗はどこからか飛んできた、麻酔ばりが刺さり眠ってしまった。
『さぁ、ゲームは終了だ。次の参加を楽しみにしているよ。』
むぅなと山太も、飛んできた麻酔ばりが刺さり眠ってしまった。
こうして、このデスゲームは幕を閉じた。




