【Turn kinsei】33.
冥王はジャンプして、両脚に向かってきた銃弾を避け、そのまま空中で身体を捻り両腕に向かってきた銃弾も避けた。そして、そのまま空中で頭に飛んできた銃弾を弾いた。
冥王はむぅなが撃った銃弾を全て防いだのだ。
「ふっ、…化け物め。」
「あの程度の攻撃で当たるわけないでしょう?」
そう言い、冥王はむぅなに三発発砲した。
その冥王の攻撃に対して、むぅなは、バク宙をしながら空中で身体を捻り飛んできた銃弾を避けた。
「あなたもあなたで化け物じゃないの。」
「弾を弾けるあんたの方が化け物だと思うけど?」
むぅながそう言った瞬間、放送が流れた。
『これから通知音を鳴らすよ。』
次の瞬間、通知音が鳴った。
むぅなの通知音と冥王の通知音、そして、「一人、いや、二人か、通知音が鳴ってるってことはお前たち、俺以外の生存圏内プレイヤーの凩むぅなと星野冥王だな?」戦宮司堕蜘斗の通知音だ。
「戦宮司………堕蜘斗?」
冥王の顔がどんどんと青ざめていった。
「お前たちが生きていると他のプレイヤーの一発逆転があり得るのでな、貴様らはここで俺のポイントになってもらうぞ。」
戦宮司は、懐から銃を取り出し、二発むぅなと冥王に向かって撃った。
「………っ!!…戦宮司ぃい!!」
冥王はむぅなを蹴飛ばした。そして、冥王は二発の内、一発を弾いた。
冥王が弾いた弾は、戦宮司の右耳に当たった。
「………っ!?………なんだ?弾が当たったのか?冥王め、………はぁ、まぁいい。」
冥王は飛んできたもう一発の弾丸を弾こうとした。
だが、少し遅れてしまい、冥王の胸に弾丸がめり込んでしまった。
「冥王!」
蹴飛ばされたむぅなは立ち上がり、冥王のそばに駆け寄った。
「冥王!………なぜ、私を庇ってこんなことを、」
「はぁはぁ、あなたを倒せなかったのは残念だけど、…あの戦宮司相手に、私たちのどちらかが欠けたらだれも残らなくなる、…だから、あなたに託すわ。」
「冥王…私はあんたの妹を殺したのよ?その相手になぜ、…。」
「すべては……はぁはぁ…あの戦宮司を…倒すためのことよ。」
冥王は、だから、と言ってむぅなの腕を掴んだ。
「私に…トドメを刺しなさい、…これは命令よ。………拒否権は、無いわ。」
「冥王………わかった。」
「最後に、」
冥王はむぅなの右耳に口を近づけた。
そして、冥王は最後の言葉をむぅなに伝えた。
そして、むぅなは冥王の額に一発放った。
冥王の額から血が流れた。
死体になった冥王は、笑っていた。




