【Turn kinsei】31.
水星が気づいた時にはすでに遅かった。
「………っ!?」
水星の腹部に一発弾がめり込んでいた。
「水…星…?」
水星は地面に倒れた。
「姉…様…。」
冥王は弾丸にあたった衝撃により飛ばされた水星に駆け寄った。
「…水星?…大…丈夫?」
水星はなにも喋らなかった。
冥王は水星を揺さぶった。
だが、水星はぴくりともしなかった。
「はぁはぁ、あたったのは妹の方か。」
「貴様ぁ!よくも妹様をぉぉ!!」
「奴を殺せ!!!妹様を殺した罪は重いぞ!!」
これによって数人が持っていた銃をしまい、ナイフに持ち替え、むぅなに突っ込んできた。
怒りに任せた単純な攻撃に、むぅながあたるはずもなく、むぅなは星野チームの攻撃を軽々と避け、突っ込んできた数人の首を狙って切りつけた。
「ふぅ、数人が突っ込んでくるとは思ってなかったけど、なんとかなった。」
むぅなは倒れている星野チームにトドメを刺した。
残っている星野チームは五人程度、しかもその中に弾を跳ね返していたやつはいなかった。
きっと、さっき殺してしまったんだろう。
そんなことは関係ない、あと五人、殺せば良いのだ。
むぅなはその五人を、十秒もかからないうちに射殺した。
「ふぅ、あとは、………姉の方だけか。」
その頃、冥王はまだ動けずにいた。
「………水星。」
水星の身体はすでに冷たくなっていた。
すでに水星は死んでいた。
むぅなにこちらへの攻撃を許してしまったところから、冥王は間違えてしまっていたのだろうか。
いや、「こんなゲーム…参加しなきゃよかった。」
そのとき、すでにむぅなは冥王のいる場所の近くまで来ていた。
「はぁはぁ、…あと、…一人。」
「水星、また、冥府で会いましょう。」
冥王は立ち上がった。
(水星、すぐにこの女を殺してそっちに行くからね。…一人には…させないからね。)
冥王は覚悟を決めた。
「私にとっての、そして、あなたにとっての最後の戦いよ。」
「なに?勝つ気でいるの?」
「当たり前でしょ?あなたみたいなやつに、私は負けない。負けるわけにはいかない。」
「そう。」
むぅなと冥王は互いにその相手の額に銃口を向けた。
「さぁ、Last gameといこうじゃない。」
むぅなと冥王は銃のトリガーに指をかけた。




