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LAST CHANCE GAME.  作者: どこぞの悪鬼&Kinsei
31/41

【Turn 悪鬼】30.

 詰んでいるなら、考え方を変えなければならない。

 そのまま進めば、むぅなは負けてしまうのだから。

 この勝負、むぅなは圧倒的に不利だ。心得ている能力も人数も桁違いだったからだ。

 世の中には「数の暴力」という言葉があるが、むぅなは現在それを痛感している。

 狙った人の弾は跳ね返される。あまりよく見えないが、銃やナイフなどでなんとかやっているのだろう。

 残りは数少ない。その代わりに流れ弾で当たる人は少なくなる。

 最悪なケースは、自分の撃った弾が自分自身に当たることだ。

 ある種の自滅と言えるだろうか。生き残りたいむぅなにとって、あってはならない事柄だった。


 改めて言おう。詰んでいるなら、考え方を変えなければならない。

 変えなければ、むぅなは負ける。

 変え方を間違えても、むぅなは負ける。

 こうして改めて考えてみても、圧倒的不利な状況だ。

 弾を詰めて、また撃ってを何度も何度も繰り返す。

『現在のポイントを確認しよう。三位、星野水星君、星野冥王君、それぞれ319ポイント。二位、戦宮司堕蜘斗君、320ポイント。一位、凩むぅな君、368ポイントだ。』

 今、むぅなは一位に返り咲いている。きっと、今は亡き星野チームの参加者のおかげだろう。

「姉様、姉様もしかして間違えた?」

「そうね妹。確かに少し間違えたかもしれないわね。」

「姉様が間違えるなんて珍しい。いつもは『そんなことないわ』っておっしゃるというのに。」

「私だって間違えることはあるわ。例えば……このゲームに参加したこととか。」

「それもそうですね。」

 例えるなら、日露戦争でのイギリスとアメリカというべきだろうか。二人の様子はそんな感じだった。

 そのとき、むぅなはあることに気づいた。


 歴史では、そんな事態は起こらなかった。でも、それを起こすと決めた。


 むぅなは銃弾を放った。

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