【Turn kinsei】21.
むぅなは屋上に来ていた。
そこには、星が空いっぱいに広がっていた。
むぅなが屋上を見渡しても、誰一人として見つからなかった。
どうやらみんな部屋に隠れているようだ。
むぅなは、屋上に誰もいないことをもう一度確認して屋上の隅っこで寝た。
次の日、むぅなは急に流れた放送によって起こされた。
『おはよう、二日目だね。それじゃあ現在のポイントと順位を発表するね。三位、凩 むぅな君、305ポイント。二位、宅野 瀬九斗君、307ポイント。一位、戦宮司 堕蜘斗君318ポイント。じゃあ放送を終わりにするね。』
むぅなは驚いた。
昨日の夜まで一位だったのに三位になっていることと、残り参加者がすでに百人を切っていることに驚いた。
「いったい、昨日の夜になにが起こったの?」
むぅなはいったん朝食をとりに行った。
(やっぱりおかしい、昨日と比べて人が全くいない)
だが、そこには誰かが戦っていた痕跡があった。
血が机や壁にびっちりついていたのだ。
「ここでいったい何人殺されたんだ。」
むぅなは朝食を済ませて、建物の一階へと向かった。
だが、その道中にもむぅなが他の参加者に会うことはなかった。
「本当にどうしてしまったの?………まるで、田舎の村の人達が一夜にして全員引っ越してしまったくらいひっそりとしているじゃない。」
むぅなは一階を隅から隅々まで探したが誰一人として見つからなかった。
むぅなは二階に上がることにした。
二階に上がり探してみたが、人はいなかった。
むぅなはいったん近くにあった部屋に入って隠れることにした。
その部屋は案外狭く、四畳くらいで印刷機があったのでおそらく、いや、絶対印刷室だろう。
だが、隠れる場所なんていくらでもあった。
むぅなは悩んだ末にロッカーを選んだ。
「…えぇぇ。」
ロッカーは思ったよりも狭くむぅながギリギリ入れるくらいの狭さだった。
むぅなは入って昼までやり過ごすつもりだった。




