【Turn 悪鬼】0.
「じゃあみんなー、またいつか!! シーユーネクスト・たいむぅな!」
数少ない視聴者さんがコメントを送ってくれた。
彼女は配信を切る。
「今日もダメだったか......」
彼女、佐藤七海は今日もそんな言葉を口にする。
七海はVtuberだ。
彼女は「凩むぅな」として活動している。まあ、登録者は50人にも及んでいない底辺なのだが。
もうこの仕事をやめようかとも考えている。
しかし、彼女は高校から引きこもりなので会社員として入れる望みは薄い。
「もう、一体どうすればいいんだよ……」
大手のVtuberの面接は全落ち。もう生きることの希望も失いつつあった。
「……ん?」
そんな中見かけたのは、再生数は未だに伸びない配信の右上にある広告だった。
『Vtuberとしての人生を始めてみたけど上手くいっていない諸君、いい儲け話があるのだがいかがかね?』
授業で急に先生に当てられるほどにドキッとした。
それは七海のことを言っていたからだ。
七海はその広告を押す。
「LAST CHANCE GAME.」と書かれたサイトに繋がった。
元を調べてみたら、結構大きな会社だ。
『Vtuberと人生を始めてみたけど上手くいっていない諸君、いい儲け話があるのだがいかがかね?』
ここまでは広告の文章と同じだ。
だけど、衝撃な内容はここからだった。
『賞金は驚異の3000万円!! 配信するのはもちろんオーケー! 望みが薄いと諦めている君たちに、LAST CHANCEを与えよう!』
――3000万円。
それは、超人気Vtuberの年収ほどである。
『応募したい方はこちらから』と書かれた下には、応募フォームが載っていた。
七海は唾をのむ。
実際、Vtuberとして上手くいっていない。
それに、別の仕事場所に行くのも難しいだろう。
だったら、最後のチャンスを掴まなければ。
七海は「凩むぅな」の名前を書いて送った。
すぐに通知が来た。きっと、メールアドレスの記入欄があったからだろう。
――○○月△△日□□時に☆☆へお集まりください。
それだけが書かれていた。
だが、彼女は知らなかった。
――――報酬に見合った代償は付き物だということを。