魔王になりました
「魔王様、奴隷500人を解放して参りました」
「うむ、ご苦労」
俺の部下が仕事を終わらせて戻ってきた。え?部下なんて居たかって?部下は昨日できた。
俺は昨日、魔王になったのだから___________
昨日___
「返事を聞きにきました」
5日前に来た亜人が大量の魔物を引き連れ俺の家にやってきた。
「準備は万全ってか...」
まあ、断る事には変わりない。力ずくで返り討ちにすれば良い。そのつもりだったのだが...
「う、美しい...!」
俺は魔物の大群に居る1人の女性に目が留まった。
「その前にちょっと訊かせてくれ。あの女性は?どうして魔物の中に?」
「...彼女は魔王軍の奴隷の1人です。奴隷ですので魔物と同じ扱いです」
「奴隷?」
「ええ。奴隷商人から買ったものです。彼女の様な奴隷は魔王軍に500人程はいます」
そんなに...酷いな
「それより早く返事を聞かせてください」
そりゃあ勿論断る...つもりだった
「是非とも入れさせて貰おう」
「ほぉ、意外です。断ると思ったのですが...」
「元々そのつもりだったがな」
察しがいい奴は気づいてるだろう。俺が魔王軍に入る理由はあの奴隷の女性が欲しいから。それだけだ。
「まぁ良いです。では、魔王城に行きましょう。[テレポート]」
俺たちは一瞬で魔王城にテレポートする。
テレポート!?こいつも使えるのか?それとも魔王の仕業か。
そして...
「これが魔王か...」
ものすごい威圧と魔力だ。体から溢れ出ている。
「ようこそ、カイ・アンジョウ 魔王城へ」
「...どうも」
「我に対する態度がそれか...?まあ良い。とりあえず魔王軍に入った理由を聞こう」
「ある1人の奴隷が気になった。それだけだ」
「え...?それだけか?」
何故かは知らんが戸惑っている。
「ああ」
「そうか、なら残念だったな。魔王軍の奴隷は全て我が支配している。''魔王にでもならない限り''奴隷は貴様のものにはならんだろう」
「魔王になれば彼女は俺の女になるのか?」
「なれたらの話だ。貴様なんぞになれるわけ...!!」
俺は魔王の体を素手で突き破った。
「がっ...!な、反応出来なかった...だと!?」
「俺の勝ちだな。''元''魔王様。お前に勝った俺が魔王だ」
「な...ガハッ」
魔王が倒れた。もうじき死ぬだろう。
その時、魔人がこちらに来た。
「なっ、魔王様!?」
魔人が尻餅をついて転んで驚いている。チャンスだ。
「今すぐ全部下、全奴隷をここに連れて来い!出ないと消す!」
「ひっ、はいぃ!」
状況を察したのか、魔人が全部下をここにテレポートさせた。えっ、テレポートってみんな使えるの?
「やあやあ、諸君。俺が魔王だ。異論は認めん。反抗したらぶっ殺す。以上」
_________
と言うことが昨日あった。
そして、ついさっき全奴隷を街に解放してきた。あの女性はというと...奴隷と共に一緒に解放した。
俺が彼女に話をしに行くと怯え、とても話ができる状況にはならない。ということでまた今度で直そうと思った。
それに俺には今やることがある。
全魔物、魔人、亜人の統一という魔王ならではの仕事が...




