プロローグ
読まなくても大丈夫です。
1話からでも話に入れます。
初投稿です。
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俺は安城カイ。39歳独身、おまけに引きこもりニートだ。2年前まで実家暮らしだったがついに親に家を追い出された。今は生活保護を受けて暮らしている。
そんな俺が今ハマっているものがある。それは主人公が無双する異世界ファンタジー系の物語だ。これが俺の唯一の生きるモチベーションとなってくれる。
そして今、とんでも無いものに出会ってしまった。。。それが「恋愛+異世界ファンタジー」の物語である。彼女いない歴39年の俺にとってそれは娯楽であり、爆弾でもある。そしてとある思考が俺の脳内をよぎる。
「不慮な事故で死ねば、異世界転生ができるのでは?」
そう思い俺は早速行動に移そうと外に出る。
「うっ、外に出るのは2年ぶりだな」
そういえば、引っ越してきた時から一度も外に出ていない。外の光を浴びるのにも結構な体力を消耗する。
だが、異世界転生ができる(かも)と考えれば多少我慢できないことも無い。早速俺は近くの交差点にやってきた。
普通の人間ならばここでわざと死ぬ勇気はないだろう。しかしカイは違った。彼は異世界転生に命をかけている。自分のやりたいことをやって死ねるなら本望であろう。そしてカイは迷いなく赤信号の交差点に飛び込む。-----
『ドン』と音が鳴った。周りからは悲鳴や助けを呼ぶ声が聞こえる中、1人の男は息を引き取った。幸いにもカイは一瞬で逝くことができた。
だが、本題はここから。カイは異世界転生に成功したのだろうか。
普通に考えれば異世界転生などできるはずがない。 だが残念。
これはフィクションである。異世界転生ができないと物語は始まらない。
そしてこの瞬間、安城カイの第2の人生が始まろうとしていた。