第一話 第二の人生を始めたいと思います
初投稿です!
よろしくお願いします!
「あれ…ここどこだろう?」
目を開け、辺りを見渡すと、見慣れない景色で、天国のような真っ白な場所だった。
私は起き上がり、なにか覚えていないかなと必死に考えてみる──が、なにも思い出せなかった。
「私、なにしてたんだっけ…」
突然の状況で理解不可能だった。
「ま〜、とりあえず歩いてみますか!」
とにかくじっとするより、前に進もう!と前向きになり、先へ行ってみる。
途端、前から一本の眩しい光が目を襲う。
「ちょ…! 眩しすぎ‼︎」
彼女が目にしたのは、長身で艶やかな髪、大人びた容姿をしている。
まるで女神のようだった。
「はじめまして、私は貴方方のような人達を、異世界へ送ることを行っております。シャルマリアと申します。簡単に言えば、女神みたいなものです」
「あ〜、えっと…はじめまして? いきなりで申し訳ないんだけど、私なんでここにいるんですか⁇」
暫く、沈黙が続いた。もしかして聞いちゃいけないこと聞いちゃった⁇
数秒、間が空き、シャルマリアが口を開いた。
「本当にごめんなさい!」
え? 私、今謝られた? 気のせい?
そう思い、シャリマリアの目を見つめた。
「いや、めっちゃ申し訳なさそうにこっち見つめてる!」
思わず口に出してしまった。涙目になりながらも、一生懸命の誠意を込めて、何度も頭を下げてくる。
逆にこっちが申し訳ないなと、思ってしまうほどの美しさに見惚れてしまう。
じゃなくて‼︎
「詳しく聞いてもいいですか…?」
彼女は包み隠さず、全てを私に話してくれた。
前世の私は、普通の学生として、とある魔法学校に通っていたらしい。
それはと言うもの、とにかく真面目で、常に好成績を収め、周りからも印象が良く、優等生として認められていた。
で、今、現状いるここのシャルマリアさん達からも好印象だったらしい。
そして私は、とある日を境に、大会?みたいなものに参加したらしい。その時私は、相手を圧倒するほどの実力を持っていて、シャルマリアさんが言うには、五秒ほどで決着が着いたのだそう。ここまでは普通なんだけど…。
その試合を見ていたシャルマリアさんは盛り上がりすぎて、近くにある、私とその世界を繋ぐものを勢いあまり、壊してしまったらしい。
「いや、なんでそうなるの⁉︎」
「でも…わざとじゃないんです。感情が昂って、ついその場でジャンプしたら、まさかのまさかで…」
どうやら、深掘りしていくと、私だけでなく、ジャンプした勢いで、複数の繋ぐものが切断されたらしい。
どんな馬鹿力なのよ…。
「わかった。百歩譲ってこの話は飲み込みます」
途端、シャルマリアさんの表情が今までで、一番の笑顔を見せた。
「いや、納得はいってないですけどね⁉︎」
思わず、ツッコんでしまった。
「ひとまず‼︎ 切断されたことはわかりました。ただ、何故、前世の私に戻らず、ここにいるんですか?」
今回、こうなった原因はシャルマリアさんの原因なのだから、もう一度、繋げ直せば良いだけの話なんじゃないかと思う。
「そ、それがですね、その〜何と言いますか…」
何とも、言いづらそうな雰囲気を漂わせている。
「完全に消えちゃいました……」
また、暫く沈黙が続く。
「はぁぁぁぁぁぁ⁉︎」
どこまでダメ女神なんだこの人!と思っても仕方がない。
この人は、本当に、大丈夫なんだろうか。心配より、圧倒的不安が勝つ。
「本当に申し訳ございません! この通りです!」
女神でありながら、ペコペコ土下座をするなんて、考えられないけど、現状目の前にいるのがそれだ。
「なので、今回は申し訳ないのですが、前世の名前、容姿、その他諸々、全て新しくなりますが、人生をまた一から始めていただくということになります…」
まぁ、そうなりますよね。戻れない以上、再び新たな人生始めるしかないよね…。
そして、ずっと頭を下げていたばっかりの女神も、表情が変わり、口を開く。
「今回、このような事態を招いたのは、全て私の責任にあります。なので、お詫びといってはなんですが、転生後のご自身の容姿、また、ご希望に沿った内容で始めていただくことができます!」
容姿を決められるのも当然嬉しいんだけど、ご希望に沿った内容っていうのはどういうことなんだろう?
「希望って例えばどんなのがあるの?」
あまり、これといったものが思いつかないので、試しに何があるのか聞いてみることにした。
「貴族になりたいとか、平和に暮らしたいとか、他にも勇者、逆に言えば、魔王として生まれ変わるなどといったものを決めていただく形になります!」
「ん〜、なりたいものか〜。前世の私は確か強かったんだよね」
「そうですね! 正に最強という言葉がお似合いでしたよ‼︎」
逆に、前世とは真逆に、平凡な日常を暮らすのもありだな〜。と暫く考える。
なんでもいいと言われると、余計に色々なことを考えてしまう。
「あ! まず第一として赤ん坊からやり直すのは面倒臭いから、年齢は大体今くらいにして欲しいかな」
どこかの親の子として生まれ変わるのも良いが、少々面倒くさいこともあるかと、それに関しては断固拒否。
「わかりました!」
暫く考えた結果、特にこれと言った希望が思いつかなかったので、前世の私より強くして欲しい。と適当に伝えておいた。弱いと何かと不便だと思うけど、強くて損はしないと思うし。
まぁ前世の私が、具体的に強かったのかは知らないけど、話を聞くに十分強そうなので、少し強くなってくれるくらいでいいかな。
「あ、あと最後に、出来ればで良いんだけど、異世界へ行った後も、こっちと連絡取り合ったり出来ないかな?」
一人だと何かと心細いので、こういうことに詳しい人と話し合えたりするのは、こちら側としても今後助かる。
「了解です! あとは、容姿ですが、どうなされますか⁇」
特に容姿にこだわりはないけど、変なのに絡まれても後々厄介だし、伝えておこうかな。
「白髪に、なんかこう、近寄りがたいと言うか、圧が強めみたいな感じでお願いできるかな」
「良ければ、自由に変更できるようにしておきましょうか?」
自由に変更とかしたら、誰にも覚えてもらえなさそうだけど…まぁ変更できて損はないか。
「じゃあ、それでお願い!」
「これで一通り完了ですね! この度はこのような事態になってしまい、本当にすみません…」
シャルマリアが再び頭を下げる。
「もう気にしてないですよ、というか、ちょっと新しい人生が楽しみになってきましたよ」
前世を、訳の分からないことで幕を閉じたのは、納得いかないけど、それより、今はまた、一から始められるという楽しみの方が大きいし。
「てか、次はもう、変なことしないでくださいね?」
「以後気をつけます…‼︎ 貴方がお優しい方で良かったです…」
私ってそんなに優しいのかな。
フフッと笑いが溢れる。
「あ! 初めて笑ってくれましたね‼︎」
「最後に名前ですが、どうしましょうか」
と、言われても、これと言った良い名前が思いつかないんだよね。
「前世と同じ名前で、っていうのは可能なの?」
「はい! 可能ですよ! では《ユウナ・アイビシャネール》という名前で登録させていただきますね!」
ユウナ…良い名前ね。
「では、改めまして、第二の人生、楽しんでくださいね‼︎」
少々、不安もあるが、シャルマリアさんとの会話のおかげで紛らわせることができた…かな!
「はい! お言葉に甘えて、楽しませていただきます‼︎」
「移動後、そちらへ呼びかけますので聞こえたら、お返事お願いしますね!」
辺りが、真っ白に輝き、何も見えなくなり、体が少し軽く感じた。
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