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不自然な日本語

「無視して逃げるというのも考えたんだが、何らかの罰則で逃げられないようにされている可能性が高い」


「じゃ、どっちにしろ殺されるってこと?」


「そこは俺がどうにかする」


 守護天使様は、防衛に関しては無敵だ。たとえなんらかの罰則で殺されそうになっても、守ってくれる。


 何を隠そう、この守護天使様は前回のデスゲームの優勝賞品なのだ。だからこれだけの力を手に入れている。前回も俺は、誰も殺さず生き抜いた。


 今回も、同じことができると確信している。


 俺はスマホアプリを操作し、メニューを表示させる。


 だが、機能が少なすぎる。他の参加者の位置が分かる地図と、残り時間を表示したタイマーしかない。


 いや、残り時間?


 これは、最後の一人になるまで殺し合うタイプのデスゲームではないのか?


 残り時間には、167時間35分と示されている。つまり約一週間逃げ切れば、こちらの勝ちだ。


「この戦い、勝ったな」


 俺は聞こえないように呟く。


 最悪、京を見殺しにする羽目になるかと思ったが、大丈夫だ。その必要はない。


 制限時間まで逃げ切り、大金を手にしてやろうじゃないか。


「見ろ、京。他の参加者の位置情報だ。やっぱりここ東京に密集している。早く東京を出た方がいい」


「う、うん。なんか春海、落ち着いてるね。こういうの、慣れてるの?」


「いや、こんな異常事態に慣れてる人間なんてそういないだろ」


 俺は適当にはぐらかす。


「春海、殺人犯を許しちゃうぐらいだから、自分の命とかにこだわりが無いのかと思ってた。だけど、こういう時はちゃんと生き残れるように動けるんだね」


 京は感心したようにそんなことを言ってくる。


 俺の心配ができるあたり、意外とメンタルは大丈夫そうだ。


「そりゃあな。俺だってやるときはやる」


 守護天使様がいるから並みの殺人犯程度相手にならないとは、さすがに言えない。


 京の手を引き、郊外に走り出そうとしたとき、突然呼び止められた。


「止まれ! 止まらないと撃つ!」


 振り返ると、拳銃を構えた警官の姿があった。


 まさか、俺たちのことを狙っている?


 だがなにかおかしい。不自然なイントネーションの日本語だ。警官って、日本語下手な外国人でもなれるんだっけ?


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