三
三
そのタイトルを目にした瞬間私の中を駆け巡った感覚に、なんと名前をつけよう。
ある種の私を突き動かそうとする衝動といってもいいかもしれない。
私は、なにかを、思い出そうとしたのだろうか。
具体的になにかを思い出したというわけではなかった。
我に返って手元を見れば、依然として見覚えのない文庫本。
中身を開いてみても、私がこれを書いたと言われても、ちっともピンと来ない。
ただ、白紙に黒いインクで精査された文字が綺麗に並んでいる様子は綺麗だと思った。
「小説家だったの?」
心配そうな顔で、けれどいつも通りの笑みは絶やさずこちらを見つめている母にそう聞いた。
見知らぬ彼女に砕けた口調を使うのはまだ慣れないけど、かしこまった敬語を使ってもきっと、彼女を傷つけてしまうというのはわかっていた。
「そう。中学校三年生のときに出版社の新人賞とって、何冊か本出させてもらってたの」
ということは、二年ほどか。
今の私は高校二年生だというし、常識的な部分はわからないが、高校生で作家、中学生でデビューというのは珍しいのではないだろうか。
すごいぞ私。
……どうしてもやはり、記憶をなくす前までの自分を「自分」だと思うことは、難しかった。
「他の本も、持ってくる?」
小説か。
まだ検査だなんだで入院は続きそうだし、暇つぶしにはいいかもしれない。
どうせ自分が書いたなん実感はついてこない。
他の作家の小説を読むのと大して変わらない。
「んー」
だけど、どこか、抵抗があった。
なんだろう、と平べったい胸に聞いてみても答えは返ってこない。
「とりあえずは、これでいいや」
そう返答すると、それ以上言及するでもなく母は頷いた。
戯れにぱらぱらと、頁をめくってみる。
記憶のない私にとって、これは初めて読む本だ。純粋な本に対する興味よりも、やっぱり、昔の私はどうだっただろう。
記憶をなくす前の私だったら、どんな風にしてどんな想いを抱きながらこの本を読んだだろう──と、思ってしまう。
あなたは誰? 君は、どんな風に時間を過ごしてどんな人とどんな話をしていたの──?
そんな折だった。
情報過多な世の中に翻弄されていた私の元を、彼女が訪れてくれた。
ある日、病室の扉をノックして彼女は訪れた。
「はぁい」と返事をすると、横開きの扉が開かれる。
そのとき私は、自分の──さくらの本を読んでいた。
顔を上げる。
文庫本を広げるだけの動作に苦戦している私を見て、目を潤ませて少女が、立ち尽くしていた。
快活そうな可愛い子だなぁ、なんて思っているとわぷっ、抱きつかれた。
少女の骨ばった肩に顎を打たれ、肺から空気が押し出される。
一息で扉からベッドまでの距離を詰めて、少女は私に抱きついた。
「あ、あの」
困惑する。
動揺とか、焦燥とかいう感情が私の中を満たす。
あとちょっと、いいにおいがする。
「ごめん。しばらく、このままでいさせて」
口を開きかけた私を制して、女の子にしては低い声で彼女は言った。
とくん、とくんという胸元の鼓動がはっきりと伝わってきて、じんわりとあたたかかった。
「記憶のことは、聞いてる。でもごめん。三十秒だけ、このままでいさせて」
そう言われては、拒むものも拒まない。
それにどうしてか私は、あたたかな彼女を、どこかかいだことのあるようなないようなにおいをさせる彼女を、拒む気にはなれなかった。
思い出と呼べる記憶の大部分を失っている私だから、もちろん彼女のことは知らない。正直、はじめましてだった。
だけどおそらく、彼女は私の大切な人だった。
その様子を見ていればわかる。
私もかつて、彼女を大切に思っていた。
そして彼女の方も、きっとそうだった。
また、失った記憶が私の心を痛めた。
「ごめんね、突然」
本当に三十秒ほどで少女は私を解放してくれた。解放といっても、そこまで拘束が強かったわけではない。
私の右腕が欠損していることを憂慮しているのだと十秒ほどして気づいた。
三十秒きっかりなところといい、律儀な女の子なのだと、それが少女に対する私の第一印象だった。
正確にはもちろん、第一印象でもなんでもないのだろうけれど。
「はじめまして、安斎青空です。記憶をなくす前の『さくら』とは、親友、っていっていいのかな。まぁ、親友なんてわざわざ名乗って明確にするものでもないと思うんだけど、あたしは、親友だったって思ってるよっ、今もね!」
真剣な顔をしたり、はにかんで見せたり、無理に明るく振る舞っているという風はなかった。
改めてベッドの脇の椅子に座り私と視線を合わせてくれた親友は、切れ長な一重を寸分も逸らすことなく私を見つめている。
「ごめんなさい──あ、ごめん。私、あなたのことも、よく覚えてなくて」
言い方を軽くしてはみたが、ほとんど全く覚えていないというのが事実だ。
とても言いにくいことではあったが、初めにはっきりさせておいた方がいいと思って正直に言っておいた。
うかがうように少女──青空の顔を見る。
「あぁ、うん。そうみたいだね。気にしなくていいよ。これから思い出していけばいいし、思い出せなくても、また一から、あたしと友だちになってくれたらうれしい。あたしは、今のさくらがどんな人でも、また、友だちになりたいと思ってるから」
数瞬遅れて、じんわりと、胸懐を満たすものがあった。
感涙、とでもいうのだろうか。
目元が潤んだ気がして、慌てて瞬きをする。多分、誤魔化せていない。
あっけらかんとしていて、でも取り繕われた様子はなくて、これがきっと、安斎青空という人間だ。
そしてそれに対して──彼女の容赦ないほどの優しさに対して、心満たされて、嬉しい、と感じている自分がいた。
自分だけど、私ではない。
今の私を飛び越えた──超越した──秋光さくらが、青空の言葉に喜んでいた。
胸のあたたかさの正体は彼女だと、理解した。
「ありがと」
「うん。あ、あと、ため口しんどかったら敬語でもいいよ? 初対面相手にいきなりは、ねぇ? あたしも、敬語にしよっか?」
青空は、よく喋る人だった。でも──後々わかることではあるけど──そうではなかった。
多分このときは、青空も緊張していた。
私に会うことを躊躇って、でも、会ったらそれまでの蟠りは全部、どうでもよくなってしまって。
そういった感覚的な部分をさくらはよく理解していた。──私の、代わりに。
「いや。あなた、きみ……青空は、そのままでいいですよ。私も、だんだん頑張ってみるから、さ」
たどたどしくなってしまったけれど、それすらも彼女はゆるしてくれるとさくらが理解している。
だから私も、胸の奥にいるあなたを信じてみようと思えた。
「うん。そうしよう。なにか、困ったことがあったら言ってね?」
くしゃっと破顔して、青空が笑う。
あ、かわいいな、と、思ったのは私の方。
さくらもそう思うことはあったのだろうけれど、今は、今のこの気持ちは、私のもの。
そう、信じたいと思えた。
「あ、呼び方は、なんでもいいよ。『さくら』はあたしのこと『あお』、とか、『ぞら』って、略して呼んでたかな」
青空の楽しそうな表情をどうしても疑う気にはなれない。
紛うことなく青空は、私との対話を楽しんでくれている。
私もどこか、落ち着くな、と、思っていた。
「なるほど……あおはまだしも、ぞらって、変わってないですか?」
鏡がないから、うまく笑えているかはわからなかった。
でも、私なりに、空っぽな私にできる範囲で、笑ってみた。
青空も、満面の笑みで返してくれた。
「人の顔とか名前覚えるの苦手だったから、略したり、あだ名付けたりするの好きだったよ、『さくら』。そうすると、覚えられるんだって」
「……」
一体どんな人間だったのだ、私は。過去の自分の人間性というものが気になってくる。
「あたしにも、中学のときとか、あだ名つけてくれてた」と、自分を指差しながらさも嬉しそうに青空が言う。「なんかのアニメに影響されてね、『おじょー』って、一時期呼んでた」
「おじょー?」
なんとも、我ながら首を傾げざるを得ない呼び名だ。
「昔は髪も長くて、結ってたから。どこぞのお嬢さまにでも見えたんじゃない? なんかこう、和風な屋敷に住んでそうな」
ショートカットを揺らしながら言う青空の例えを、私は理解できなかった。
きっと、経験──思い出による連想が多分に伴う感覚的な話だったのだろう。
記憶を失った私は、それを、理解できない。
眉根にしわがよっていることに、数瞬して気づいた。
青空もまた、表情を曇らせてこちらを見ている。
前髪の隙間から覗く眉が、ハの字に曲がっている。
慌てて、話題の方向転換に務めた。
……こういう、他者の顔色を伺い自分の言動の是非を問うやり方は、記憶をなくしているが故のものだった。
過去のさくらのものではない。今の、私の性質だ。
「顔も? 人の顔もあんまり覚えられなかったんですか? 私」
気を取り直して尋ねた私の心情を、青空は汲んでくれただろうか。
また笑顔が貼り付け直されて、言葉が紡がれる。
「覚えられないっていうよりは、覚えない? 覚える気が、なかったのかな。全体的に周りに興味なかったよ、『さくら』。学校とかでは結構頑張ってたんだろうけど、あたしとか驟とかの前だと、興味ないの、隠さなかった」
興味がない──自分がそんな人間だったことについてなにを思えばいいのかはわからなかったが、どうしてか、小説家だったという事実とともに鑑みると、しっくりくる気がした。
さくらという人間の人物像が、ほんの輪郭の手触り程度だったけれど、つかめた気がした。
「シュウ?」
当たり前だけど聞き慣れない名前。
だけどどうしてだろう。
青空の口にしたその感触が親しい人間に対するそれだったから、彼女の家族なんだろうなと私は悟った。
さくらが培った勘が、私のものとなってそれを教えてくれた。
「あたしの兄さん、いっこ上のね。もう一人年の離れた兄さんがいるんだけど、そっちの方はもう社会人で、あんまり、『さくら』とも会ったことなかったかな。驟は年子だから高校も一緒で、三人でよく遊んでたよ」
驟さん──その人と会えばまた、なにか思い出せるだろうか。
サイドテーブルに置いた本を見るともなく視界の端に収めながら、そんな希望を抱いた。
あの本を見たとき、そのタイトルを頭が理解したとき、私の中になにかが芽生えたのは間違いない。
記憶──なのだろうか。
雨のにおい、自分のものではない他者の体温──それに、全身を包まれる。記憶喪失の私にとってははじめてのその感覚を、どうしたって不快には思えない。
日向でする昼寝とそれに伴う夢くらいに心地よくて、拒むことができない。
あれは、さくらの恋人の記憶だろうか。
胸を満たすぬくもりとともに、そうであることが確固たる事実であると私の勘が告げていた。
さくらの培った勘が、告げていた。
「本、読んでるんだね」
私の視線を追って本に目を落とした青空が口にした。
うん、と首肯しながら、ふと気になって問う。
気になった私のその感慨は、さくらのものだろうか、私のものだろうか。
「あなた──青空は、読んだことあるの?」
さくらなら、身内から自分の本の感想を欲しがらない。
根拠もなく、そう思った。特にこうして面と向かって意見を言ってもらうのは、物書きにとって居心地の悪いことなのではないだろうか。少なくともさくらなら、そう思う。
「えっ、うん。読んだことは、あるけど。さくらの本は、全部」
私の予想は間違っていなかったらしい。
こちらの問いに目を丸くして、青空が頓狂な顔を作る。
目が切れ長だから凛々しい表情が似合いそうだけど、隙のある顔もまた、悪くないじゃないか。
「どうでした? 感想、聞いてみたいな」
私に──さくらに小説の感想を聞かれたことも驚きだったのだろう。
先まで流暢に喋っていた青空が、言い淀んだ。
なにを言っていいのかわからなくて、言葉を選んでいる様子だった。
「あたしは、大好きだった。何度読んでも、胸があったかくなる。なんだろ……すごい大きな世界観の話をしてるのに、個人のミクロな感情を描いてて、その対比が、すっごい、いい」
自分で読み終える前に他人の感想を聞いたのは間違いだったろうか。
先入観なく自分の感覚を頼りにした方が、記憶を呼び覚ますこともできただろうか。
反対に、さくらのことを知っている誰かの意見を聞いた後の方が、それに付随する思い出を遡れるだろうか。
少なくとも私は、青空の意見を聞いて悪い気はしていなかったと思う。
私も、さくらも、素直な青空の反応に喜色を見つけることができた。
心の片隅で身を隠そうとしていたけど、私は見逃さなかった。──さくらは見栄っ張りで、率直な情感を表現するのは苦手だったみたいだ。
私に関して言わせてもらえば、いささか複雑だった、だってどうしても、この物語を紡いだのは私ではないから。
私のこの体が紡いだのだとしても、今やその右腕もなく、記憶だって眠っているのか消えているのかわからない。
過去の自分が書いた本の出来がいいことを、喜べばいいのだろうか。
それとも、悲しめばいいのだろうか。
私は、今の自分の感情の所在すらも見つけ出せずに迷っていた。
携帯を貰った。
正確には、事故に遭う数年前から私が使っていたものを返してもらった形になる。
平べったいつるりとした四角形を、とりあえず振ってみた。
特になにも出てこなかった。
使い方が難しいというか、わからないというか、あるのだろうか、使い方。
四角いだけで目立った操作盤などはないが。
それになんか、変なストラップがついている。
つぶつぶしたキリン模様の細長い生きもの。
ひらひらとデフォルメされた手足がついている。
動物に関する知識は記録に分類されるようで私の中にも残っていたが、携帯カバーに付けられたその動物がなんの生きものなのかは、わからなかった。
なんとか苦戦しつつも変な生きものを無視しながら携帯を起動する。
さくらはあまり携帯などに頓着のない方だったらしく、特にパスワードやロックの類はかかっていなかった。
現代っ子にしては珍しいそうだが、そのおかげでこの端末が誰も使えない木偶の棒にならずに済んでいる。
端末を起動すれば、私の指はそれの操作を理解していた。
諸アプリの起動方法、使い方。
だけど、どれを使ったことがあってどんな使い方をしていたのか、わからない。
気味の悪い感覚だ。
あと、ブルーライトというやつが眩しい。
目を細めて、ちかちかする画面と睨めっこしていた。
「あら、携帯? 個室だから別に使ってもいいけど、電話とかは外でかけてね」
「ん、はい。了解です」
今日も今日とて暇つぶしに訪れたホズミさんが、右腕の消毒を終えて駄弁っていた。
私としても大分消毒の痛みにも慣れてきて、ホズミさんとの雑談もルーティンになっていた。
「これ、いつも私がこれでなにしてたかとかって、わかるんですか?」
多分私よりもホズミさんの方が、こういった物の使い方に詳しいのではと思い至った。
予想通りホズミさんは、私が携帯を手渡すと慣れた様子で操作して、しかし数秒後に、顔を歪めて怪訝そうにして見せた。
「わかると思うけど……あんたこれ、ほんとに仮にも女子高生のスマホよね? ぜんっぜん、アプリとか入ってないんだけど」
と、言われても、そこらへんは私にはわからない感覚的な部分の話だ。
懐疑に頭の中を満たしていると、ホズミさんは顔をしかめながらもスマホの操作を続けた。
「今、褒められました? けなされました?」
「褒めてはない」
と、言われることは、ホズミさんのしかめっ面からなんとなく予測できていた。
「ま、スマホ依存とか言われる現代でこういうのに執着しないことはいいことなのかもしれないけど。……ほら、この画面でいつもスマホでなにしてたか、わかるよ」
多分これは、呆れている、という状態だ。
ホズミさんが画面内のある部分を示しながら、携帯を返してくれる。
「あんた、一日五時間もメモ帳でなにしてたの?」
「……さぁ?」
それはこっちが聞きたい。
私がなにをして、どんなことを考えながら生きてきたかなんて、私が一番知らない。
確かに一日に携帯を使っている時間の大部分がメモ帳を開いている時間であり、というか、それ以外の用途でさくらは携帯を使っていなかった。
一応電話やショートメールサービスにも数分時間が割かれていたので、そちらも確認してみる。
ほとんどが、先日見舞いに来てくれた青空とのやりとりだった。
ログが残っていたので会話などを見てみれば、どうやら二人は、しょっちゅう余暇をともに過ごしていたようだ。
放課後や、たまの休日。
次はどこに行こう、今どこにいる、もうすぐ着くよ、なんていうやりとりが、幾多にも及んで繰り広げられている。
それだけで、二人の仲がとてもよかったことがわかる。
「……」
私の気分はといえば、人のプライベートを覗いているようで気分が悪かったし、仲のいい二人を引き裂いたのは自分なのだと思わざるを得なくて、複雑な心持ちであった。
青空と睦まじく交遊していた昔の私は間違いなく今の私と地続きなのに、しかしそれは、どうしようもなくさくらであり私じゃない。
青空と、さくら。
本当なら今もともに過ごしていたはずの二人。
私がいなければ──でも、私も、間違いなくさくらで、私こそが、さくらで──。
混乱しかけた頭を振って、画面を切り替えた。
気を取り直して今度は、通話履歴を確かめてみる。
こちらも青空と通話した記録がたくさん残っていたが、中には、驟と名前が登録されている番号もあった。
驟とは確か、青空の兄の名前だ。
青空も、よく三人で遊んでいたと言っていたから、その関係だろう。
それ以外は、特別に友人の名前も、家族とのやりとりも残されていない。
平均的なものがどの程度なのかはわからないが、これは、交友関係が狭い方なのだろうか。
特段自分では多いとも少ないとも思えなかったのだが、ホズミさん曰く。
「少ないね」
らしい。
電話帳の数えるほどの番号を見て、きっぱりと口にした。
「っていうか、他にSNSとかもやってなかったんでしょ? 今どきの高校生でそれは異常だよ。ちょっと心配になるくらい」
心配されてしまった。
遠慮のないホズミさんは、ひょいと私の手から携帯を取り上げて、すいすいと操作する。
「ゲームのアプリとかも入ってないし、大丈夫? あなた」
「わかりません。大丈夫じゃなかったのかな」
とりあえず、今現在は大丈夫だ。
傷の具合も比較的良好だし、右腕がないだけで、私は結構、大丈夫だ。
「まぁよくわかんないけど、この前お見舞い来てくれた子とか? 友だち、少ないなら少ないなりに、大事にしなよー」
狭く深く、ということか。
どこで聞いたのかもわからないフレーズを思い出して、なんとなく納得した。
ホズミさんは言うだけ言って、病室を出て行った。
そこまで心配される人物だったのか、私は。
ホズミさんに突っ返された端末を操作しながら、もう少し深く、昔の私を追い求める。
なんの気なしに、テキストデータの保存されているメモ帳を、開いてみた。
その、瞬間──。
私を、衝撃が駆け抜ける。