97 騎士団長の息子は副団長になる
副団長に就任。昨夜はお楽しみでした(^^)
「エクスよく似合ってますよ」
そう微笑んでくれるアリス。本日は俺の副団長の任命式の日だ。残念ながらアリスは昨夜の反動で家で休みとなった。昨夜の激しい交わりで疲れているだろうに俺のためにわざわざ起きてくれたことに感謝しながら俺は言った。
「すぐに帰るから待ってて」
「はい。本当なら私もエクスの晴れ姿を見たいですが・・・」
「無理はしなくていいよ。昨夜は色々無茶をしたからね」
「・・・エクスが凄く私を求めてくれて嬉しかったです」
頬を赤く染めながらそう言うので可愛すぎて思わず優しく抱き寄せてから言った。
「痛かっただろうによく頑張ってくれたよ。ありがとうアリス」
「エクスが優しかったからそんなには痛くなかったです。むしろ・・・いえ、なんでもないです」
恥ずかしそうに視線を反らすアリス。むしろ逆だと言うならこれ以上嬉しいことはない。今でも昨夜のことは鮮明に思い出せる。涙を浮かべつつ俺を嬉しそうに受け入れてくれたアリスの姿。それはそれは熱い夜だった。あんなに情熱的な初夜は他にはないかもしれない。エクスさんはあっちでも規格外なので少しだけ不安だったが、それでも健気に受け入れてくれたアリスは聖母だと思う。
「アリス、やっぱり俺はアリスのことが大好きだ」
「・・・はい。私もです」
「だから・・・これからはもっとアリスのことを愛するけどいいよね?」
「はい・・・私もエクスからもっと愛して欲しいです」
そう笑ってからついばむようにキスをする。
「んぅ・・・えへへ、エクスとのキス好きです・・・」
「ああ。俺もだよ」
そうして何度もキスをしてから俺は名残惜しくも会場へと向かうのだった。
会場につくと多くの貴族が集まっており、少しだけげんなりしつつも早く終わらせるために俺は最善を尽くすことにする。
「やあ、エクス」
「リンスか昨日はありがとうな」
そして、最初に出会ったのはやはりというかリンスだった。忙しいだろうにわざわざこんな式に出るとはね。
「構わないよ。昨夜はお楽しみだったのかな?」
「ああ。まあな」
「その様子だと跡継ぎが産まれるのも時間の問題だろうね」
「というか、たかが副団長の任命式にわざわざこんな大勢を集めたのはお前か?」
「君が結婚式を慎ましくやったからね。君とのコネクションを持ちたい貴族としてはこれしかなかったんだろうね」
なるほど、盲点だった。まあ別にいいけど。
「とりあえずサクッと終わらせないとな」
「君らしいね。頑張ってね」
「ああ」
そう言いながら準備をする前に俺はリンスに言った。
「なあ、リンス」
「なんだい?」
「・・・いや、これからも頼んだ親友」
「・・・うん、もちろんだよ親友」
そうして任命式は始まった。国王陛下がわざわざ出向いてから前口上を述べてから俺と父上が壇上に上がる。そして父上は今まで見たことがないくらいに凛々しい表情を浮かべながら言った。
「エクス・ロスト。貴殿を我が騎士団の副団長に任命する」
「拝命いたしました」
「これからはこの国のためにその力を奮うといい」
「エクス・ロスト。お前から皆に挨拶をせよ」
そんな国王陛下の言葉にため息をつきたくなりつつも俺はいい機会なので言うことにした。
「本日は私のためにお集まりいただきありがとうございます。これより副団長になるにあたり私からいくつか言っておくことがあります」
俺は少しだけ間をあけてから堂々と言った。
「まず始めに私は副団長になってからも自分の守るもののために戦います。敵対するなら容赦はしません。そして私の大切なものに少しでも触れる者がいるならその者を決して許しません。それから・・・父上、いえ、騎士団長」
「何か?」
「ロスト子爵家の長の座と騎士団長の座はまとめていただきますので覚悟していてください」
「・・・ああ。楽しみにしている」
そうして微笑む父上を見てから俺は次にリンス視線を向けると言った。
「リンス殿下。次はあなたの番です」
「わかっているよ」
そう言ってからリンスは凛とした声で言った。
「エクス・ロスト。私が友にして私の剣よ。その力をどうか私に貸してくれ」
「仰せのままに」
こうした派手目な演出をすることで色々と動きやすくなる。もちろん俺はアリスのためにしか動かない。リンスももちろんそれを承知でいてくれるから都合がいいのだ。そうして俺はこの日から騎士団に入団。同時に副団長の地位を獲得したのだった。昨日、アリスとの関係が婚約者から夫婦に変わったように、俺は騎士団長の息子から副団長へと形をかえる。とはいえそれも一時的なものでしかないだろう。リンスが王位を継ぐまでにはおそらく俺は父上からロスト子爵家の長と騎士団長の座を譲られることになるのだろう。
まあ、どんなことになろうと俺はアリスとイチャイチャしながら過ごしてみせる。それだけは固く誓うのだった。何があろうが、どんな障害があっても必ずアリスの元に帰って間をみせる。そして願わくばアリスとの間に出来た子供も守ってみせる。そう誓いながら俺はこの日から副団長になるのだった。
これにて第1部完結です!
次から第2部・・・副団長編スタートです(^^)
中途半端ですみませんが、良ければ読んでくださいm(__)m




