95 騎士団長の息子は祝福される
ハッピーウェディング
ウェディングドレス姿のアリスと入場すると、本日呼んだメンバーが拍手で出迎えてくれる。リンスは微笑ましそうに、王女様は嬉しそうに、父上は若干涙ぐんで、母上はそんな父上に呆れつつも喜ばしそうに、ミスティ公爵は不機嫌そうだがそこまででもないように、お義母様はいつもの微笑みを、ガリバーを含めた俺の部下も来ていた。そして、孤児院の子供達は花嫁のアリスを眩しそうに見ており、シスターもそれを笑ってみていた。
「新郎、エクス・ロスト。健やかなる時も病める時も生涯アリス・ミスティを妻として愛して一生を添い遂げると誓えますか?」
「誓います」
神父さんからのその問いに迷わずに答える。俺のあまりの即答に神父さんは少しだけ苦笑してからアリスに問いた。
「新婦、アリス・ミスティ。健やかなる時も病める時も生涯エクス・ロストを夫として愛して一生を添い遂げると誓えますか?」
「はい・・・誓います」
アリスの真剣な言葉に神父さんは頷いてから俺が用意していた指輪を二つ持ってくると言った。
「では、指輪の交換を」
「はい・・・えっ、これは・・・」
指輪を見てからアリスは驚きのあまり声を出してしまう。まあ、普段見ているダイヤモンドの何倍もの輝きならそうなるわな。俺はそれに少しだけ笑ってからアリスの手を触ると言った。
「少しだけ頑張ってみたんだよ。せっかくの結婚指輪だしね」
「エクス・・・ありがとうございます」
「さて、じゃあ、まずはアリスに指輪をつけたいけど・・・覚悟はいいかな?これで俺とアリスは本当の意味で夫婦になる。後悔はない?」
少しだけ意地悪な質問にアリスは今まで左手の薬指につけていた婚約指輪ともいうべきものを本日は右手につけていたのだが、それを触ってから微笑んで言った。
「エクスと一緒ならどこまでもいきます。私は・・・あなたのことが大好きですから」
その言葉に俺は思わず微笑んでからアリスの左手の薬指に結婚指輪をはめる。その後すぐにアリスも俺に指輪をはめたことで、俺達の指輪の交換は終わった。
「では、最後に誓いのキスを」
そして、その言葉で俺とアリスは互いに見つめあってからーーー誓いのキスを交わすのだった。
「おめでとう、エクス、ミスティ嬢・・・いや、もうロスト子爵夫人かな?」
「アリスさん、騎士様。おめでとうございます」
一通りの儀礼が終わってから宴が始まってすぐにリンスと王女様が真っ先に近づいてきた。
「ありがとう、これでやっと夫婦になれたさ」
「今までそうじゃなかったんだから驚きだよね。君たちが夫婦になったら今より凄くラブラブになりそうで何よりだよ」
「あ、ありがとうございますリンス殿下。それにシンシアさんも」
王女様はアリスに近づくと手を握ってから言った。
「アリスさんとってもよくお似合いです。このウェディングドレスは騎士様が用意したのですか?」
「ええ、そうですよ」
「素敵ですね・・・騎士様からの愛がこもってますね」
ストレートにそう言われて恥ずかしそうにしているアリス。そんなアリスを見ているとリンスが少しだけ嬉しそうに微笑んでから言った。
「でも、これで君たちが結ばれたんだ。親友として凄く嬉しいよ」
「・・・ああ。ありがとうリンス」
「エクスぅ・・・」
そんな風に話していると今度は父上がこちらに涙を浮かべながら近づいてきた。隣の母上は呆れていたが、俺を見ると嬉しそうに言った。
「おめでとう、エクス。アリスちゃんウェディングドレス似合ってるわよ」
「あ、ありがとうございますお義母様」
「うぅ・・・私は嬉しいぞぉ・・・立派に育ったなぁ・・・」
「ありがとうございます、父上」
「泣きすぎですよまったくもう・・・ごめんなさいエクス。この人涙脆いから」
「ええ、知ってます」
それでも俺とアリスを祝福してくれているので嬉しくなる。
「全く・・・騒々しいな」
「アリス、似合ってるわよー」
そして、それに釣られてやってきたのはミスティ公爵とお義母様だ。
「エクスくん。私は君を完全には信じてないと肝に命じるんだな。アリスが泣くなら容赦はしない」
「ふふ、こう言ってるけど、喜んでるから心配しなくていいわよー」
「ミスティ公爵、お義母様。ありがとうございます」
なんとかご両親からの許可は得たようだ。それにほっとしているとガリバー、ライア、マナカの三人が近づいてくる。ちなみにファンとタリアンは遠くからそれを見守っていた。
「先生、おめでとう!」
「おめでとうございます」
「お、おめでとうございます」
「エクス、もしかしてこの子達が・・・」
「ああ。俺の教え子だよ」
そうして三人を紹介すると三人はアリスを見てから俺に感想を言った。
「すっげー美人!流石先生!」
「先生、いい人見つけましたね」
「わぁ・・・素敵・・・」
ナマカが特にアリスに見とれていた。いや、孤児院の子供達も女の子はアリスのウェディングドレスに興味津々だった。まあ、いつかは彼女達も相手をみつけて最高の結婚式をできることを祈っているよ。そうして美味しい料理を食べながら俺とアリスの結婚式は過ぎていくのだった。




