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91 騎士団長の息子は婚約者と過ごす

青春の終わりは近い


「明日は卒業式ですね」


お茶をしながらそんなことを言うアリス。そう、あっという間に明日はもう学園の卒業式なのだ。そして翌日には俺とアリスの結婚式がある。それくらい時が経っていたのだ。結婚式の準備は完了している。全て問題ないし、明日の卒業式の後の卒業パーティーも抜かりはない。


「そうだね、一年なんてあっという間だったよ。明後日には結婚式だね」

「・・・はい。楽しみです」

「俺もだよ。でも少しだけ寂しくもあるかな」


アリスとの婚約者という関係も明後日には終わってしまう。夫婦にランクアップするとはいえ少しだけ婚約者という関係に愛着もあるので寂しくもあるのだ。


「エクス、あの・・・」

「なんだい?」

「エクスは、その・・・後悔とかはないですか?私を選んだことに」

「全く。むしろアリス以外とは結婚したくないよ」

「そうですか・・・」


ほっとするアリス。これはもしかしてマリッジブルーってやつか?まあ、俺はともかくアリスからしたら色々と不安だよな。その辺を考慮するとしてやっぱり少しはフォローしないといけないな。そう思って俺は思わず立ち上がってから驚くアリスを後ろから抱き締めて優しく言った。


「大丈夫。なにがあっても俺がアリスを守るから」

「え、エクス・・・あの、くすぐったいです・・・」


顔を真っ赤にしてそう言うので嗜虐心をくすぐられるが、あまりいじめては可哀想なので俺は少しだけ笑って聞いた。


「怖い?」

「・・・怖くはないです。でも、エクスのお嫁さんになれるのが今だに夢なんじゃないかって疑います。それに、本当に私でいいのかなって・・・」

「アリスがいいんだよ。アリスだから俺は好きになった。だからアリスは堂々と俺のお嫁さんになってよ」


情けないことだが、アリスのために出来るのは言葉と行動で示すことだけ。それでも少しでもアリスの心を解きほぐせるなら出来ることをしようと思う。そんな俺の言葉にアリスはそっと抱き締めている腕に優しく触れると慈しむように言った。


「本当にこの一年は凄く幸せでした。諦めていた初恋が叶って、しかも好きな人と一緒に色々なことをしました。夢みたいです」

「これからももっと楽しくなるよ。俺とアリスが夫婦になったらしたいことたくさんあるんだよ」

「したいことですか?」

「うん。今よりもっとイチャイチャしたいし、アリスと暮らせるようになることが何よりも楽しみなんだよ」


これまでの生活とは一変するだろうが、それでもアリスと夫婦になれるのは嬉しい限りだ。これからもアリスとずっと一緒にいたい。いや、いようと心から思う。


「私もエクスと暮らせるのは凄く楽しみです。これで私の夢の一つが叶うので」

「夢?」

「はい。エクスのお嫁さんになることと、エクスと一緒に・・・その、そ、添い寝をしたりとか、えへへ・・・」


・・・か、かわいすぎだろ!え、添い寝ってそんなことが夢なの?かわいすぎる!是非叶えようその夢は。まあ、添い寝だけでは済まないだろうが、なんとか我慢せねば。そういえばあまり意識してなかったけど、明後日はいよいよ結婚式と同時に初夜なんだよな。アリスのことを心から好きなのでこの瞬間を待ちわびていたが、さっきの言葉で色々と意識してしまう。こんな純粋なアリスを俺のモノにするのはかなり色々と凄いと思いつつ楽しみになってくる。


「他にはなにかあるの?」

「えっと、エクスにいってらっしゃいと、お帰りなさいを言いたいです。それにエクスと一緒に毎日ご飯を食べて、一緒に寝て色んなことをしたいです」


純粋なアリスに俺は思わず微笑んでしまう。やっぱりアリスはかわいすぎる。それにしても本当にこの一年は頑張ったよな。転生したらいきなりアリスが婚約破棄されてて、それを助けて求婚したらあっさりオーケーされて、そこから何故か色んな展開に巻き込まれて、あの女から魔法をたくさん貰って、しかも『プロメテウス』というラスボスまでいる始末。その『プロメテウス』については色々と憶測ができるが、今は関係ないだろう。今大切なのはアリスのことだ。恋人、婚約者として一年も過ごして変わらぬどころか大きくなるアリスへの想いから俺はアリスのことが大好きなんだとわかる。


「ねえ、アリス」

「なんですかエクス」

「好きだよ」

「・・・私もです」


そんな感じで互いの想いを伝えあう。結婚式は明後日だ。準備はほとんど終わっているがまずは明日の卒業式と卒業パーティーのことだ。学生としての最後のイベントを全力で楽しもうと思う。アリスと共に過ごした青春は短くとも価値のあるものだった。だからこそちゃんとアリスと最後の時間を満喫する。俺の好きな人との青春を忘れないように心に刻んでから学園を離れたいのだ。そして俺は翌日にアリスと結婚して夫婦になる。この時をどれほど待ったことか。いよいよアリスと正式に結婚して夫婦になれるのだ。絶対にアリスを幸せにしてみせる。いや、幸せにする以外の選択肢はないのだ。


なにはともあれ明後日が楽しみだ。そうしてアリスとのお茶の時間は過ぎていくのだった。







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